ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社(本社:神奈川県横浜市、代表:山藤祐子(ざんとう ゆうこ)は、職場において、あとになって「自分の言動行為は、セクハラだったかもしれない」と、思い当たる経験のある男女1,000名(男性500名:女性500名)を対象に、セクハラ認識のズレに関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
■調査概要
- 調査名称:セクハラ認識のズレに関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー(R)?」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2024年12月4日~同年12月12日
- 有効回答:職場において、あとになって「自分の言動行為は、セクハラだったかもしれない」と、思い当たる経験のある男女1,000名(男性500名:女性500名)
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
■前書き
職場における「セクハラ」の定義。どこまでが「セクハラ」に該当するのか判断がつくでしょうか。今回は、あとになって「自分の言動行為は、セクハラだったかもしれない」と、思い当たる経験のある男女1,000名を対象に、ご自身の言動について振り返っていただきました。「セクハラ」の認識に対して、男女間のギャップがあるのでしょうか、調査しました。
※本調査は、以下定義を踏まえてご回答いただいています。
セクハラとは
・職場において
・相手が嫌がっているのに(性別問わない)
・性的な言動をする
職場とは
・オフィスほか、仕事をする場所全般
・リモートワークの場
・オンライン会議、チャットツールなどの仮想的空間
・出張先、コワーキングスペース
・仕事の延長にある飲食の場
■あとになって自分の言動が「セクハラだったかもしれない」と思った理由、第1位「時間が経って冷静に考えられるようになった」
まず、職場での言動について、あとになって自分の言動が「セクハラだったかもしれない」と思った理由としては(Q1|複数回答|n=1,000)、「時間が経って冷静に考えられるようになった」が33.8%で最も多く、特に男女間で差が開いた項目は「若い人の意識と自分の感覚にズレがあると感じた」でした(男性が女性よりも10.6ポイント高い結果)。
Q1.職場での言動に限定してお答えください。あとになって「セクハラだったかもしれない」と思った理由を教えてください。(複数回答)
・全体|時間が経って冷静に考えられるようになった:33.8%
(男性:30.4%|女性:37.2% *6.8ポイント女性が高い)
・全体|若い人の意識と自分の感覚にズレがあると感じた:27.7%
(男性:33.0%|女性:22.4% *10.6ポイント男性が高い)
・全体|ハラスメント研修を受けて気づいた:25.2%
(男性:28.0%|女性:22.4% *5.6ポイント男性が高い)
・全体|SNSやニュースで似たような事例を見た:24.9%
(男性:24.8%|女性:25.0%)
・全体|職場の人から指摘された:16.4%
(男性:17.6%|女性:15.2%)
・全体|相手が誰かに相談していたことを知った:12.1%
(男性:11.8%|女性:12.4%)
・全体|相手の態度が変化した:10.2%
(男性:11.6%|女性:8.8%)
・全体|その他:3.8%
(男性:3.2%|女性:4.4%)
<あとになって「セクハラだったかもしれない」と気づいたエピソード>
(Q2|自由回答・一部抜粋|n=1,000)
・後輩女性にお尻を触られ、同じことを返したらセクハラだと言われた。
・単純に自分が受けてきた指導を今の後輩に行うと事案になると気付いた。
・友人との会話で、昔は許されたけど今こんなこと言ったらセクハラだよねという会話になったから。
・ニュース番組を見ていて、このような言動も場合によっては「ハラスメントです」と言われ、自分も過去には同じようなことを言っていた記憶がよみがえってきました。
・研修でハラスメントの例として紹介された。
・退職する子に「頑張ってね」と肩を軽く叩いたが、ボディタッチになると後で気付いた。
・社内で、あとで陰口を叩かれていると知ったこと。
■セクハラだったかもしれない言動をしてしまった相手、全体は「同僚」が最多、男性は女性よりも18.2ポイント高く「部下」を対象に
また、その言動をしてしまった相手は、全体では「同僚」が約4割に上りますが、特に男女間で差が開いたのが「部下」に対してで、男性は女性よりも18.2ポイント高い結果となりました。(Q3|複数回答|n=1,000)
Q3.職場での言動に限定してお答えください。あとになって「セクハラだったかもしれない」と思った言動は誰に対するものでしたか。(複数回答)
・同僚:37.2%
(男性:39.2%|女性:35.2% *4ポイント男性が高い)
・部下:27.9%
(男性:37.0%|女性:18.8% *18.2ポイント男性が高い)
・後輩:26.4%
(男性:32.2%|女性:20.6% *11.6ポイント男性が高い)
・派遣社員:10.2%
(男性:10.8%|女性:9.6% *1.2ポイント男性が高い)
・契約社員:6.3%
(男性:6.0%|女性:6.6% *0.6ポイント女性が高い)
・ビジネスパートナー企業先の社員:5.8%
(男性:5.0%|女性:6.6% *1.6ポイント女性が高い)
・顧客企業の社員:3.9%
(男性:3.8%|女性:4.0% *0.2ポイント女性が高い)
・発注先社員:3.1%
(男性:3.0%|女性:3.2% *0.2ポイント女性が高い)
・その他:8.1%
(男性:4.0%|女性:12.2% *8.2ポイント女性が高い)
■その原因について、「相手が不快に思っている様子が見受けられなかった」と、男性は女性よりも15.4ポイント高く認識
では、なぜそのような言動をしてしまったのでしょうか。(Q4|複数回答|n=1,000)「相手が不快に思っている様子が見受けられなかった」(28.7%)、「過去の経験から「これくらいなら問題ない」と思った」(20.3%)などが全体では上位を占めますが、特に「相手が不快に思っている様子が見受けられなかった」は、男性が女性よりも15.4ポイント高い結果になっており、認識の差が顕著です。
Q4.職場での言動に限定してお答えください。振り返ってみて、なぜそのような言動をしてしまったと考えますか。(複数回答)
・相手が不快に思っている様子が見受けられなかった:28.7%
(男性:36.4%|女性:21.0% *15.4ポイント男性が高い)
・過去の経験から「これくらいなら問題ない」と思った:20.3%
(男性:23.8%|女性:16.8% *7ポイント男性が高い)
・その場の雰囲気から誤った判断をした:17.8%
(男性:21.6%|女性:14.0% *7.6ポイント男性が高い)
・周囲の人たちも同様の行動を取っていた:15.7%
(男性:15.8%|女性:15.6% *0.2ポイント男性が高い)
・自分の言動が他者に与える影響を考えなかった:13.2%
(男性:15.0%|女性:11.4% *3.6ポイント男性が高い)
・自分の行動が相手にどう影響するか、あまり考えなかった:12.8%
(男性:14.0%|女性:11.6% *2.4ポイント男性が高い)
・相手が断りづらい状況にいることを考慮しなかった:12.5%
(男性:13.0%|女性:12.0% *1ポイント男性が高い)
・自分の感情に流されてしまった:11.2%
(男性:10.2%|女性:12.2% *2ポイント女性が高い)
・相手の反応を都合よく解釈してしまった:11.0%
(男性:13.6%|女性:8.4% *5.2ポイント男性が高い)
・相手との関係性を軽視してしまった:10.8%
(男性:12.0%|女性:9.6% *2.4ポイント男性が高い)
・相手が自分に対して好意を持っていると感じた:9.4%
(男性:12.0%|女性:6.8% *5.2ポイント男性が高い)
・その他:5.9%
(男性:3.6%|女性:8.2% *4.6ポイント女性が高い)
■相手が嫌がっていると感じるサイン、「視線を合わせないようになった/睨まれた」「物理的な距離を取るようになった」が上位
それでは、相手があなたの言動に対し「嫌がっているサイン」(Q5|複数回答|n=1,000)は、どのように読み取れば良いのか。全体では、「視線を合わせないようになった、または睨まれた」(22.4%)、「その場から離れようとしたり、物理的な距離を取るようになった」(20.6%)、「「忙しい」「予定がある」など、その場をやり過ごす返答をされた」(20.3%)といった言動を嫌がっているサインとして捉えている方が多い結果となり、男女間でも大きな差は見られませんでした。
Q5.職場での言動に限定してお答えください。相手があなたの言動に対し「嫌がっているサイン」だと思うものを教えてください。(複数回答)
・視線を合わせないようになった、または睨まれた:22.4%
・その場から離れようとしたり、物理的な距離を取るようになった:20.6%
・「忙しい」「予定がある」など、その場をやり過ごす返答をされた:20.3%
・表情が硬くなったり、会話が減少した:18.5%
・笑いながら「やめてください」と言われた:17.6%
・直接的な返事を避け、話題を変えられた:15.0%
・「上司に確認します」と言われ、組織的な対応を求められた:12.6%
・連絡の返信が遅くなったり、既読無視されるようになった:12.0%
・「そういう冗談は控えてください」と真剣な表情で言われた:11.2%
・「不快です」「セクハラです」とはっきりと言われた:10.6%
・身体的な反応(体が強張る、震える、顔色が変わるなど)が見られた:10.0%
・以前は普通にしていた業務上の協力を渋るようになった:8.6%
・二人きりの状況を意図的に避けられた:8.3%
・会議や打ち合わせで自分の発言が無視されるようになった:6.1%
・その他:11.3%
ー他の人の発言を見聞きして
<相手が嫌がっているサインエピソード>
(Q6|自由回答・一部抜粋|n=1,000)
・無言。
・不機嫌な顔をしていた。
・愛想笑い。
・態度が冷たくなった。
・避けられる頻度が高くなる、嫌味を言われる。
・必要最低限の会話に減った時。
・無視される。
<相手が嫌がっていると感じなかった理由>
Q5の「嫌がっているサインだと思うもの」の中から、選択しなかった項目について、「Q7.なぜ「嫌がっている」と感じなかったのか、理由を教えてください。」
(Q7|自由回答|n=1,000)
・表情が柔らかかったので、そこまで真剣に捉えてないと思った。
・笑っていたから。
・鈍感だった。
・社交辞令や笑顔混じりだと本心が分かりにくい。
・自分本位な考え方をしていたから。
・いつものコミュニケーションだと思っていた。
・過去の経験上問題ないと考えていた。
・普段と変わらない態度。
■相手が自分に対して好意を持っていると感じた理由、「笑顔で挨拶をしてくれたから」「自分の冗談に笑ってくれたから」が同率1位
そこで、Q4で「相手が自分に対して好意を持っていると感じた」と回答した方に、どのような言動から、そのように感じたか聞いてみました(Q8|複数回答|n=94)。特に、職場に限らず、社会人として当たり前の項目で最も男女間の差が開いており、「笑顔で挨拶をしてくれたから」(男性:46.7%、女性:29.4%)が17.3ポイント男性が高いという驚くべき結果が明らかに。他にも、「仕事中によく目が合ったから」(男性:41.7%、女性:26.5%)で、男性の方が15.2ポイント高く好意として捉えている実態があるようです。
Q8.どのような言動から、そのように感じましたか。(複数回答)
・笑顔で挨拶をしてくれたから:40.4%
(男性:46.7%|女性:29.4% *17.3ポイント男性が高い)
・自分の冗談に笑ってくれたから:40.4%
(男性:43.3%|女性:35.3% *8ポイント男性が高い)
・仕事中によく目が合ったから:36.2%
(男性:41.7%|女性:26.5% *15.2ポイント男性が高い)
・タメ口で話しかけられたから:35.1%
(男性:41.7%|女性:23.5% *18.2ポイント男性が高い)
・声をかけると嬉しそうに応えてくれたから:31.9%
(男性:36.7%|女性:23.5% *13.2ポイント男性が高い)
・休憩時間に話しかけてきたから:28.7%
(男性:30.0%|女性:26.5% *3.5ポイント男性が高い)
・身体的な接触があったから:26.6%
(男性:30.0%|女性:20.6% *9.4ポイント男性が高い)
・廊下ですれ違う際に会釈してくれたから:24.5%
(男性:25.0%|女性:23.5% *1.5ポイント男性が高い)
・体調を気遣ってくれたから:21.3%
(男性:18.3%|女性:26.5% *8.2ポイント女性が高い)
・席が近くになった際に話しかけてきたから:20.2%
(男性:20.0%|女性:20.6% *0.6ポイント女性が高い)
・仕事の相談をしてきたから:19.1%
(男性:18.3%|女性:20.6% *2.3ポイント女性が高い)
・会議で自分の発言に同意してくれたから:17.0%
(男性:20.0%|女性:11.8% *8.2ポイント男性が高い)
・服装や髪型などを褒められたから:17.0%
(男性:20.0%|女性:11.8% *8.2ポイント男性が高い)
・プライベートな話題に積極的に応じてくれたから:16.0%
(男性:18.3%|女性:11.8% *6.5ポイント男性が高い)
・自分のことを高く評価しているという話を聞いたから:12.8%
(男性:15.0%|女性:8.8% *6.2ポイント男性が高い)
・その他:3.2%
(男性:1.7%|女性:5.9% *4.2ポイント女性が高い)
<相手が自分に対して好意を持っていると感じた言動エピソード>
(Q9|自由回答・一部抜粋|n=94)
・ため口
・挨拶がとても笑顔だった
・よく質問や雑談をしてくれる
・話す時に不快な表情でなかった
・いつも笑って話してくれる
・体調不良のとき心配してくれたから
・実際に好意を告げられた
■今後、同様の事態を防ぐための対策、「プライベートな接点を持たない」「性別に関係なく、適切な距離感を保つ」がともに30.4%で最多
最後に、「今後、同様の事態を防ぐために、どのような点に気をつけようと思うか伺ったところ(Q10|複数回答|n=1,000)、「プライベートな接点を持たない」(30.4%)、「性別に関係なく、適切な距離感を保つ」(30.4%)、「業務上の関係性を超えない」(29.8%)といった項目が上位を占めており、男女間でも認識に大きな差はありませんでした。
Q10.職場での言動に限定してお答えください。今後、同様の事態を防ぐために、どのような点に気をつけようと思いますか。(複数回答)
・プライベートな接点を持たない:30.4%
(男性:31.8%|女性:29.0% *2.8ポイント男性が高い)
・性別に関係なく、適切な距離感を保つ:30.4%
(男性:30.8%|女性:30.0% *0.8ポイント男性が高い)
・業務上の関係性を超えない:29.8%
(男性:32.8%|女性:26.8% *6ポイント男性が高い)
・相手の表情や態度の変化に注意を払う:29.4%
(男性:31.0%|女性:27.8% *3.2ポイント男性が高い)
・相手の私生活に関する質問を控える:27.0%
(男性:27.0%|女性:27.0% *差なし)
・相手の曖昧な返事は断りとして受け止める:25.6%
(男性:25.8%|女性:25.4% *0.4ポイント男性が高い)
・2人きりの状況を作らない:24.3%
(男性:25.2%|女性:23.4% *1.8ポイント男性が高い)
・SNSでの接触を控える:14.4%
(男性:14.8%|女性:14.0% *0.8ポイント男性が高い)
・その他:3.5%
(男性:2.6%|女性:4.4% *1.8ポイント女性が高い)
<この経験から学んだこと、今後気をつけたいこと>
(Q11|自由回答・一部抜粋|n=1,000)
・口は災いの元。
・こちらはコミュニケーションのつもりであっても、相手がそう感じないならば、プライベートな質問はしないことにする。
・世代間のギャップを認識する。
・相手が笑顔だからといって嫌がっていないわけではないと学んだ。
・距離感に気を付けることや、何がハラスメントに当たるのかしっかりと学習をする。
・プライベートの話や仕事に関係しない話は避けること。
・自分にそのつもりがなくても相手がどう受け止めるかを考えなければいけない。
■まとめ
今回の調査では、業務上の関係性や個人の認識のズレが原因となり、セクハラに該当し得る言動が引き起こされている実態が浮き彫りになりました。特に、男女間の「セクハラ」に対する認識にはギャップがあることが明らかとなり、「笑顔で挨拶をする」といった「業務上の良好な関係」を築くための言動に対しても「自分に好意を持っているのかも」と誤認するケースが発生するなど、男性にその傾向が多く見受けられました。「相手がそう思えばハラスメント」という回答もありましたが、必ずしもそうではないことも含め、「セクハラ」への正しい認識を持たなければ、職場で無用なトラブルに発展しかねません。また、セクハラと言われるのを恐れるあまり、本来のコミュニケーションにすら影響が出てくる懸念が数字にあらわれています。
誰もが気持ちよく職務にのぞめるよう、雇用する側もされる側も、「セクハラ」に対する認識のギャップを少なくするため、教育の徹底が必要です。
■会社概要
名称 :ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
所在地 :神奈川県横浜市瀬谷区本郷1-54-4 アムールA&A204
代表 :山藤祐子(ざんとう ゆうこ)
事業内容:企業研修、キャリアカウンセリング、企業コンサルティング
URL :https://diamond-c.co.jp/message.html