アイリスグループ、「東日本大震災から15年」を機に農業参入を決定

掲載日: 2026年05月12日 /提供:アイリスオーヤマ

高齢化や担い手不足を背景に、次世代につながる農業の実現を目指す




 アイリスグループのアイリスアグリイノベーション株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役会長:大山 健太郎、以下、アイリスアグリイノベーション)は、東日本大震災の発災から15年の節目を機に、農家の高齢化や担い手不足の課題を解決するため、農業へ参入することを決定しました。

 東日本大震災の発災当時、宮城県にも本社を構える当グループは甚大な被害を受け、従業員やその家族も被災しました。地元企業として営農再開支援と農業復興を目的に、当グループは2013年に精米事業に参入し、東北を中心に提携する農家からの米の買い取りを通じて、安定した農業経営を支援しています。また、米の安定供給体制の強化と普及拡大、新たな雇用創出を目的に、2014年に亘理精米工場(宮城県亘理町)を新設し、玄米の調達および精米加工を開始しました。さらに、2022年には復興支援事業の一環として南相馬工場(福島県南相馬市)を新設し、パックごはん用のトレーやフィルムの製造を行っています。当グループはこれらの取り組みを通じて、資材の生産から玄米の調達・精米・加工・流通・販売までを自社グループ内で担う体制を構築しています。

 日本の農業の基盤である稲作分野では、生産者の高齢化が進み、担い手不足が一層深刻化しています。農林水産省の調査によると、2024年時点で稲作を含む基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳に達し、65歳以上が7割(※1)を占めているうえ、全国の農地の約3割では10年後の担い手が決まっていません(※2)。一方で、海外でも日本産の米関連製品の需要は高まっています。2025年の日本の農林水産物・食品の輸出額は前年比112.8%の1兆7,005億円と13年連続で過去最高額を更新し、なかでもパックご飯・加工米飯は前年比134.4%で19億円となっています(※3)。しかし、主食用米の価格高騰などの理由から、日本から輸出し販売・消費することを想定して生産される新市場開拓用米の作付状況は、令和7年産で前年比81.8%の0.9万haに減少しており、今後の輸出拡大や米の国内の安定供給に向けて作付面積を増加させる必要があります(※4)。

 こうした課題を背景に、当グループは日本の社会課題解決を事業の軸に据える「ジャパン・ソリューション」の考えに基づき、農業分野へ参入することを決定しました。農地リース方式で農地を借り受け、グループ従業員が農業の担い手となることで、高齢化や担い手不足により生じる耕作放棄地を活用し、地域農業の持続可能性の向上を図ります。また、生産した米を自社グループ内で加工・販売できるため、需要に応じて精米・出荷のタイミングを調整することで、市場への安定供給を目指します。なお、これまでと同様に提携先の農家への営農支援も継続し、農業を展開して得たノウハウを共有することで、農業のさらなる発展に貢献します。

 初年度は「にじのきらめき」を中心に多収品種を栽培し、収穫した米はパックごはんとして日本国内向けに販売予定です。面積は計22haと小規模でスタートし、全国に規模を拡大することで、中期目標として5年後には計200ha、長期目標では農業DXも推進しながら1,000haまで展開を広げる計画です。また、輸出用のパックごはんとして活用することも視野に入れています。

 当社は引き続き、日本の農業振興に寄与するとともに、食品事業の供給体制を強化し、生産者と生活者の双方をつなぐ役割を果たしていきます。

※1:農林水産省「第3節 担い手の育成・確保と多様な農業者による農業生産活動」(2025年5月)より参照。
※2:農林水産省「地域計画の策定状況(令和7年4月末時点)」(2025年9月)より参照。
※3:農林水産省「令和7年(2025年)農林水産物・食品の輸出額」(2026年2月)より参照。
※4:農林水産省「主食用米、戦略作物等の作付意向及び作付状況等について(令和8年産第1回中間的取組状況)」(2026年3月)より参照。

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