
開発の背景
堤防での釣りは人気のレジャーですが、常に危険と隣り合わせです。一度堤防から落水すると、自力で這い上がることは困難であり、発見が遅れれば命に関わる重大な事故につながります。一方で、安全対策を徹底する場合は、「柵を作る」「監視員を常駐させる」などコストがかさみ、事業の組み立てが困難になります。その結果、安全性とコストの兼ね合いから、「釣りを禁止にする」ことが避けられない選択肢となる傾向があります。これらの課題は、釣り文化の発展や地域振興の足かせとなっています。
万が一の「声」を全員に届ける。「UMIGO 救助信号」

「UMIGO 救助信号」は、落水などの緊急事態が発生した際に、スマートフォンアプリ内の「救助信号を発信」ボタンをタップすることで、運営管理者およびエリア内のサービス利用者全員に対して一斉に救助要請を発信できるシステムです。発信後は位置情報が随時更新され、受信者はマップを頼りに救助活動を開始することが出来ます。海業アプリ「UMIGO」のオプション機能として提供を予定しており、運営管理者は信号を受け取った時点で、緊急連絡先を含む利用者情報も同時に参照することができます。
スマートフォンのみのシンプルな設計かつ、堤防など特定のエリア内でお互いが助け合う「共助」のシステムが本ソリューションのユニークなポイントです。

UMIGO 救助信号の概要

※「UMIGO救助信号」は特許出願済です。
※UMIGOは株式会社ウミゴーの登録商標です。
下田港にて公開実験を実施
2025年12月3日、伊豆漁業協同組合下田支所の協力のもと下田港にてUMIGO救助信号の機能検証を行いました。落水後、他利用者が救助に向かうシナリオと、運営管理者が救助活動を開始するシナリオの2パターンを検証し、本機能の有効性を確認しました。公開実験終了後のコメントを以下に記します。伊豆漁業協同組合 参事 中川氏のコメント
「本日は比較的穏やかな海況ではありましたが、それでも落水から10分ほど経つと、想像以上に流されていました。波や風が強まれば、この距離でも声は届かなくなると思います。その点でも、位置情報を共有できるこの仕組みは非常に有効だと感じました。管理事務所で救助信号を受信し、近くの遊漁船にすぐ連絡を取って救助に向かってもらうといった連携も取りやすいと感じています。安全な海のレジャーを、西伊豆や下田市をはじめ、伊豆各地に広げていければと思います。」
伊豆漁業協同組合 下田支所長 津曲氏のコメント
「操作については、発信までが2~3ステップと非常にシンプルで、とても使いやすい機能だと感じました。」

他利用者が救助信号に気付き、救命浮環を用いて救助活動を行うケースを想定した救護訓練の様子
UMIGO 救助信号の作動順序

「UMIGO 救助信号」が果たす役割
UMIGO 救助信号は、スマートフォンからボタンタップで救助信号を発信し、救助までの時間を大幅に短縮し救命率向上に貢献します。管理者のみならず同エリア内の利用者にも同時に信号を発信することにより共助の体制を構築できることが強みです。これによりサービス関係者間での一次救助体制を構築することができ、海上保安庁などの公的インフラへの依存度も下がります。一方で、UMIGO救助信号は完璧な安全対策を保証するものではありません。落水時に気絶した場合や、スマートフォン水没時は信号を発信することはできません。しかしながら、ベースとなる安全対策レベルを高めるという観点に立つならば、「UMIGO救助信号」は従来の課題を大幅にカバーすることができる、これまでになかった概念といえます。
今後、本機能を、海業振興を下支えするソリューションとして、UMIGO各サービスへの搭載を進めてまいります。
「海業サービスを創造し、地域を支える」株式会社ウミゴーについて
株式会社ウミゴーは、静岡県賀茂郡西伊豆町に本社を置く海業スタートアップです。私たちはデジタルとデザインの力で海や漁港・漁村の課題解決に取り組み、地域と連携しながら持続可能な海業を企画開発し、社会実装します。コアサービス「海釣りGO」は、日本初の漁港の釣り場予約システムとして、釣り人・漁業者・地域社会の共存を実現してきています。2025年度からはアプリ「UMIGO」を通して釣り利用以外にもさまざまな海業サービスを提供していきます。

◆海釣りGO サービスサイト
https://umigo.co.jp
◆伊豆漁業協同組合 ホームページ
http://www.soshimogyo.jf-net.ne.jp
◆お問い合わせはこちら
株式会社ウミゴー事務局
info@umigo.co.jp









