漁師のこだわりに価値を付ける新たな競りを通じた「瀬戸内さかな」流通強化プロジェクトを実施

掲載日: 2024年11月13日 /提供:広島県

広島を代表する料理店合同で、秋の瀬戸内さかなの「おいしい!」を届けるグルメフェアをスタート!

広島県では、生産者や料理人など多様な主体とともに、広島の美味しさを磨き、その魅力を発信する「おいしい!広島」プロジェクトを推進しています。10月2日(水)に、キックオフとなる決起会を開催し、様々な関係者により、「おいしい!広島」を創る取組を発表頂きました。

この一環として、広島県ならではの食資産である「瀬戸内さかな」のブランド化では、今年6月においしさの源である漁師のクラフトマンシップ(職人気質)に焦点をあてた「こだわり漁師」の魅力発信の取組を先行してスタートさせました。

この度、こだわり漁師の取組を発展させ、その価値を飲食店を通じて届ける体制を強化するため、市場関係者と連携し、「新しい競り」の形に挑戦する一連の取組として以下を実施しました。

1.令和6年10月22日(火)
「瀬戸内さかな」流通強化プロジェクトの取組発表

・ こだわり漁師を軸とした競りの実証実験の発表
・ 実証実験の競りに参加するこだわり漁師が獲る「瀬戸内さかな」×県内の熟練料理人による調理プレゼン





2.令和6年10月29日(火) 早朝
こだわり漁師の競り開催(実証実験)

・ こだわり漁師を軸とした競りの開催
(共催:広島魚市場株式会社)





3. 令和6年10月29日(火)
瀬戸内さかな体験会@かき船 かなわ

・ 早朝に競り落とされたこだわり漁師の瀬戸内さかなを用いた料理と県産の日本酒で、特別な食体験の場を提供





高品質な「こだわり漁師の瀬戸内さかな」を、多くの料理人の期待に応える形で飲食店へ届けるため、新たな競りモデルの導入に挑戦します



本事業では、その高い品質から多くの料理人に注目されている「こだわり漁師の瀬戸内さかな」を、必要とする飲食店へ広く流通させ、さらには多様な買い手の出現によって流通価値の向上を図ることを目指しています。しかし、現在は漁師と飲食店の直接取引でなければ、特定漁師の魚を区別した形での流通が難しく、また漁師のこだわりを飲食店に伝え、評価してもらう機会もありません。この課題を解決するため、市場取引の原点である「競り」に着目しました。

これまで、各地で競りを通じて水産物のブランド化が進められてきました。具体的には、特定の魚を選び、出荷基準や数量を守ることで価値を高めるという、魚そのものに焦点を当てた取り組みです。しかし、瀬戸内海では少量多品種の漁場であり、日々の漁獲量も一定ではないため、決まった数量を確保することが難しいのが現状です。こうした理由から、現行の競りに対応する流通モデルを維持することが困難です。




そこで本事業では、新たな競りの形として評価軸を特定の「魚」から「こだわり漁師」という「人」にシフトさせ、瀬戸内ならではの課題を解決する新たな競りモデルを提案します。具体的には、こだわり漁師の顔が見える特別なブランド札を導入し、人を中心とした競りを実証実験的に開催します。広島市卸売市場の荷受業者である広島魚市場株式会社様のご協力のもと、この新しい競りの形がもたらす可能性を探りながら、瀬戸内の漁師たちのこだわりを広く伝えてまいります。

発表会では、広島魚市場株式会社様より代表取締役社長の佐々木様、競りを担当する鮮魚部次長の右近様にご登壇いただき、実証実験にかける意気込みを発表いただきました。



ひろしまこだわり漁師 × 熟練料理人による瀬戸内さかな研鑽会
新たな競りの実証実験に向けて、その高品質を流通事業者や料理人に理解してもらうことが不可欠であり、(一社)広島県日本調理技能士会様のご協力のもと、「こだわり漁師の瀬戸内さかな」研鑽会を実施しました。
実証実験の競りに参加するこだわり漁師を代表して、江田島市鹿川漁協の内藤希誉志様と広島市漁協の岡野真悟様が獲った瀬戸内さかなを用い、日本料理高山の高山和典料理長による調理デモンストレーションを行いました。これにより、料理人と流通事業者が魚の質を学び深めるための研鑽会となりました。










「こだわり漁師を軸とした競り」の実証実験の実施結果
令和6年10月29日(火)の早朝4時半に、広島魚市場株式会社様のご協力のもと、競りの実証実験を実施しました。
当日は、計6種(内藤さんのサワラ、野村さんのハモ・スズキ・フグ、岡野さんのカワハギ・ウマヅラハギ)のこだわり漁師の瀬戸内さかなが競りにかけられ、全体的に通常相場の2倍以上の価格で取引されました。







瀬戸内さかな料理体験会@かき船かなわ
令和6年10月29日(火)、かき船かなわ様のご協力のもと、早朝のこだわり漁師による競りで落札された瀬戸内さかなを使用した特別な体験会を開催しました。
戸田豊総料理長が、日本料理の創意工夫と技術を活かして洗練されたコース料理を提供し、カワハギやハモを使った調理デモンストレーションも行っていただきました。
コースの合間には、こだわり漁師の岡野様、野村様が登壇し、お集まりいただいたお客様に魚や漁へのこだわりを語っていただきました。また、賀茂鶴酒造株式会社の椋田杜氏からは、瀬戸内さかな料理の各皿に合う日本酒のペアリングについてもご紹介いただきました。







ひろしまこだわり漁師について
瀬戸内の恵み豊かな広島県には、美味しい海の幸をお届けするために情熱を注ぐ漁師が数多くいます。彼らは漁場選びや漁法、そして魚の取り扱いに細心の注意を払っており、その熱いこだわりが詰まった魚に、洗練された料理人の創意工夫と技術が加わることで、「瀬戸内さかな」は広島の食資産の中心を担う存在に成長できると考えています。

本事業では、そんな美味しい魚を食べてもらうために日々技術を磨いている漁師のクラフトマンシップ(職人気質)を起点とし、瀬戸内さかなのブランド強化を目玉チャレンジとして推進することを取組方針に定めています。この取り組みを通じて、県内漁師のこだわりや、彼らが獲る「価値ある瀬戸内さかな」の魅力を県内外の多くの方々に届けることで、瀬戸内さかな全体のブランド価値を高めるとともに、県内水産業の持続可能性の向上につなげてまいりたいと考えています。







秋の瀬戸内さかな堪能グルメフェア概要





瀬戸内さかなについて
「瀬戸内さかな」とは、瀬戸内海で獲れる多様な魚介類を表す総称です。
 広島県の海は、瀬戸内海の中でも比較的浅く、干潟や藻場も多いため、いろいろな魚が産卵に来る場所となっており、多くの魚を育む「ゆりかご」と言われています。また、季節によって水温が大きく変わるため、一年を通して四季折々の旬の美味しい魚が豊富に存在します。



シンボルマークは広島県、市場、飲食店の皆さまと一体となって作り上げたもので、海流をイメージした12本の線で魚のフォルムをデザインし、1年間12カ月を通して、豊かな魚が味わえることを表現しています。







本事業は、「おいしい!広島」プロジェクトの一環として実施されます。
「おいしい!広島」プロジェクトは、「広島が美味しさの宝庫である」というブランドイメージの向上を目指し、広島ならではの多彩な食の魅力を磨き、発信していくことで、広島の食文化の発展と継承に貢献する取り組みです。



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