「全国のスモールビジネスにスポットライトを当てる」を理念とし、広告・PR・マーケティングなどの事業を展開する株式会社Fibonacci(フィボナッチ)は、2024年10月12日(土)~13日(日)に、日本国内の酒蔵や食品メーカーが米国進出する為の足掛かりとなるイベント、Japan Tasting Selection 2024をニューヨーク・ブルックリンにある日本文化発信拠点の商業施設Japan Village(ジャパンビレッジ)の中庭にて開催しました。
https://www.youtube.com/watch?v=m3s8QJcXXp4
■イベント概要
■イベント開催の背景と目的
昨今の日本の伝統産業、中でも日本酒の酒蔵は、日本人の日本酒消費量の低下による売上高の減少に悩まされており、更には後継者不足も重なることで、多くの酒蔵が存続の危機にさらされています。
そんな中、マーケット拡大を狙い海外に目を向ける酒蔵も徐々に増えており、規模が大きく魅力的な米国市場にも進出を果たしている日本酒は多いです。
ただ、上手く米国で販路(卸先)を獲得できたとしても、現地での消費者層へのプロモーションで成功しない限り、「to C 向けの消費」を拡大しきれないことが課題です。
また、現在米国で日本酒を消費しているのは、いわゆる日本酒フリークの人々だけで、一般消費者向けの認知施策が実施できているケースは多くありません。
そこで本イベントはただ参加して終わりではなく、リアルなオフラインイベントにSNSやメディアといったオンラインを掛け合わせることで、その先の消費拡大を促進していくものとしました。
■イベントの詳細
・FDA取得済み日本酒各銘柄の試飲会
日本各地から出展した、ニューヨーク初上陸のものを含む7酒蔵18銘柄の日本酒の試飲をおこないました。
来場客は各酒蔵の担当から日本酒の味についての説明を聞くだけでなく、酒蔵のルーツや想い、詳細な製法などの深掘りした質問をぶつけ、日本酒についての理解を深めている姿が印象的でした。
出展酒蔵と地域の一覧は以下の通りです。
・日本酒に合う日本食の提供と試食
日本酒に合うフードとのペアリングを楽しんでほしいという観点から、手巻き寿司・焼き鳥・磯部餅(餅つきイベントでついた餅を使用)の提供をおこないました。
そのうち手巻き寿司と磯部餅に使用した海苔は、江戸時代から150年以上続く高級海苔メーカーである金子海苔店からの協賛品を使用しました。
普段なかなか味わえない高級海苔の風味や食感に、お代わりの手巻き寿司を購入している様子が多数見受けられました。
・和装でのファッションショー
イベントを華やかに盛り上げるコンテンツとして、国内外含め10年以上ファッションショーを手掛けるAICグループによる和装のファッションショーをおこないました。
ファッションショー後には来場者の方々に、明治30年創業の呉服店、銀座いわきや協賛の小袖や簡易的に着付けが出来る着物を着ていただき、着物体験をお楽しみいただきました。
・フォトブース [兜/和服]
来場者の思い出づくりや、イベントのSNS拡散を目的として、兜を被ったり着物を羽織って、プロカメラマンに記念写真を撮影してもらえるフォトブースを設置しました。
兜はエンゼルス時代に大谷翔平氏がホームランパフォーマンスで使用していたものと同じものを、着物はファッションショーでも使用した銀座いわきやの小袖を用意しました。思い思いの着物を選ぶ様子が印象的でした。
・ファミリーで楽しむ餅つき
会場であるJapan Village(ジャパンビレッジ)には、休日は多くの家族連れが訪れることから、お酒を飲まない方々にも楽しんでいただけるよう、餅つきイベントを実施しました。
餅つきが始まると臼の周りは人だかりとなり、大人から子供まで餅つき体験を楽しんでいました。
餅つき後はついた餅を使用した磯部餅を販売しましたが、あっという間に完売していました。
■イベントの成果
・日本文化の発信
出展酒蔵や食品メーカー、着物や兜など、日本文化の発信・認知獲得をおこなうことができました。
着物は当日その場で購入され、出展企業の実収益にも繋がっております。
・日本酒の反応調査
来場者には試飲した日本酒の銘柄それぞれにおいて、『A~D』の4段階で味を評価していただき、総数で911件のデータ回収をおこないました。
和柄の折り紙で作った小箱に爪楊枝を入れる形で、日本風な演出をしました。
普段からよく飲まれている白ワインに似た酸味があるものや、華やかさ・フルーティーさがある日本酒が高評価を得る結果となりました。
回収データ(全銘柄合計)
・SNSでの拡散
イベントではフォトブースや餅つきなど、来場者が無料で体験できるコンテンツが好評でした。
JETROがおこなっている#SupportSAKEの投稿で日本行き航空券が当たるキャンペーンなどの後押しもあり、イベントの様子をSNS投稿してもらうことができました。
■次回開催に向けて
・来場者数の拡大
イベント実施に向けて来場者獲得のため、様々なチャネルでイベント情報の事前配信をおこないました。
合計で20万人程度にはリーチすることが出来たものの、”CTR”や”CPC”、チケット購入者数において、満足のいく結果を得ることは出来ませんでした。
今回得られたデータをもとに、更なるイベント告知の最適化を図る必要があることがわかりました。
・SNS拡散の加速
日本酒フリーク以外の人々に情報を届けるためには、SNS拡散が必須であると考え、イベント中はSNS投稿を呼びかけましたが、投稿数は目標を下回る結果となりました。
SNS投稿時のハッシュタグ設定やオファー設計は勿論、多様な投稿形式(ストーリーやリールなど)やチャネル(他SNS)も推奨するなど、投稿ハードルを下げる工夫をおこなう必要があることがわかりました。
・文化浸透を見据えたフード選定
今回のイベントでは日本文化の発信・認知獲得という観点から、日本酒×日本食というペアリングで飲食物を提供しましたが、文化浸透させるという目的を果たすためには、生活に根付いているものとのペアリングが重要であるという考えに至りました。
例えば日本酒の場合、日本食ではなくピザやチョコレートなど、日常から食べられている食品とのペアリングを訴求することで、米国の食文化に溶け込む手助けができるようなイベントにしていきます。
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