野菜摂取量推定機『ベジチェック』とオンラインサービスを組み合わせた 「カゴメ健康サポートプログラム」により野菜摂取量が増加することを…

掲載日: 2021年10月04日 /提供:カゴメ


2021年10月4日
<ニュースリリース>

野菜摂取量推定機『ベジチェック®』とオンラインサービスを組み合わせた
「カゴメ健康サポートプログラム」により野菜摂取量が増加することを確認
~第29回日本健康教育学会学術大会(2021年9月12日)で発表~


カゴメ株式会社(代表取締役社長:山口聡、本社:愛知県名古屋市)は、当社の健康サービス事業(※1)で提供している推定野菜摂取量を表示する「ベジチェック®」(※2)とオンラインサービス(e ラーニング・野菜摂取記録アプリ)を組み合わせた「カゴメ健康サポートプログラム」(以下、本プログラム)を受講した方は、野菜摂取量が増加することを明らかにしました。この研究は、2020 年に神奈川県に採択された「神奈川 ME-BYO リビングラボ」実証事業(※3)に基づき女子栄養大学と共同で実施し、第 29 回日本健康教育学会学術大会(2021 年 9 月 12 日)で発表いたしました。

■ 本研究の目的

厚生労働省が推進する「健康日本 21(第二次)」では、成人 1 日当たり野菜 350g の摂取が目標とされていますが、過去の国民健康・栄養調査においてこの目標が達成されたことはありません(※4)。特に、20 歳代~50歳代は 60 歳以上に比べて野菜摂取量が少なく、勤労世代において野菜摂取を促す必要性が特に高いと考えられています。

本研究は、勤労者を対象として、下記 4 つのサービスを組み合わせた栄養教育プログラムを受講してもらい、野菜摂取量の増加効果を検証することを目的として実施しました。

①食生活改善の動機付けを行う「カゴメ 健康サポート e ラーニング」
②日々の野菜摂取やベジチェックの測定値を記録することでポイントを獲得し、メンバー間の競争を促すゲーミフィケーション※を取り入れたアプリ「チーム対抗!ベジ選手権®4 週間チャレンジ」
③推定野菜摂取量を数十秒で表示できる「ベジチェック®」での自己モニタリング
④野菜飲料の提供による環境サポート
※ゲーミフィケーション
ゲームの持つ、遊びや競争などの要素を、ゲーム以外の分野のサービスやシステムに適用することで、利用者のモチベーションや満足度を向上させる手法。

■ 試験方法と結果

本研究で実施した栄養教育プログラムの評価は、女子栄養大学と共同で行いました。

神奈川県内に事業所がある企業に勤務し、研究への参加同意が得られた男女 285 名(男性 210 名、女性 75名、平均 44 歳)の勤労者を対象とし、無作為に下記の 3 群に割り付け、事前(e ラーニング受講前)、事後(事前調査の 5 週間後)に食事調査を実施し、野菜摂取量を算出しました。

・③と④による環境サポートのみを実施した群(対照群)
・③④による環境サポートに加え、①を受講し動機付けをした群(介入Ⅰ群)
・①③④による動機付けと環境サポートに加え、②のアプリを使用した群(介入Ⅱ群)

結果

試験期間中に脱落した方を除き、結果の解析は 183 名(介入Ⅰ群 63 名、介入Ⅱ群 61 名、対照群 59 名)で実施しました。

各群の介入前後での野菜摂取の変化量を算出して群間で比較した結果、対照群(平均+16.4 g/日)と比較して、介入Ⅰ群では増加傾向(平均+39.8 g/日)が認められ、介入Ⅱ群では有意に増加していました(平均+62.4 g/日)(図 1)。

介入前後の野菜摂取に関する行動変容ステージ(※5)のスコア(前熟考期:1 点,、熟考期:2 点、準備期:3 点、実行期 4 点、維持期 5 点)の変化量を群間で比較したところ、対照群と比較して介入Ⅰ群, 介入Ⅱ群ともにスコアの有意な増加が認められました(対照群:中央値 2 点, 介入Ⅰ群中央値:3 点, 介入Ⅱ群:中央値 4 点)(図2)。

図 1 野菜摂取量の変化の比較 対照群 n = 59, 介入Ⅰ群 n = 63, 介入Ⅱ群 n = 61 介入前後での野菜摂取の変化量を群間で比較(Dunnett 検定)
図 2.行動変容ステージスコアの変化 対照群 n = 59, 介入Ⅰ群 n = 63, 介入Ⅱ群 n = 61 前熟考期:1 点、熟考期:2 点、準備期:3 点、実行期 4 点、維持期 5 点でスコア化 介入前後での行動変容ステージスコアの変化量を群間で比較(Steel 検定) スコア変化量中央値 対照群=0, 介入Ⅰ群=1, 介入Ⅱ群=2 ×:スコア変化量平均値 対照群=0.33, 介入Ⅰ群=0.63, 介入Ⅱ群=1.06

研究期間中のベジチェック®の測定頻度を群間で比較したところ、介入Ⅱ群は対照群、及び介入Ⅰ群と比較して有意に測定頻度が高いことが示されました(図 3)。

まとめ

以上の結果から、勤労者を対象とした野菜摂取量の増加を目的とした栄養教育プログラムにおいて、野菜飲料の提供や、野菜摂取量の自己モニタリングが可能な機器「ベジチェック®」の提供による環境サポートに加え、eラーニングによる動機付けや、ゲーミフィケーションの要素を取り入れた野菜摂取記録アプリによる実行支援を行うことは、野菜摂取量の増加に効果的であることが明らかになりました。

<用語説明>

※1カゴメの健康サービス事業
主に法人や自治体向けに、健康増進をサポートするサービスを開発・販売しています。野菜不足の自分事化につながるベジチェック®のレンタル・リースや、野菜摂取の重要性、メリット、メソッドを伝えるセミナー(集合型、オンライン)、レコーディングアプリ、e ラーニングの提供などを通じ、食習慣の改善や野菜摂取をサポートします。
左から、セミナー(集合型)、アプリ「チーム対抗!ベジ選手権®4 週間チャレンジ」、e ラーニング

※2:ベジチェック®
自身の推定野菜摂取量が数十秒でわかる機器です。センサーに手のひらを当てるだけで結果がわかります。 測定の簡便さが特徴で、他のサービスと組み合わせることで、より行動変容を促すことが期待できます。 ※ベジチェック®は医療機器ではありません。表示値はあくまでも目安となります。

図 3.ベジチェック®の測定頻度 対照群 n = 59, 介入Ⅰ群 n = 63, 介入Ⅱ群 n = 61 1 点:測定しなかった、2 点:週 1 回未満、3 点:週 1~2 回、4 点:週 3~4 回、5 点:週 5 回以上でスコア化 スコアを群間で比較(Steel-Dwass 検定)

※3:ME-BYO リビングラボ
「神奈川 ME-BYO リビングラボ」とは、県民が安心して未病改善に取り組むことと、未病産業の持続的発展の促進を目的に、市町村や健康経営を実践する企業等と連携して、未病関連商品・サービスの検証・評価を行う仕組みです。

※4:平成 22 年~令和元年国民健康・栄養調査(厚生労働省)

※5:行動変容ステージ
行動変容ステージモデルでは、人が行動(生活習慣)を変える場合は、以下の【図】のように「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の 5 つのステージを通ると考えます。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

カゴメ株式会社 経営企画室 広報グループ 北川、太田
TEL/03-5623-8503

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