岩井化学薬品株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:岩井佳子 以下 当社)は、2024年10月に新設した機器/BIチームを2025年4月1日付で、慶應義塾大学 先端生命科学研究所の元特任教授の斎藤輪太郎氏をテクニカルマネージャーとしてお迎えし、以下に示すように、バイオインフォマティクス事業を強力に推進するための組織体制に強化いたしました。
組織図

■当社がバイオインフォマティクス事業に参入した背景
1. データ解析市場の拡大
生物学的データを出力する装置、特にNGSと呼ばれる装置の発展はめまぐるしく、膨大なデータが出力されるようになりました。またこれを用いて行われるゲノムなどの研究には政府・非政府組織の両方から積極的な投資が行われており、今後の成長が期待できる分野です。
一方この膨大なデータの分析・解釈にはバイオインフォマティクス解析が不可欠で、そのためのサービスが成長しています。
2. ユーザーニーズの多様化
NGSから出力されるデータ形式は統一化が進んでおり、それらを自動的に解析するソフトウェア・プラットフォームも充実しつつあります。しかしながら、研究目的・内容・手法の独自性が強くなってくると、それに応じて独自のデータ解析を行いたい局面がどうしても出てきます。特にマルチオミクス解析のように、複数のデータを独自の視点で統合解析したい場合、その傾向は顕著になります。ここに専門的な知識を持ったバイオインフォマティクス人材が必要となってきます。
3. 解析者の人材不足
生化学や分子生物学などに比べるとバイオインフォマティクスは新しい分野であり、「分野融合型の大学学科、社会人向け講義など、学びの場が不足している」「バイオ分野でのキャリアパスが未確立である」「ITに加えてバイオの専門知識も習得する必要がある一方、他業界(IT・通信など)より処遇が良いわけではない」といった状況がバイオインフォマティクス解析者の人材不足につながっています。そこで、バイオインフォマティクス関連の解析者の人材不足を解消するソリューションを提供し、当社の企業ポリシーである「研究者と共に未来を創造する」を実現します。
■事業概要
本事業では研究者の方々のバイオインフォマティクス解析を支援すべく、ユーザーニーズに合わせて以下の3つのサービスを展開しております。
1. 人材派遣
解析プロジェクトなど大規模に解析を行う必要があるが人手が不足している研究者に、解析のできる人員を派遣して解析を支援するサービス
2. 解析受託
専任に解析を行う人員がおらずご自分で解析しようにもその時間や技術がない研究者に、データをお預かりして解析結果を返すサービス
3. クラウド型解析プラットフォーム
ご自分で簡単に解析を行いたい研究者に、解析プラットフォーム(basepair)を提供するサービス
当社は多くのメーカーやサービス業者と取引しており、実験機器から得られるデータに関する疑問や問題・適切な解析法などに関して必要に応じて機器メーカーや他の解析業者と協力することが可能です。また解析結果に基づいて行われる次の実験に必要な試薬や機器に関しても多様な選択肢があります。このように、当社の幅広い仕入・販売網によってバイオインフォマティクス解析を取り入れた研究計画実施の強力な支援体制を構築します。
■テクニカルマネージャー:斎藤輪太郎のコメント
2025年4月より当社が新規で進めているバイオインフォマティクス事業のテクニカルマネージャーに就任いたしました。それ以前は、研究所や国内・海外の大学でバイオインフォマティクスに関する研究を20年以上続け、手がけた分野もゲノミクス・トランスクリプトミクス・プロテオミクスなど多岐に渡ります。近年はメタボロミクスやヘルスサイエンスの研究にも取り組んでおりました。当方の幅広い経験が多くの生命科学の研究支援をするうえで極めて強力な武器になると考えておりますので、様々な分野の研究者の方々からのご相談をお待ちしております。
【略歴】
2000年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を修了/博士(学術)、2年間理化学研究所ゲノム科学総合研究センターに研究員として勤務、2002年に慶應義塾大学生命科学研究所・専任講師に就任、2011年より米国カリフォルニア大学サン・ディエゴ校(UCSD)にて訪問教員・プロジェクト研究員として約6年半の研究生活を送った後、2017年より慶應義塾大学先端生命科学研究所・特任教授に就任、様々な研究分野の研究者を新規事業としてチームで支援することに興味を抱き、2025年4月より現職。

斎藤輪太郎
■会社説明
岩井化学薬品は1947年の創業以来、「誠実」を経営の基礎理念としてライフサイエンス分野を中心とした基礎研究に携わる研究者の方々への研究用試薬・理化学機器の販売などを通じて基礎研究のサポートを行ってきました。私たちは「研究者と共に未来を創造する」という企業ポリシーを通じて社会に貢献していきます。
お問い合わせはこちら
バイオインフォマティクス関連商品はこちら