「失敗作で印象に残っているのは、プリンです。絶対イケると思ったのですが、全然ダメでした。苦いというか、薬臭いというか、とにかく試食した時のスタッフの顔は今でも忘れられません(笑)」
一見不利な立地を逆手に、女性の心を掴む店作り
「お初天神裏参道エリアのコンセプトは『ハシゴ酒』なんですが、ウチは3Fなのでフラリと寄ってもらえるのは期待できないかなと。それよりもこの店だけを目指してもらえる店にしようと考えました」
鉄燻CHOI URASANの店作りには、伊藤氏のデザイナーとしての実力がいかんなく発揮されている。
店の天井は高く、落ち着いた雰囲気の照明や、内装を心がけた。店内奥のスペースには10名用のテーブル席と6名用のソファ席を用意して、ゆとりある空間を演出している。これらは特別な取り組みとはいえないかもしれない。
しかし伊藤氏のこだわりはあくまで『普通のおもてなし』にあるといえる。トイレルームの清潔さから、カウンターのひじの置きやすい高さに至るまで、さりげない部分で女性から喜ばれる工夫がなされている。
さらに路面店でありがちな、2時間制などの『時間制限がない』というのも嬉しい。
「滞在時間が長くなれば、その分オーダーも増えるわけですから、無理に回転率を追う必要はないと思います。せっかく3階まで階段を上がって来ていただいたお客様に、ゆっくりしていただきたいと考えています」
また店で提供される日本酒も、飲みきりサイズでラベルや見た目のインパクトにこだわったものを揃え、いわゆるジャケ買いができるようにするなど、毎回来ても飽きない工夫もなされている。
一見するとマニアックな燻製業態でありながら、実はさりげない配慮で女性の心を掴んで離さない鉄燻CHOI URASAN。
今後はこのオール燻製の店というコンセプトを引っ提げて、東京進出も狙っているという。今後の展開にさらに期待が高まるところだ。
鉄燻CHOI URASAN(ディーライブ株式会社)
住所:大阪府大阪市北区曽根崎2-10-10 第2あーけるびる3F
電話:06-6360-6939
お話:代表取締役 伊藤浅己様
公式HP:https://dlv.jp/