一般社団法人海と日本プロジェクトin滋賀県は、日本人の魚介類消費量がこの20年で約42%も減少しており、特に若者にとっては、魚を食べる機会や自分で調理する機会が減っているという現状を解決することを目的として、学生たちが自分たちで海や琵琶湖の魚をつかったレシピを開発する「海と琵琶湖のさかなレシピ」チャレンジワークショップを2025年9月20日(土)~11月29日(土)の全5日間で開催いたしました。また、2026年1月10日(土)には総括として、ワークショップで考案したレシピ発表イベントを実施しました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

イベント概要
・開催概要:海や琵琶湖の魚や調理方法について学んだ後、魚をつかったレシピを3品考える。また考えたレシピのレシピカードも作成し、流通店舗で配布を行う。・日程:2025年9月20日、10月12日、11月1日、11月15日、11月29日、1月10日
・開催場所:滋賀県草津市、大津市
・参加人数:6人(高校3年生~修士1年生)
琵琶湖の漁を体験
1日目は琵琶湖で漁師をしている駒井健也さんと一緒に漁体験。実際に船に乗せていただき、エリ漁やさしあみ漁、竹筒漁などを体験しました。漁では、大きなビワマスが網にかかっているのが見つかり、学生はびっくり!網から魚を外す体験をした学生からは、「1匹の魚でも外すのがとても大変だったので、これを何匹もしている漁師さんの苦労やすごさが良く分かりました」と売っているお魚を見ただけでは感じることのできない漁師さんの苦労を実感していました。漁の仕組みを学ぶだけでなく、魚の生態についてや、最近の琵琶湖の漁獲量の変化についても教えていただくことができた漁体験。とても良い学びとなりました。

さかなの旬を知ろう
漁体験を終えてからは魚の旬について学習しました。何となく魚の旬のイメージがある学生たちは自分自身の知識を集めて魚の旬を分別してみましたが、正しい旬の時期とは全然違う魚もいてびっくりする学生たち。魚レシピを作成する上で、正しい旬の時期を知るということも大切だと学びました。また、これからレシピを開発する上で、なぜ近年魚食離れが進んでいるのかを考えました。・お肉料理よりもヘルシーなイメージがあり満足感が足りない
・作るのに下処理など手間がかかる
・そもそも魚料理のレシピをあまり知らない。
などの意見があがり、魚料理が好きな学生たちも納得できる内容ばかりで、魚食離れを痛感しました。

衛生管理
2日目は、初めにレシピ開発や料理を行う上で基本となる衛生管理について学びました。どのような食材にどのような食中毒の危険性があるのか、その対策としてどのような調理方法があり、どのような手順を踏むことで防ぐことができるのかなど、調理前や調理中、調理後に注意する点に分けて学びました。改めて確認することで、普段から行っている行程もありましたが、当たり前の行程だからこそ丁寧に行うことができていなかったことや、これまで意識していなかったが、実は危険だった行為に気付くことができ、これから行うレシピ開発だけでなく、これからの生活にも活かすことができる良い学びとなりました。

調理方法を学ぼう
後半はラオス料理人の小松聖児さんに魚の情報や調理方法について教えていただきました。普段、私たちがスーパーで目にする水産物は、様々な過程を経て私たちの手に届いているということ、記載されている魚の産地や加工方法、流通経路を見ることでその水産物の過去が分かるなどを教えていただき、学生たちはとても興味深く話を聞いていました。魚について学んだあとは調理実習!小松さんに教えていただきながら生魚を購入し1から魚料理に挑戦しました。魚の三枚おろしは難しいイメージでしたが、手だけで行うので初めての学生でも簡単に行うことが出来ました。また、購入した魚を刺身を食べる場合の塩締めについても教えていただきました。魚には余分な水分が含まれていることが多いため、塩締めを行うことで余分な水分が抜け魚の旨味が強くなるということを知り、少しの工夫でこんなにも美味しくいただくことが出来るのかと学生は驚いていました。生魚を購入して1から魚料理をすることに抵抗があった学生からも「思っていたより簡単に作ることが出来ることに驚いた。レシピを作る上で誰でも作りやすいレシピを意識したいと思います」と話してくれました。

流通店舗を見学します
3日目には学生にエールを届けに「さかな芸人 ハットリさん」が会場に登場!ネタも披露してくださり、学生たちはとても楽しんでいました。またハットリさんは、日本さかな検定1級をもっており魚の種類をたくさん知っているだけでなく、魚の特性や食べ方の知識も豊富!学生たちのワークショップにも参加いただき、レシピ作成のアイデアをいただきました。レシピカードを作成する前に、コープしがぜぜ店の水産バイヤー中田さんにスーパーの魚売り場についてや販売している魚について教えていただきました。スーパーの魚売り場でも魚離れを痛感する場面があるそうで、少しでも手に取ってくれるお客様を増やすために、さばく・味をつける等の加工をしてから販売したり、販売場所に調理方法の紹介動画を流すなどの工夫を行っていることを教えていただきました。また、販売している魚にはこだわりをもっており、旬の魚を仕入れることはもちろん、魚の鮮度についても目の色や表面の色味を確認してより新鮮な魚を取り扱っている、というバイヤーさんの工夫も教えていただきました。

レシピ開発
「テーマ、使う魚、対象とする世代」など考える事は沢山ありますが、みんなでアイデアを出し合い、魚離れが進んでいる理由も踏まえながら、3つのレシピを考えました。また魚には旬があるため、レシピカードの配布時期を考えながら作成していました。レシピを考案した後は試作です!試作を行いながらタイトルや味付けについてもアイデアを出し合い考えていきました。実際に試作を行いながら、魚に合う味付けを考えたり、調理方法を見直してより簡単にできるよう工夫を加える、見た目をよくするために彩りを加えるなど、レシピ作成の時点では気付くことのできなかった視点からも考えてアレンジを加えることで、より良いレシピを作成することができました。
試作した学生は「味付けを考えるときに魚の魅力が消えてしまわないようにすることを意識しました。加熱の方法や切り方、炒め方など少しのことで食感や味が変わったりもするので難しかったですが楽しかったです」と、レシピ開発の奥深さを感じていました。
作成したレシピは、手間がかかる、満足感が足りないなどの魚離れの原因となるものを感じさせないようなレシピもあり、これまでのワークショップで学んだことを活かすことが出来たレシピとなりました。

レシピカードを作成!
最終日にはレシピの内容が確定したので、レシピカードを作成します!前回の試作を振り返りながら調理行程を見直し、最終確認を踏まえて料理を行いました。今回はレシピカードに掲載する写真も撮影するということで、学生たちには前回と違う緊張感がありました。料理の後はレシピカードに記載する内容を考えます。だれが読んでも分かるように記載すること、文字数が多すぎると読みにくいので簡潔に書くことなど、注意する点も多く書き方に苦戦する様子もありましたが、アイデアを出し合いながら考えることで、分かりやすく作ってみたいと思えるようなキャッチコピーをつけたレシピカードが完成しました!

レシピ発表イベント
1月10日にはコープぜぜ店でレシピ発表イベントを開催しました。魚離れに対する思いや、作成したレシピに込めた思い、どのような人たちに食べてもらいたいかなどを発表した後、作成したレシピ3種の中の1つ「さかなそぼろ丼」の試食提供も行いました。試食したお客さんからは「魚はあっさりのイメージであったが、味もしっかりしていて食べ応えがあり美味しい」や「普段は魚料理が食卓に並ぶと嫌がる子どもが、この試食は美味しそうに沢山食べていたので驚きました、また家で作ってみようと思います」といった感想を頂くことができました。
学生は「たくさんの方に試食をしていただくことが出来、魚レシピの魅力を伝えることが出来たと思います。今後も多くの方がレシピカードを手に取ってくださり、少しでも魚離れ解消に繋がると嬉しいです」と話していました。全てのワークショップを終えた学生は、「このワークショップを通して、魚料理は意外と簡単にできるものもあるということを知ることが出来、自分自身の食卓にも魚料理が並ぶことが増えました。魚の美味しさにも改めて気づくことが出来たので、今後も魚料理に挑戦していきたいと思います」と話しており、魚離れ解消を訴えるだけでなく、参加学生の意識も変えることが出来たワークショップとなりました。

<団体概要>
団体名称:一般社団法人 海と日本プロジェクトin滋賀県
URL:https://shiga.uminohi.jp
活動内容:琵琶湖や海について学び、関心を持ってもらうことを目的に、ニュースサイトやSNS、番組放送などでの発信、自治体や企業と連携した企画の推進、環境学習イベントなどを実施しています。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/









