NEWGREENとBASF、水稲栽培でのカーボンファーミングプログラム実現のための共同プロジェクト、「NEWGREEN RICE Project」における戦略的提携と共同投資に合意…

掲載日: 2025年02月19日 /提供:NEWGREEN

- 2026年までにカーボンファーミングプログラムのパイロット運用を開始
- プロジェクトの初期フェーズで水稲栽培におけるカーボン認証プログラムの実現可能性を評価
- 農業による温室効果ガス(GHG)の排出を削減し、削減に取り組む農業者に経済的インセンティブを提供





株式会社NEWGREEN(本社:東京都小金井市、代表取締役CEO山中 大介、代表取締役COO 中條大希)とBASFジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石田 博基、以下「BASF」)は、日本の水稲栽培におけるカーボンファーミングプログラム実現に向けた戦略的提携および共同出資に合意しました。
「NEWGREEN RICE Project」と名付けた本プロジェクトを通して両社は、水稲生産者が水の使用量とメタン生成を削減する技術を使用して、栽培におけるメタン排出量を削減することを支援し、環境負荷削減に取り組む農業者に経済的な利益を提供することを目指します。農業者はGHG排出削減量に応じて、認証カーボンクレジットの取得や、メタン排出量の少ない米に対する付加価値の創出が可能になります。本プロジェクトで創出される環境的および経済的な価値は、節水型乾田直播栽培を通じた、より持続可能な水管理によって実現されます。

メタンガスは二酸化炭素に比べて温室効果が25倍高いとされるGHGです。水稲栽培によって発生するメタンガスは、日本のメタン排出量の約40%を占め、最大ととされています。*1
BASFとNEWGREENは、メタン削減のための取り組みの効果を国際的第三者認証機関によって認められたプロトコルに従って、測定、モニタリング、レポートします。このようなカーボンファーミングプログラムは、日本初*2の画期的な取り組みとなります。

本プロジェクトによって推進される持続可能な水管理および節水型乾田直播の栽培方法は、現在日本の水稲栽培の約 97%*3 を占める移植栽培の水管理方法と比較して、メタン排出量を最大 77% 削減*4することがわかっています。

両社の戦略的提携は、実現性の評価から始まり、xarvio(R)デジタルソリューションを使用したパイロットプログラムを2026年までに開始することを目指しています。最終的には、持続可能性と経済効率性の高い水稲栽培を可能にするプログラムを提供することが目標です。プログラムで推進される節水型乾田直播の栽培方法は、水の使用量とメタン排出量を削減することによる環境的価値を生むだけではなく、労働力の削減にもつながるため、米生産のコスト効率をさらに高めることが可能になります。

また、本プロジェクトに加え、BASFとNEWGREENは、NEWGREEN社開発の「アイガモロボ」を始めとする、農業におけるGHG排出量削減のための新たな取り組みを協働評価していきます。

- メッセージ

BASF
アグロソリューション事業部
グローバル・サステナビリティ責任者 フロリアン・ファイグス 氏
農業分野におけるグローバルリーダーとして、BASFは2030年までに生産作物1トン当たりのGHG排出量を30%削減するという目標を設定しました。しかし、各国が特有の農業課題を抱えているため、目標達成への道は複雑です。日本におけるNEWGREENとのパートナーシップは、世界中のパートナーと協力し、それぞれの国に最適化された炭素効率の高い農業を推進することで、世界中の農業者が持続可能な農業を実現できるよう支援するという私たちのコミットメントの表れです。

BASFジャパン
アグロソリューション事業部 事業部長 野田信介 氏
NEWGREENとのパートナーシップは、日本の水稲におけるカーボンファーミングプログラム実現に向けた非常に重要な一歩です。BASFとNEWGREENは、持続可能な農業を推進しながら農業者の生産性と収益性を向上させるという共通の目標を共有しており、これは農林水産省のみどり戦略が目指す方向にも沿っています。BASFの農業者向けの包括的なポートフォリオは、農薬製品からデジタル農業、持続可能性のアプローチまで、農業者がより多くの収量を達成するだけでなく、持続可能性への取り組みに対して報酬を得られる仕組みを整備することで、持続可能な農業を実現する取り組みを後押しします。

NEWGREEN
代表取締役COO 中條大希
当社とBASFが連携して進める、本プロジェクトは、農業の未来に向けた大きな一歩となります。持続可能な農業を実現するためには、環境負荷を減らしながらも農業の収益性を強化する新たな価値を提供することが不可欠です。私たちは水稲の節水型栽培や自動抑草を行う「アイガモロボ」を通じて、環境負荷低減と収益性向上の両立を目指してきました。本プロジェクトにより、環境負荷低減の付加価値を農業者に還元する仕組みを構築し、より持続可能な農業生産・流通に貢献してまいります。そして、次世代を生きる子どもたちに、素晴らしい農業環境を残すため、この取り組みが大きな役割を果たすと信じています。

*1 農林水産省ウェブサイト(https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/attach/pdf/methane_report-1.pdf
*2 自社調べ(2025年2月)、日本国内における「外部監査を受けたプロトコルに従い、GHG削減の取り組みを測定、モニタリング、レポートし、認証クレジット取得を可能にするプログラム」として
*3 Nakano K, Fukami K and Ohdan H (2021) 「Dry Direct-seeding Rice Cultivation Method Incorporating a Water-leakage Prevention Process Using a Vibratory Roller. Japan.
*4 IPCC等のデータに基づきNEWGREENが試算
- BASFについて

BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年の BASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com/global/en をご覧ください。
- BASFのアグロソリューション事業本部について

私たちのすべての行動の理由は、「農業が、好きだから」。農業は、急速に増加する人口に対応するため、健康的で手頃な価格の食料を安定的に供給するとともに、環境負荷を低減することが求められています。そのため私たちは提携パートナーや農業の専門家と協力し、あらゆるビジネス上の判断を持続可能性(サステナビリティ)を基準に行っています。2023年には9億ユーロを強力な研究開発パイプラインに投資し、革新的なアイデアから実用的なソリューションを生み出しています。当社のソリューションは、さまざまな作物システム向けに設計されています。種子、作物の形質、化学農薬、デジタルツールとサステナビリティのアプローチを組み合わせ、農業者・生産者とバリューチェーンにおけるステークホルダーが最高の結果を出せるよう支援しています。研究所、生産現場、オフィス、製造拠点のチームと共に、農業の持続可能な未来を築くために全力を尽くしています。2023年の売上高は101億ユーロでした。アグロソリューション事業部についての詳細はhttps://www.agriculture.basf.com/jp または各種ソーシャルメディアをご参照ください。
- NEWGREEN について

NEWGREENは今後の成長が確約される世界のグリーン市場と日本の農業をつなぐため、必要となる凡ゆるサービスを創造し農業者に提供、自らも農業者として実践します。「低コスト栽培」と「高付加価値化」を戦略の軸と位置づけ、未利用資源を活用した農業用資材の開発/販売、水田の自動抑草を行うアイガモロボの開発/製造、有機米や環境負荷の低い農産物の生産・販売等を通じグリーンな市場で農業者の所得向上に貢献します。
- 本リリースに関するお問い合わせ

広報担当 企画室 室長 田中草太
sota_tanaka@shonai.inc
https://newgreen.inc/contact

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