共同実証の背景
「水稲栽培における中干し期間の延長」のクレジット創出方法は、Jクレジット制度において2023年に新たな方法論として追加されました。水田から発生するメタン(CO2の25倍の温室効果をもつGHG)は、土壌や肥料に含まれる有機物から、嫌気性菌であるメタン生成菌の働きにより生成されます。この水稲栽培において通常行われる中干し期間を延長する(落水期間を長くする)ことで、水田からのメタンの発生を減らすことができ、この削減効果をクレジット化できる方法論です。
Co社は、全国でこの「水稲栽培における中干し期間の延長」のプロジェクトを複数の農家と共に立ち上げクレジット創出に取り組んでいます。
一方で、近年、削減効果が低い低品質なクレジットを創出・購入することについて、グリーンウォッシュの懸念があると指摘を受ける事例が増えています。
今後、拡大が想定されるカーボンクレジットのニーズに対して安定して供給を行っていくためには、こういった品質問題の課題を解決し、クレジットの透明性の確保及び定量的な評価ができるモニタリング方法を確立する必要があります。
今回、このCo社のプロジェクトのうち一部のエリアにおいて、衛星データを活用したモニタリングについて共同で実証することで、自然由来のカーボンクレジットの創出・評価においての透明性を上げる方法について研究して参ります。
一般社団法人Coについて
一般社団法人Coは、2023年度からJ-クレジット制度を活用し、全国の水稲農家様と水田の中干し期間延長によるメタンガス削減プロジェクトを進めています。農業分野に加え、海洋プラスチックの収集・リサイクルの取り組みにおけるクレジット創出など海外の認証機関を活用したクレジット創出支援にも対応しています。また、単なるクレジット創出支援だけでなく、生物多様性の評価制度設計や測定のあり方についての研究やTCFD・TNFDの開示支援など包括的なGX関連の施策をサポートしています。
◆一般社団法人Co会社概要
団体名:一般社団法人Co(読み:コー)
設立:2023年05月11日
代表者:代表理事 片岡慶一郎
所在地:東京都国立市東1-20-12
事業内容:一次産業におけるカーボンクレジットの創出支援、TCFD,TNFD開示支援、生物多様性の影響評価支援
ウェブサイト:https://www.co-carbon.jp
問い合わせ先: info@co-carbon.jp
Archedaについて
Archedaは、「地球の秘めた可能性を価値にする」をミッションに、主に衛星データを利用した自然環境のデータ化を通じて「企業や自治体の自然管理の効率化」と「Nature-based Solutionsにおけるモニタリング効率と信頼性の向上」の実現を目指しています。現在、衛星データを活用した自然解析ソリューションであるGreen Insightの開発を進めています。Green Insightは、衛星データを活用した1.森林モニタリングと2.自然由来カーボンクレジット向けのモニタリングという2つの機能を有する一連の解析エンジン及びWebサービスであり、林業関連企業様、自治体様、インフラ企業様、クレジットディベロッパーの皆様と森林資源解析やDMRVにおける様々な取り組みを進めています。
▼Green Insightのイメージ図
◆Archeda会社概要
社名:株式会社Archeda(アルケダ)
設立:2022年09月
代表者:代表取締役 津村 洸匡
所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング36F
事業内容:衛星データを活用した自然環境の解析事業、カーボンクレジットのモニタリング解析事業
ウェブサイト:https://archeda.inc
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/archeda-inc