Farmnote Gene、ゲノム検査市場で国内シェアNo.1に

掲載日: 2025年05月08日 /提供:ファームノート

繁殖・育種改良は「感覚」から「科学」へ。独自指標「繁殖インデックス」で次世代の育種改良プラットフォームを目指す

 酪農デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)のリーディングカンパニー、株式会社ファームノート(本社:北海道帯広市、代表取締役 小林 晋也 以下、ファームノート)は、酪農生産者向けに乳牛の遺伝子情報(ゲノム)解析サービス「Farmnote Gene(ファームノート ジーン)」が、2025年1月検査分において国内No.1*のシェアを獲得したことをお知らせします。CDCB*(全米乳牛改良協議会)に提出された日本からの月間検体数6,069のうち、Farmnote Geneによる検体数は3,000を超え、国内シェアは50%を突破しました。

授精とゲノムの大規模データから開発された「繁殖インデックス」── 新たな繁殖基準に

 Farmnote Geneは、牛の遺伝的能力を分かりやすく把握できるゲノム情報サービスとして2022年3月にスタート。現在では、遺伝子情報をもとに牛の繁殖能力をスコア化した独自指標「繁殖インデックス」をリリースしました。「繁殖インデックス」は、Farmnote Cloudに蓄積された500万回を超える授精データとゲノム検査データに基づいて開発された指標で、繁殖性に優れた個体を早期に見極め、データに基づいた繁殖戦略を立てることが可能となりました。




後継牛選抜から個体販売まで、収益化をフルサポートする繁殖戦略

 Farmnote Geneは、検査結果とFarmnote Cloudを連携させることで、以下を一つの戦略として統合しています。
「この子の遺伝子を残すべきか」に、もう迷わない
 「この子の遺伝子を残すべきか」という5年後の牧場経営を左右する問いに、確かなデータで答えます。Farmnote Geneでは牧場の改良方針により、2つのゲノム検査が選択可能です。ST Geneticsの「Vision+」はロボット適性や飼料効率など現場ニーズに直結する指標に、Zoetisの「クラリファイドプラス」は健康指標に、それぞれ強みを持ち、戦略的な後継牛選抜を実現します。

精度の高いメイティング*が、改良のスピードとゴールを決定する
 育種改良には時間がかかるからこそ、いま選ぶ精液や受精卵に根拠が求められます。検査結果とジェネティクスサービスのメイティング提供の活用により、ST Geneticsの高TPI・NM$*の性選別精液や、高能力ホルスタイン受精卵を活用し、目的に応じた交配を精度高く実施。最速でゴールに到達できる育種設計を実現します。

繁殖インデックス×和牛受精卵で、個体販売収益を最大化
 ファームノート独自の「繁殖インデックス」は、ビッグデータに基づき、牛一頭ごとの「産む力」を科学的に数値化。NM$が低く、繁殖インデックスのスコアが高い個体には和牛受精卵を移植し、交雑牛以上の価格で販売。後継牛確保と個体販売によるキャッシュ創出を両立する、牧場収益最大化の戦略を設計できます。

「数字が見えるから、判断が変わる。Farmnote Geneで変わった牛づくりの視点 ー 那須野牧場(十勝)」




 「ゲノムは前から興味があったんですが、当時は病気も多く、良い牛を残す前に、環境を整えることが必要だと考えていました。ようやく飼養環境を改善できたところで、満を持してゲノム解析を導入しました」那須野牧場の那須野さんは、Farmnote Gene導入の背景をそう語る。
「初めて数値を見たときは、予想と違いすぎて驚きました。“見えていたはずの牛”なのに、NM$(ネットメリット)を見るとマイナス台でした。目利きでは分からない部分が見えることで、“本当に良い牛”が明確になります」


2021年から2025年のNM$の変化。NM$平均は600台まで上昇*本データは2025.4.1のCDCBによるベースチェンジ(基準値の改訂)前の評価に基づくものです。


導入から2年以上が経ち、いま搾乳期を迎えているのは、NM$600台平均の牛たち。
現在はFarmnote Geneの数値を基に繁殖戦略を立案。メイティングにより、後継牛にはNM$が高くロボット適性の高い性選別精液を、一方でスコアが低い牛には和牛受精卵移植を積極的に行い、個体販売へと回す仕組みも整えた。
結果として、必要な頭数だけ後継牛を残し、過剰な育成コストをカットできるように。年間100頭規模の和牛販売は新たな収益源となり、経営も安定化し始めている。

「感覚」から「科学」へ。Farmnote Geneが目指す未来

 Farmnote Geneは、単なる検査ツールではなく、牧場の繁殖戦略を支える意思決定プラットフォームです。後継牛の選抜からメイティング、和牛受精卵の活用による個体販売までを一貫して支援し、経営者がデータに基づいた判断を行える環境を提供します。
ファームノートは、こうしたデータドリブンな繁殖戦略を酪農経営の「新たな標準」として定着させ、日本の酪農を「感覚」に頼る時代から「科学」に基づく未来へと進化させていきます。

* CDCB公式ポータル「WebConnect」にて当社が確認した2025年2月4日~3月4日の期間における日本からの新規登録件数6,069件に対し、当社の提出件数が3,000件超であったことに基づく表現です。この数値は公開当時に確認したものであり、WebConnectは以下から参照できますが、情報は定期的に更新される仕様です。https://webconnect.uscdcb.com/#/summary-stats/genotype-count/country
* CDCB(全米乳牛育種協議会)とは、乳牛の遺伝評価を行う世界最大の機関です。ゲノム情報や生産データをもとに、改良効果や繁殖能力などを評価・公開しています。
* メイティングとは、遺伝的な組み合わせを考慮して牛の交配計画を立てることです。遺伝病の回避や形質改良を目的に、理想的な種雄牛を選定します。
* NM$(ネットメリット)とは、乳牛の生涯にわたる経済的価値を示す指標で、乳量・繁殖・健康・体型など複数の形質を総合評価した遺伝指数です。

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