「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所(本社:和歌山県和歌山市、代表取締役会長CEO:及川 智正、以下「当社」)は、「赤たまねぎ」の出荷と価格の状況を調査しました。

「赤たまねぎ」とは、新玉ねぎの端境期に流通する品目
赤たまねぎは、皮も内部も赤紫色を帯びたたまねぎの一種で、辛みや刺激が少なく水分を多く含むことから、サラダなど生食での利用に向いた品目です。輪切りにした際の鮮やかな赤紫色から、彩りを目的に使われることも多くあります。
たまねぎは春から初夏にかけて新玉ねぎが旬を迎え、その後に貯蔵性の高い通常のたまねぎへと切り替わっていきますが、赤たまねぎは多くの産地でこの新玉ねぎから通常たまねぎへ移行する「端境期」にあわせて出荷される品目です。
生食向けの需要が新玉ねぎと重なる一方、栽培する生産者や出荷量が限られることから、相場が下がりやすい端境期にも比較的高い単価で取引される傾向があります。
赤たまねぎの平均単価は前年比約12.8%上昇|全国に先駆けて出荷が始まる静岡県産は前年比約24%の単価上昇
当社の「農家の直売所」での赤たまねぎの平均単価は、
- 2024年(5月1日~6月10日):208.5円
- 2025年(同期間) :197.7円
- 2026年(同期間) :222.9円
と推移し、2025年から2026年にかけて約12.8%上昇しました。(※平均単価は1袋単位)
「農家の直売所」のデータでは、赤たまねぎのうち静岡県産が出荷量で全産地中最大のシェアを占めており、まとまった量での出荷をいち早く開始するのも静岡県産の特徴で、他産地に先駆けて市場に赤たまねぎを送り出しています。
この静岡県産に限定すると、2026年5月1日~6月10日の平均単価は266.7円となり、前年同期の214.6円から約24.3%上昇しました。
出荷の立ち上がりはやや後ろ倒し|ピーク時期を迎える6月は前年を上回る出荷量
一方で、出荷のペースには変化が見られます。2026年5月1日~6月10日の出荷量は、2025年の同期間と比べると少なくなっていますが、これは出荷の立ち上がりが例年よりやや遅れていることが背景にあります。
週単位で出荷量の推移を見ると、2025年は5月中に出荷のピークを迎えていたのに対し、2026年は6月に入ってから出荷量が増加しており、6月第3週(6月8日~10日を含む週)の時点では前年同週を上回る出荷量を記録しています。
生産者からは、気候変動による収穫期のずれを踏まえて作付け時期を調整する動きも聞かれており、こうした生産現場での対応が出荷時期の変化につながっている可能性があります。
生産者に聞く|赤たまねぎの生産現場
静岡県浜松市で新玉ねぎ・芽キャベツ・とうもろこしなどを生産するベストベジ株式会社(代表:伊藤様)に、赤たまねぎの生産・出荷の実情についてヒアリングしました。

写真:ベストベジ株式会社のみなさま(静岡県浜松市)
生産状況は例年通り、計画を確保
今年の赤たまねぎは例年通りの生育で、計画していた売上は確保できました。台風や猛暑の影響は比較的少なく、雨が少ない時期は灌水で対応する形で乗り切っています。(伊藤様)
赤たまねぎは通常のたまねぎより植え付け時期を遅く設定するため、台風シーズンや盛夏の影響を受けにくい構造になっています。ベストベジ株式会社では10月以降に定植することで、気候リスクを抑えながら安定した生産を実現しています。
手作業の草取りや排水対策など、地道な栽培管理が大事
ベストベジ様では、除草剤を使わず手作業での草取りを行うほか、土壌の状態を整えるためにカルシウムやマグネシウムなどを投与し、病害に強い株づくりを進めています。また、大雨による浸水被害を防ぐため、専用の機械で畑に排水用の溝を切るなど、地道な対策を積み重ねています。台風リスクを避けるため、赤たまねぎの植え付けは通常のたまねぎよりも遅い10月以降に設定しています。
収穫後1~2週間の貯蔵で色を「回し」、新設の冷蔵庫で品質を安定
赤たまねぎは収穫した時点では皮の色がまだ十分に入っていません。畑に置いたままにすると花芽(とう)が立ったり大きくなり過ぎたりしてしまうため、適期に収穫した上で、貯蔵しながら1~2週間ほどかけて色を回してから出荷しています。断面を確認しながら、ちょうど良いタイミングを見極めています。(伊藤様)
新設した大型冷蔵庫の導入により、保管中の腐敗や虫害がほとんどなくなり、品質管理が大きく向上しました。一般的な野菜のように冷やし過ぎず、色がしっかり回るよう10度前後の温度を保つよう管理しています。
気候変動を見据え、作付け時期の後ろ倒しを試験的に実施
近年の気候変動を踏まえ、台風や猛暑のリスクを下げるため、作付け時期を試験的に2週間程度後ろ倒しする取組みを進めています。栽培テストができるのは年に1回限りであることから、毎年少しずつ条件を変えながら検証を重ねています。また、労働力不足への対応として、季節労働者が短期間で作業に習熟できるよう、作業マニュアルを毎年更新しています。
資材高騰には機械化と早期調達で対応
肥料は5年前と比べて倍以上の価格になっており、影響は大きいです。資材によっては今後さらに値上がりが見込まれるため、価格が上がる前にまとめて仕入れるなど、早めの調達を心がけています。(伊藤様)
調査概要
調査期間:2024年5月~2026年6月10日 調査方法:当社が全国2,000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」での販売データ、及び生産者へのヒアリングを基に導出
■ 会社概要
株式会社 農業総合研究所
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田99番地12 寺本ビルII4階
URL: https://nousouken.co.jp/
「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業が無くならない仕組みを構築することを目的とした産直流通のリーディングカンパニーです。全国約10,000名の生産者と都市部を中心とした約2,000店舗の小売店をITでダイレクトに繋ぎ、情報・物流・決済のプラットフォームを構築することにより、農産物の産地直送販売を都市部のスーパーで実現した「農家の直売所事業」と、農産物をブランディングしてスーパーなどで提供する「産直事業」を展開しています。
■ 本件に関するお問い合わせ
株式会社農業総合研究所 経営企画部 広報課
〒640-8341 和歌山県和歌山市黒田 99 番地 12 寺本ビルII4 階
TEL :073-497-7077 Mail: pr@nousouken.jp









