鳥取県では、2021年6月1日(火)より初夏の風物詩である天然「岩ガキ」の漁が解禁され、賀露市場(鳥取県鳥取市)をはじめ県内5箇所の市場で初競りが行われました。初水揚げでは賀露市場で1,040キログラムが揚がり、1キロあたりの平均単価は924円となりました。漁期は8月末までです。
今年の岩ガキは早い時期から身入りが良いのが特徴で、新型コロナウイルスによる消費量への影響が見られる中、水揚げ量は昨年の約2倍の150トンを見込んでいます。
冬が旬のイメージが強い岩ガキですが、主に日本海側で採れる「平ガキ」は6~8月に旬を迎え、冬のカキ「真ガキ」と比べると殻も身もボリューミーで、生で食べることができるのが特徴です。
■ 鳥取県自慢の天然岩ガキ「夏輝(なつき)」とは
岩ガキは日本海に面した数カ所でしか採れない貴重な水産物。鳥取県のきれいな海で、荒波に耐えながら数年かけてゆっくりと成長した岩ガキを2005年「夏輝」としてブランド化しました。そのなかでも殻長13cm以上の高品質な岩ガキにはブランドラベルをつけて販売しています。このラベル付き岩ガキは、水揚げされるカキのうちわずか1割程度しかなく、とても希少価値が高い自慢の逸品です。
とろりと濃厚な旨味は、まさに“海のミルク”。滑らかな口当たりがたまらない至極の味です。天然岩ガキは生で食べるのが一番。レモン汁をかけて一口で豪快に召し上がれ!
■ 2020年にブランド化された、超大型岩ガキ「砂丘の誉(ほまれ)」とは
2020年より、殻の周囲が33.5センチを超える岩ガキを「プレミアム夏輝 “砂丘の誉”」というブランド名で出荷しています。
鳥取県の岩ガキ漁は通常素潜りで行いますが、この「砂丘の誉」は鳥取砂丘沖合の水深約18メートルより深い場所でしか採れず、特殊なボンベを背負った海女らが潜水して漁を行います。
鳥取砂丘沖で採れる1日200~300個の岩ガキのうち「砂丘の誉」はわずか10~20個。1個あたりの浜値は夏輝の約3倍と、まさにプレミアムです。
■ 県内唯一、混合空気のボンベ潜水ライセンスを持つ今嶋裕子さん
約20年の歳月をかけ、1kgオーバーにまで育つ鳥取県の天然岩ガキ「プレミアム夏輝 “砂丘の誉”」は、水深18~21メートルの深部を漁場とするため、通常の空気ボンベでは潜水病のリスクが高くなります。そこで、窒素と酸素を混合した空気を専用ボンベに詰めて潜る「ナイトロックス」という技術と資格が必要です。
今嶋裕子さん(47)はこのライセンスを持つ、県内唯一の女性漁師。名古屋市の出身で、元は東京でプログラマーとして会社に勤務していましたが、結婚を機に鳥取市に移住。学生時代にシンクロナイズドスイミングで日本選手権にも出場した経歴を持つ今嶋さんは伝統の海女漁に興味を持ち、1年間の研修を受けたのち海女として独立しました。その後、「砂丘の誉」を採捕するためナイトロックスの資格を取得。一昨年より漁獲を開始しました。海女としては全国的にも珍しく自ら漁船「三徳丸」を操って漁を行っています。
普段見ることのできない「砂丘の誉」漁の様子:https://youtu.be/NjicXtWCa9A
■地元の漁師が教える!岩ガキのさばき方
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