誰もが利用できるインクルーシブな飲食業界を目指した研修プログラム、株式会社鳥善がモデルケースに

更新日: 2024年04月20日 /提供:鳥善

「インクルーシブな飲食店づくり」を目指す店舗向けの研修プログラムを株式会社Haluが開発・提供開始

ブライダルやレストラン事業を展開する株式会社 鳥善(本社:静岡県浜松市 代表取締役:伊達善隆 以下「鳥善」)と、障害の有無によらず様々な子どもが使える「IKOU(イコウ)ポータブルチェア」等を企画・開発する株式会社 Halu(本社:京都府京都市 代表取締役:松本友理 以下「Halu」)は、障害児の外食機会をつくるインクルーシブな飲食業界を目指すことで認識を共有。Haluが開発する飲食店向けの研修プログラムについて、鳥善にてテストローンチをしました。本プログラムは、今月より飲食店舗向けに提供が開始されます。



Haluとの出会いから研修が誕生するまで


Halu松本社長と鳥善伊達社長は、イベント登壇で出会いました。Haluが開発した体幹が弱いお子様が安定して座れる「IKOU(イコウ)ポータブルチェア」は、障害児を持つご家族の外出機会をサポートするプロダクトです。松本社長は「障害児を持つ家族にとって、外食は気軽にできるものではない。」と現状を教えてくださいました。

振り返ると鳥善のレストランには、肢不自由のお客様(特にお子様)にお越しいただいたことが、あまりありません。
伊達はチェアを導入しただけで満足しない様、知識やスキル、受け入れ時のマインドセットも含め、体制を整えたいとHaluに相談を持ちかけました。そして飲食店サイド共通の悩みである「障害をお持ちのお客様がいらっしゃったら、どんな対応をすれば良いのか?」について、幾度なく意見交換をし合い「研修の場」が生まれました。

さて今年は4月1日より、改正障害者差別解消法が施行されました。民間事業者も合理的配慮の提供が「できるだけ努力」から法的義務に。障害者対応はCSR(Corporate Social Responsibility 社会的責任)からコンプライアンス、これらがベースとなり、皆が同じ空間にいるのが当たり前の社会になります。

さらに高齢化が進む2035年、日本人の約半数が何らかのハンディキャップを抱えており、飲食店も新たな在り方やスタンダードが必要です。今回の取り組みには、同じくポータブルチェアを導入された有限会社春華堂((代表取締役社長: 山崎 貴裕)もご一緒いただきました。

研修プログラムのテスト導入


まずは鳥善にて、プログラム研修(全2回)をテスト導入しました。第1回目はHalu松本社長によるプレゼンテーション(座学)、第2回目は障害児とご家族をお迎えしての接客実習です。

1回目のセミナーでは障害児を取り巻く外食事情に始まり、障害児を持つご家族の外食アンケート結果、改正障害者差別解消法について。その後は障害児の食べる機能や、Haluのポータブルチェアを使ってのレクチャー。障害児とご家族を迎える時の「心構え」を中心に学びを深めました。

続く2回目の接客実習はモニターとして、お祖母様、お母様、娘さん(8歳、肢不自由)のご家族をジ・オリエンタルテラスへお招き致しました。食事後はインタビューにご協力いただき、社員同士でグループワークを実施しました。

研修プログラム受講後の効果


セミナーで障害児とご家族が外食に行くために、想像以上の細かな準備をされている状況を知った弊社社員は「こんなにも準備されて、お店に来ていただいていると知り胸が熱くなります」と語りました。

また、松本社長への質問では「体勢を保てない障害は、どんな人がいるのか?」「食事にかかる時間は?」「どういった場所に連れてきたいと思うか?」など、大変多くの質問が飛び出しました。ポータブルチェアの導入だけに頼らない、社員の心を動かすマインドセットを果たせたと感じます。

接客研修においては、弊社社員が1回目の研修で学んだ「普通に声を掛ける」を意識し、娘さんの名前を聞き「○○ちゃん」と呼んで声を掛けたり、こちらから「聞く、伺う」ことで、お客様の不安を和らげようとする姿が見られました。

そして「どうすれば、安心して食事を楽しんでいただけるか?」を考えながら接客をした結果、普段と変わらないサービスをお届けでき、セミナーに参加したからこそ安心して接客できたとの声も聞かれました。これらの「考える」行為こそが、研修で養われたホスピタリティです。

ご家族のインタビューでは「入口から、普通に声を掛けてもらい嬉しかった。何をするにも勇気がいるし、制限も多い。ここなら安心して娘と食事ができると思いました。こちらも一歩踏み出す勇気をもらいました。これから、いろいろとチャレンジしてみたいです。」と、喜びや前向きなお言葉をいただきました。
私たちは、ご家族の背中をそっと押すお手伝いもできたのかも知れません。

これからの事業展開


本来、外食は日常での気晴らしや特別な思い出として「豊かな時間」を生み出すものです。今後鳥善では、研修成果を生かした接客、店舗づくりを進めながら、障害がある方もない方も安心してお越しいただける食イベント「For all the family(仮称)」を開催予定です。
また、浜松市の皆様を中心に、インクルーシブな飲食店づくりに取り組んでまいります。

※今回の研修は日経新聞社様、NHK様に取材いただきました

日経新聞社
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC166GB0W3A111C2000000/

NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20231116/3030022216.html

※鳥善noteでは第1回目の研修について詳しく紹介しています

鳥善note
https://note.com/torizen/n/na570911d476b

■株式会社鳥善 概要
1868年(明治元年)創業以来、地域に根付き、飲食事業・ウェディング事業を展開しています。 150周年を迎えるにあたり当社ミッションを「訪れる人・ 携わる人が誇りを持てる最高のお店づくりを通じて街の価値を上げ続ける」とし、街の発展と一体化した商品・事業展開を行なっています。
会社名:株式会社鳥善
所在地:静岡県浜松市中区佐鳴台6-8-30
代表者:伊達善隆
設立:1868年(明治元年)創業
URL:https://www.torizen.co.jp/

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