株式会社オールアバウトライフマーケティング(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:土門裕之)は、「生活者の声を活かして商品・売り場作りに貢献し、豊かな消費体験を支援する」という理念のもと、サンプリングイベント「RSP(リアルサンプリングプロモーション、通称:アールエスピー) 99th 100th Live」を2023年12月4日(月)・5日(火)にリアルとオンラインのハイブリッドで開催いたしました。本企画ではRSPご出展社のみなさまに出展に至った経緯や、出展後の反応についてインタビューしました。本イベントレポートを通し、2025年5月8日(木)開催の「RSP 109th」の予告とさせていただきます。

【今回、お話を伺った方】
■株式会社ロッテ マーケティング本部 新商品開発部 新ブランド開発一課課長 井貝 直人 様

【インタビュアー】
■株式会社オールアバウトライフマーケティング 営業推進部 長谷川 祭
【目次】
- 伝えたい情報を十分に拡散できるRSP
- コロナ禍のストレス解消ニーズから誕生した商品
- 参加者のリアルな反応がわかるのが魅力
- 参加者の声が新商品開発につながることも
- 今後の「ザクザクやみつきCRUNKY」への想い
1. 伝えたい情報を十分に拡散できるRSP
■オールアバウトライフマーケティング 長谷川(以下、長谷川):まずは井貝様のプロフィールからお願いいたします。
■ロッテ 井貝様(以下、井貝様):私の所属する新商品開発部では、新しいブランドを生み出すほか、既存ブランドの中のエクステンションを図ったり、プロテインバーなどの新たな取り組みも行っています。
■長谷川:常に新しい商品について考え続けていらっしゃるのですね。ロッテ様として弊社のRSP Live(以下、RSP)を知っていただいたのは、いつが最初でしょうか?
■井貝様:2015年にさかのぼります。「乳酸菌ショコラ」を新発売した際、ロッテとして初めてRSPに参加させていただきました。実は、サンプル百貨店さんと初めてお取引をしたタイミングでもありました。
当時は、「乳酸菌ショコラ」ブランドの認知を広げていきたいという段階でした。テレビ広告による販促も実施はしていたものの、テレビCMで届けられる情報量には限りがあります。消費者、特に積極的にSNSの投稿をしてくれる人を起用し、ある程度のボリュームをもって、伝えたい情報を拡散することがよりふさわしいのではないか、ということで、RSPを活用させていただきました。
2. コロナ禍のストレス解消ニーズから誕生した商品
■長谷川:10年前からRSPにご注目いただき、ありがとうございます。RSPとしても100回目という記念の回で、「ザクザクやみつきCRUNKY」としてご出展いただきました。こちらも当時新商品ということで。「CRUNKY」ブランドの発売50周年を記念した新商品だったのですか?
■井貝様:実は全然関係がなく……笑。もともとこの商品を開発する途中まで、ブランドも「CRUNKY」ですらありませんでした。開発を進めていくうちに、「CRUNKY」を付けたほうがよりお客さんの印象に残りやすいよね、ということで、同ブランドに組み込まれた形になります。

■長谷川:そうだったのですね! 「CRUNKY」といえば「サクサク」食感というイメージの中で、今回の商品をあえて「ザクザク」にしたのは何か理由があるのでしょうか?
■井貝様:はい。「CRUNKY」ブランドとしても、食感の拡張を検討しているタイミングでした。「CRUNKY」の価値として、仰る通り「サクサク」という食感があります。そこで、食感からどう価値を拡張させていくかを考えたときに、サクサクから一歩先に進んだのはザクザクだったということで決まりました。
また、これまで「CRUNKY」シリーズには個包装のシェアできる商品がほとんどありませんでした。それもあって、形態としても「ザクザクやみつきCRUNKY」にメリットを感じていました。
■長谷川:シェアできるというのもポイントなのですね。では、この商品のターゲットはどのような消費者なのでしょうか?
■井貝様:もともと「CRUNKY」は一人で食べるシーンがすごく多かったのですが、「ザクザクやみつきCRUNKY」は、それに加えて「家族を持っている方」をテーマにしました。
この商品のコンセプトは、コロナが大流行していた頃に考えられました。当時は、部屋にこもって、仕事や家事をしなければならない状況ということで、女性、特に主婦のストレスが爆発するだろうなと。
そこで、ストレスを解消するためにおこなうことを調べたところ、ストレスが溜まった人がするのは「寝る」か「食べる」か。食べるものは、お菓子でいうと1位がチョコレートで、2位がせんべいでした。
「甘い・しょっぱい」を無限にループ(して食べます)という人がけっこういるということで、それでは一緒にしよう、と開発が進んでいきました。
せんべいのようにぼりぼり、ザクザク食感を楽しめる。岩塩を利かせて甘じょっぱさを感じてもらい、無心になって食べてもらった後にすっきりする。そんな気持ちになってもらいたいと考えて作られた商品です。
■長谷川:これまでの「CRUNKY」シリーズは「パフ」を売りにしていたと思うので、「ザクザクやみつきCRUNKY」のポイントがよくわかりました。
■井貝様:ありがとうございます。開発の根っこにあるのは、ストレスニーズを解消してもらいたいというのがありますね。

■長谷川:「RSP100th」 が2023年12月の開催で、商品の発売開始はその約8ヶ月前の2023年4月だったということで、ご出展された時点では売れ行きはどうでしたか?
■井貝様:非常に良い状況でした! 購入者の年齢層は、想定よりも高めでした。20~30代を想定していましたが、30~40代の方が多かったですね。かつ女性の購入者が多かったです。
■長谷川:そうなると、まさにサンプル百貨店のユーザー層にもぴったりですね。
3. 参加者のリアルな反応がわかるのが魅力
■長谷川:さて、ご出展いただいた「RSP 100th」はリアルとオンラインのハイブリッド開催でしたが、そちらについてはいかがでしたか?
■井貝様:ハイブリッド開催、とても良いですね!まず、対面の良さは、プレゼンターが説明をしているときのお客さんのリアクションがわかるところ。一方で、オンラインの良さは、対面で会場に来れないたくさんの人にも届けられるという点です。どちらも良い面があるので、ハイブリッドとしての良さを感じました。
■長谷川:ありがとうございます。イベント中は、参加者によるリアルタイムチャットもたくさん来ていましたね。
■井貝様:はい、プレゼン中にも、Xにリプライ投稿がどんどん上がっているのを確認できましたね!
■長谷川:参加者とのリアル・オンラインでのコミュニケーションが取れる点もRSPならではかと思いますが、こういった風に、普段からRSP以外にもお客さんのコミュニケーション施策は活用されているのですか?
■井貝様:いいえ、「ザクザクやみつきCRUNKY」で活用しているのは今のところRSPだけですね。
■長谷川:そうなのですね! では「ザクザクやみつきCRUNKY」でInstagramやXのアカウントを作って発信するなども……?
■井貝様:特には実施していません。SNS投稿施策も、RSPのみです。菓子の新商品というのは、大きく話題にあがってはすぐに消えてしまう商品が、実は多いのです。一度SNSやテレビCMで流行ってしまうと「昔流行ったもの」になってしまう。そうなった瞬間に、消費者は一気に買わなくなってしまう恐れがあります。だから、あえて広告宣伝をせず、地道に育てていこうと考えていました。
これまで開発してきた商品の中には、テレビCMで販促をしているものもありますが、今回はじわじわ浸透させていきたい、一過性の流行ではなく、継続して喜んで頂ける商品にしたいと考えています。
■長谷川:きっと、消費者の気づかないうちに多くの商品が流行っては消えているのですね……では、小売店に対し商品の配荷を広げていきたいとなると、導入してもらうためのきっかけを作るためには、どのようにしているのでしょうか?
■井貝様:小売店に対しては、テストマーケティングで対策をしています。一度任意の小売業に絞って売上実績を作ります。広告宣伝を使わないでもここまで売れるということを、自信を持ってご提案しています。
■長谷川:商品の認知を広げるために、あらゆる販促をして流行したとしても、長い目で見ると続かない……難しいですね。そんな中RSPに着目していただいているということで、RSPにご出展されて感じるメリットはありますか?

■井貝様:RSPが良いなと感じたのは、いわゆる「軽い投稿がバズる」のようなものがない点です。RSPは、企業が伝えたい情報がしっかり消費者に伝わるツールだと思っています。商品が「流行りもの」にならずに伝えたいことが伝わる点において、良いコンテンツだと感じています。
■長谷川:RSPでは、出展企業様によるプレゼンテーションを挟み、しっかりご理解いただいたうえで商品の体験レポートを投稿してもらう、というのが特徴ですよね。
■井貝様:なかなかありませんよね? 企業の担当者が、消費者に直接プレゼンをして、試食してもらうというイベントは……。また、一般消費者でありながらも、日常的にSNSを活用している方が多く参加してくれるイベントである点も良いと考えています。
■長谷川: イベント当日のチャットもそうですし、体験レポートを通じて意見を直接聞けるというところは、ご活用いただけると思っています。
■井貝様:参加者による、イベント開催後のアンケートレポートも、いつもしっかりいただけるので活用しています。弊社でも定性調査は実施していますが、あれだけFA(自由回答)の意見が集まるのはすごいと思っています。
■長谷川:いわゆる「サンプリング」は、スーパーマーケットでの試食もそうですし、街中で配るようなものがありますけど、企業様からの説明を聞いたうえでのほうが、商品への愛着もわきますよね。
4. 参加者の声が新商品開発につながることも
■長谷川:過去には、参加者の声から実際の商品開発に繋がったということもあったそうですが、新商品を作ろうとなったときには、まずどういうところからスタートさせるのでしょうか?
■井貝様:切り口はいくつかありますが、「ザクザクやみつきCRUNKY」を開発しようとしたときは、まずはチョコレートの市場から探っていきました。チョコレート商品のうち4分の1は「徳用商品」が占めているのに対し、弊社の徳用商品のシェアはやや低い。そこで、まずチョコレート市場での売上トップ10に入る商品を作ろうという目標を掲げて、開発をスタートさせていきました。
■長谷川:参加者のリアルな声を聞ける、質・量ともに良いSNS投稿をしてくれるところにメリットを感じていただいているようですが、ご出展されたことによってほかのブランドや社員の方の良い反応はありましたか?

■井貝様:はい、お客様の声をベースにして、商品開発の起点になることもありました。例えば「ザクザクやみつきCRUNKY」と同時期に新発売された「サクサクチョコパイ<たっぷりチョコ>」がありますが、発売当初はパッケージに「サクサクケーキに!」という言葉を入れていました。ところが、お客様から「ケーキに」という表現に違和感があるというご意見をいただいて、発売後にパッケージを修正したという事例もあります。
■長谷川:そういった感想は、市場のデータでは測れないですものね。
■井貝様:弊社でも1対1のデプスインタビューも実施はするものの、ある意味特殊な空間なので、本音がなかなか引き出せない。それよりは、FAを書いてもらったほうが、リアルな意見を出してくれると考えています。RSPのように大勢に対して投げかけるほうが、多くの自由回答の中にアイデアが散らばっていたなと思いますね。
また、実際に出展してみて、数値的な結果というのを確かめるのは難しいですが、同商品に関するSNS投稿が160万リーチにまで達するのはすごいと思っています。ありがたいことに、「ザクザクやみつきCRUNKY」は2023年度・2024年度も想定より良い売上が出ています。
■長谷川:RSP以外にも販促施策は積極的にされているのかなと思っていたので、メインでご活用いただいていたのは光栄です。
5. 今後の「ザクザクやみつきCRUNKY」への想い
■長谷川:今後の「ザクザクやみつきCRUNKY」の目標についてお伺いできますか?

■井貝様:まずは、認知度は一気にではなく、じわじわと上げていく方法を模索していきたいですね。
今のところはある程度うまくいっていると思うので、今後もRSPへの出展のご相談をさせていただきたいです。具体的なRSPの活かし方としては、FAがやはり良かったので、サンプリングをして、なるべく多くのご回答をいただきたいと考えています。情報感度が高く、SNSを活用する参加者からの質の良い投稿も、一般消費者としての本音も、期待したいです。
■長谷川:最後に、メッセージをお願いします。
■井貝様:「ザクザクやみつきCRUNKY」は、チョコレート市場では珍しい、甘じょっぱい味わいを売りにした商品です。「甘くてしょっぱい」味わいと、ザクザク食感が楽しめるということを少しずつ認知してもらい、成長していきたいなと思っています。草の根活動を頑張っていきますし、サンプル百貨店様にもお力添えいただければと思います。
■RSP(リアルサンプリングプロモーション)について https://www.3ple.jp/feature/3ple/event/
サンプル百貨店で四半期ごとに開催している、企業と生活者をつなぐ大規模サンプリングイベントです。RSPでは、サンプリング商品の詰め合わせが一般生活者である参加者のご自宅に届き、イベント前に商品の体験をしていただきます。大手食品メーカーや日用品メーカーなど、約30社の出展企業の担当者によるプレゼンテーション動画を視聴。参加者は、興味・関心を持った開発ストーリーや実際に商品を試用した感想をSNS・ブログで発信します。配信当日限定で、参加者専用のチャットも開設し、イベントを盛り上げます。
▼次回開催するイベント情報
名称:「RSP109th」
開催日:2025年5月8日(木)
募集人数:1,000名さま
株式会社オールアバウトライフマーケティング
株式会社オールアバウトライフマーケティングは、30~40代の女性を中心に累計利用者数約410万人、累計取引企業数約6,000社を擁する日本最大級のお試しサービス「サンプル百貨店」を運営。話題の商品がお得に試せる「ちょっプル」や生活者向け新商品発表会「リアルサンプリングプロモーション」などを通じ、Webとリアルを融合したマーケティング活動を支援しております。また、NTTドコモの総合通販サイト「dショッピング(R)」、ふるさと納税ポータル「dショッピング ふるさと納税百選」を共同運営しております。