
(写真:2024年4月17日旭酒造での協力覚書調印時。左から、ミヒャエル・オッター ADVANTAGE AUSTRIA代表、エリザベート・ベルタニョーリ駐日オーストリア大使(当時)、ハラルド・マーラーオーストリア連邦産業院総裁、桜井一宏 旭酒造株式会社社長、桜井博志 旭酒造株式会社会長)
【「獺祭 未来を作曲」の概要説明】
(1) 製造までの過程・時系列
〇2024年4月:オーストリア連邦産業院総裁・ハラルド・マーラーが旭酒造蔵を訪問。2025年日本国際博覧会(大阪関西万博)に向けたコレボレーション獺祭を造るべく、協力覚書を締結。
〇2024年8月:世界最高峰の管弦楽団であるウィーン・フィルハーモニーのメンバーであるアンドレアス・グロースバウアー氏(第一ヴァイオリニスト)をリーダーとする六重奏と飯森範親氏の指揮による日本センチュリー交響楽団のフルオーケストラが演奏するヨハン・シュトラウスII世の「入り江のワルツ」を録音し、オーストリアにてドッキングを実施。
〇2024年10月:ドッキングした音源が、オーストリアから旭酒造に届き、獺祭の発酵タンクに聞かせ始める。「獺祭 未来を作曲」の醸造開始。
〇2025年3月:「獺祭 未来を作曲」完成。
〇2025年5月22日:オーストリアパビリオンにて、販売開始。同月23日から、関西の酒販店・百貨店・ホテル、及びオーストリアをはじめとする一部欧州で販売開始予定。販売終了は、大阪関西万博の閉幕である10月13日。
(2) 技術的側面
〇精米歩合は「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」と同じ23%。
〇「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」との違いは、音楽を聴かせたこと。
〇音楽を聴かせることによる酒質の変化は、原理としては、音から出る振動によりタンク内の酵母に影響を与えることから生じる。タンクに音振装置を取り付け、発酵段階にある30日から35日間の継続的なタンクの振動により、酒中に溶けているガスが抜けやすくなり、酵母の動きに変化を与えることから、酒質に新しい魅力を与えてくれる。


(1) 代表者の言葉
1. オーストリア連邦産業院総裁 ハラルド・マーラーの言葉
オーストリアと日本は、品質、職人技、伝統への深い敬意を共有しています。長期的な視点や家族経営企業の強みなど、両国には多くの共通点があります。
オーストリア連邦産業院は、「未来を作曲」というテーマのもと2025年大阪・関西万博を、自国の企業を国際的に発信し、経済・文化交流を促進する重要なプラットフォームと捉えています。私たちが目指しているのは、日本とオーストリア、互いの魅力や強みを結びつけることです。未来は手を取り合ってこそ、より豊かで確かなものになると信じているからです。
旭酒造とのコラボレーションは、「日本酒」と「音楽」という両者の文化が、人々の心に直接語りかけ、国境を越えて人々をつなぐ力を持っているという共通の信念に基づいています。このプロジェクトは、両国に共通する価値観を表現するとともに、文化を軸にした協力関係が、持続可能な経済連携へと発展することを物語っています。
2. 旭酒造株式会社社長 桜井一宏の言葉
私どもは、人に感動を与える事のできる美味しいお酒は、音楽と同じように人間社会になくてはならない存在であると強く信じています。
また、私たちは世界中の各国の文化を尊敬しながら酒を輸出しており、その国の文化と協力しながら、新しい文化、新しい楽しさを産み出せることを喜びとしています。
そういった二つの意味から、この特別な獺祭を通じて、オーストリアと日本の友好関係、そして両国家間でのお互いの文化に対する理解を深める事に私どもの酒蔵が協力できるという事は光栄ですし、オーストリアパビリオンのテーマでもある「未来を作曲」という言葉の通り、日本とオーストリアの関係が深まっていく事を願っています。
3. 「フィルハーモニック・テイスト」プロジェクト創始者およびウィーン・フィルハーモニーのメンバー、アンドレアス・グロースバウアー氏の言葉
音楽の「美」、獺祭という酒造りの「智」、そしてオーストリア連邦産業院の「支え」。
この三つがひとつのプロジェクトとして結びついた時、そこに生まれたのは「愛」でした。「獺祭 未来を作曲」は、まさにその結晶です。
音楽は、日本とオーストリアの人々をつなぐ橋を架けてくれます。
今回私たちを結びつけたのは、ヨハン・シュトラウスの「入り江のワルツ」でした。
私が手がける「フィルハーモニック・テイスト」というプロジェクトは、音楽の力を通じて、芸術・経済・政治のあいだに橋をかけることを目指しています。
この特別なお酒を口にするたびに、日本とオーストリア、そしてそれぞれの美しい文化を思い出していただけたら幸甚です。乾杯!
(4)「未来を作曲」商品情報

商品名:獺祭 未来を作曲 カートン入り
容量:720ml
聴かせた曲:ヨハン・シュトラウスII世「入り江のワルツ」
演奏家:ウィーン・フィルハーモニーのメンバーからなる六重奏、日本センチュリー交響楽団
ラベル記載事項:精米歩合:23%、アルコール分:15度
原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)
希望小売価格:7,273円(税抜)/8,000円(税込)
販売期間: 5月22日の日本国際博覧会オーストリア国際日公式行事でのお披露目後~10月13日(大阪関西万博の閉幕まで)
<その他のオーストリアと獺祭のコラボレーション>
2024年12月31日に、旭酒造会長の桜井博志が、ウィーンにて、アウガルテン及びロブマイヤーの工房を訪問。双方の酒器に、獺祭のロゴマークを付したコラボレーション酒器を作成することが決定。各社の概要は以下のとおり。

1. アウガルテン
1718年創業のアウガルテンは、ヨーロッパで最も歴史ある磁器工房のひとつです。約300年にわたって受け継がれてきた伝統のもと、精巧で高品質な職人技を誇る名門ブランドとして知られています。
本社はウィーンのアウガルテン宮殿内にあり、洗練されたテーブルウェアや装飾品、唯一無二の磁器作品の製造において、豊かな歴史を誇ります。すべてのコレクションは、職人の手によって丁寧に成形・制作され、アウガルテン・ウィーンの象徴である「盾形紋章」が刻まれています。
何世紀にもわたり、アウガルテンは卓越した職人の技と芸術的デザインによって名声を築き、オーストリア文化遺産の象徴とも言える存在となっています。日本でも、その品質と芸術的価値の高さは広く評価されています。
「獺祭 未来を作曲」プロジェクトでは、アウガルテンの華やかなシャンパンンボウルに「獺祭」のロゴをあしらった特別仕様が誕生しました。
このシャンパンボウルは、最高級の磁器でつくられ、輝く金彩が施された優美な逸品です。職人の手で一つひとつ24金で筆塗りされており、通常のグラスよりも長く冷たさを保つことができます。まさに、シャンパンだけでなく、日本酒の新しい愉しみ方を提案する器です。

2. ロブマイヤー
J. & L. ロブマイヤーは、200年前の1823年、ヨーゼフ・ロブマイヤーによってウィーンで創業され、瞬く間に宮廷御用達となりました。素材への愛情、製品への深い愛情、そして献身的な姿勢が、それぞれの世代を特徴づけています。ロブマイヤー社は、ガラスと光の現代的な解釈に重点を置きながら、その伝統を育み続けています。オーストリアパビリオンでは、マリー・テレジアのシャンデリアの貴重な一例をご覧いただけます。獺祭とのコラボレーションにより、美味しい日本酒をこの上なく優雅に楽しむために、バレリーナシリーズの特別な形が選ばれました。