株式会社Staple(代表取締役:岡 雄大)と三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:大山 一也)は、それぞれの強みを融合し、地域の持続可能な発展と資金循環を目的とした投資会社「GOOD SOIL株式会社」(GOOD SOIL INC.)を設立いたしました。
GOOD SOIL INC.は、徒歩圏内の地域における暮らしと観光のバランスを重視した小規模かつ連続的な開発を支援すると同時に、開発された不動産に対して正当な価値評価がされるエコシステムを構築することで地域内に資金循環を起こし、地域創生の産業化を目指します。さらに、地域住民から地域外の応援者までも参画可能な仕組みを整備し、地域創生の民主化を促します。
設立の背景:徒歩圏内の小規模かつ連続的な開発がもたらす効果
株式会社Stapleはこれまで、広島県尾道市瀬戸田をはじめとする地域で「徒歩圏内のご近所」という小さな単位に着目し、ホテル、飲食店、ワークスペースなどを中心とした小規模かつ連続的な開発を重ねてきました。一見非効率に見えるこの取り組みが、以下の具体的な成果を生み出し、地域住民、関係人口、リピーター、そしてStapleが手を取り合って地域の未来を共創しています。
ー例:瀬戸田におけるインパクトー
1. 地域へ国内外の来訪者が増加
小さな開発を積み重ねることで、地域の魅力が多面的に発信され、国内外からの来訪者が増加。瀬戸田では来訪者のインバウンド比率が40%に達し、宿泊者数も伸び続けています。また、インバウンドのうち80%が欧米豪からの来訪者であることも全国平均と比較して特異な点です。
2. リピーターや関係人口が増加
瀬戸田では小さな変化が連鎖し、訪れるたびに新しい発見がある地域に成長。結果として、二拠点居住者のもう一つの生活拠点や移住先として検討する層が増加しました。瀬戸田では活動が始まった2020年以降、全体人口が7%減少する一方で、20~30代人口が12%増加しています。また、宿泊客のリピーター率も年々上がり、2023年にはおよそ10組中2組は2回目以降の再訪となっています。
資金循環モデルとそのインパクト
GOOD SOIL INC.では、「開発ファンド」と「長期保有ファンド」の二層構造による資金循環モデルを構築します。
1. 開発ファンド
機関投資家を中心に資金を集め、小規模かつ連続的な開発を各地域内で推進。開発リスクと安定稼働化リスクを抑えた後、その資産を長期保有ファンドへ売却します。
2. 長期保有ファンド
地域事業者や小口応援者が参画可能な仕組みを整備し、開発後に安定稼働化した地域不動産を長期的に所有します。
この二層構造により、以下の効果の実現を目指します。
地域創生の産業化(持続可能な資金循環):これまで全国複数地域で始まった開発活動に対して、正当な価値評価や出口戦略の在り方が不透明でしたが、長期保有ファンドの設立によりそれらを解決していきます。また、回収された資金を次の地域資産開発に再投資し、資金が地域内で循環する仕組みを確立します。
地域創生の民主化(共創と共有):従来の融資中心の開発手法ではなく、ファンドによりエクイティが地域に流入することで複数の小規模開発を地域内でより柔軟かつスピーディに進めることが可能になります。また、長期保有ファンドでは地域の住民や企業、地域外の応援者の参画を促し、共創意識を高め、経済的便益の共有を進めます。
各社コメント
三井住友信託銀行株式会社 取締役兼専務執行役員 井谷 太氏
弊社は「社会的価値創出と経済的価値創出の両立」を掲げ、多様なステークホルダーと連携し、地域エコシステムの構築を目指しています。今回、Stapleと協業し、GOOD SOIL INC.を通じて地域の持続的成長を金融面から支えて参ります。
株式会社Staple 代表取締役 岡 雄大
GOOD SOIL INC.の活動は、ファンドという仕組みを地域創生のために再定義する挑戦です。三井住友信託銀行と共に取り組む中で、単に金融資本を超えた文化資本や自然資本を育む視点を共有できたことに大きな意義を感じています。我々の活動によって3つの資本が正のスパイラルに入る地域をより多く育てていきます。
会社概要
会社名:GOOD SOIL株式会社 / GOOD SOIL INC.
設立日:2025年1月10日
役員:岡 雄大(代表)、井谷 太、磯野 謙
所在地:東京都中央区日本橋小舟町14-7 SOIL Nihonbashi 4F
株主:三井住友信託銀行株式会社、株式会社Staple
ウェブサイト:https://good-soil.inc
お問い合わせ先
株式会社Staple
広報担当:丑田 美奈子
e-mail:info@staplejp.com