刊行にあたって
代替タンパク質の世界市場規模の伸び率は、低い見積りで年平均5%前後、標準的な予測では10%前後の成長率で拡大すると見込まれている。標準的な予測では、2030年には約290億ドル、2035年には約460億ドルに達すると推定されている。2020年の代替タンパク質の市場規模は約110億ドルであったことから、10年で約2.6倍、15年で4.2倍へと大きく拡大すると見込まれる。植物肉では、すでに一定規模の市場が形成されているアメリカや欧州が今後も堅調に伸びると推定されているが、さらにアジア太平洋地域でも健康志向の高まりに加え、植物肉の製造技術の進歩により、今後より市場の拡大が見込まれている。
上記のように今後の市場拡大が見込まれる代替タンパク質の技術動向および市場動向をまとめたいとの考えから、本書を企画した。
本書【技術編】では、第一線でご活躍中の専門家の方々にお願いし、植物由来代替肉の現状と今後、米タンパク質、大豆たん白・大豆ミート、小麦たん白、プラントベースフードレシピ開発、プラントベース食品のおいしさ、培養肉、細胞培養、食肉の組織形態再現、培養食肉の低コスト培養、魚肉生産技術、昆虫食、食用コオロギ、精密発酵、微細藻類、マイコプロテインなどについての技術動向を執筆頂いた。【市場編】では、代替タンパク質の概況、種類別国内市場概況、法規制・認証制度、参入企業の実態調査について調べあげた。(本書「はじめに」より抜粋)
著者
穴井豊昭 九州大学大学院
久保田真敏 新潟工科大学
中野康行 不二製油(株)
廣瀬太洋 グリコ栄養食品(株)
手塚裕美子 DM三井製糖(株)
早坂浩史 (株)味香り戦略研究所
岡田健成 東京大学
竹内昌治 東京大学
原 司 東京女子医科大学
清水達也 東京女子医科大学
古澤和也 福井工業大学
川島一公 インテグリカルチャー(株)
ながさき一生 (株)さかなプロダクション
井内良仁 山口大学大学院
渡邉崇人 徳島大学;(株)グリラス
落合 優 北里大学
武田 猛 (株)グローバルニュートリショングループ
高橋 聖 (株)ちとせ研究所
佐賀清崇 Agro Ludens(株)
目次
【技術編】
第1章 植物由来
1 植物由来代替肉の現状と今後
2 新たな代替タンパク質素材としての米タンパク質の可能性
3 大豆たん白・大豆ミートの製品開発と市場展開
4 小麦たん白を活用した植物性代替肉素材
5 竹食物繊維・キヌア・さとうきび抽出物・コクミシュガー・パラチノース(R)を
使用したプラントベースフードレシピ開発
6 プラントベース食品のおいしさ再考:植物性と動物性食品の味の違い
第2章 培養細胞由来
1 細胞性食品である培養肉実用化に向けた研究開発の現状
2 微細藻類と動物細胞の循環型細胞培養による低環境負荷な食料生産
3 食肉の組織形態を再現する技術
4 培養食肉の最新技術動向と低コスト培養
5 魚肉生産技術「細胞水産業」
第3章 昆虫由来
1 代替タンパク質としての昆虫の可能性
2 循環型食品としての食用コオロギ
3 代替タンパク質としての食用昆虫の栄養価値と生理機能および昆虫食普及のための課題
第4章 微生物由来
1 代替タンパク質開発における精密発酵の可能性
2 タンパク質源としての微細藻類
3 お米生まれ麹育ちの新奇マイコプロテイン食品
【市場編】
第1章 代替タンパク質市場の動向
1 代替タンパク質の概況
2 代替タンパク質の種類別国内市場概況
3 代替タンパク質と法規制・認証制度
第2章 参入企業の実態調査
〈植物由来肉〉伊藤ハム米久ホールディングス、大塚食品、グリーンカルチャー、ケンコーマヨネーズ、染野屋、DAIZ、TWO、日本アクセス、日本ハム、ネクストミーツ、不二製油グループ本社、マルコメ、ヤマダイ食品、ヤヨイサンフーズ、亀田製菓(マイセン)、ハウス食品グループ本社
〈培養肉〉インテグリカルチャー、ダイバースファーム、日清食品ホールディングス、NUProtein、オルガノイドファーム
〈昆虫〉MNH、グリラス、日本サプリメントフーズ、FUTURENAUT、エリー
〈微生物〉タベルモ、ユーグレナ、雪国まいたけ
本商品のカタログは下記からダウンロードできます。
https://www.cmcbooks.co.jp/upload/save_image/04231132_66271dbbaffff.pdf