アルギン酸メーカーの株式会社キミカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:笠原文善)は、創業80周年事業として、千葉県富津市にオフィス、研究開発ラボ、品質管理ラボ、福利厚生施設を集約した新オフィスを建設します。
新オフィスの延床面積は3,450平米で、執務エリアを従来比3倍、研究エリアを4倍に拡充して「健康志向の高まりに伴う需要増」と「高度化する品質要求」に応えます。また、ダイナミックな構造設計によって24m×70mの大空間を創出し、ポストコロナ時代の新たな事業展開と多様な働き方に柔軟に対応することが可能な設計となっています。
環境性能に優れる技術を数多く採り入れているほか、ワークショップやオンラインセミナーを通じて汲み取った社員の想いを設計に反映するなど、「ジャパンSDGsアワード」の受賞企業に相応しい、人と地球にやさしい新拠点が富津市に誕生します。
【計画概要】
所在地:千葉県富津市大堀1029
建物概要:鉄骨・鉄筋コンクリート造・地上2階/延床面積3,450平米
工期:2021年7月着工、2022年7月竣工
建築設計:株式会社 類設計室
【新管理棟の特徴】
■ 床面積を3倍以上に拡張し、世界水準の研究環境を実現
オフィススペースは従来比3倍、研究スペースは4倍に拡充し、「健康志向の高まりに伴う需要増」と「高度化する品質要求」に応えます。品質管理ラボには、オープンな理化学試験エリアに加えて、専用エリアとなる機器分析室、微生物試験室、安定性モニタリング室等、医薬品GMPにも対応した設備を有し、医療用材料(医薬品原薬、医療機器原料)メーカーに相応しい試験検査環境を整備します。
お客様とともにアルギン酸の用途開発を行う「食品アプリケーションラボ」を併設、約100名を収容できるセミナー室を用意し、アルギン酸の普及と用途開拓を加速します。
■ 社員間のコラボレーションを引き出す、ワンルームオフィスとワンフロアラボ
ダイナミックな構造設計により生み出された24m×70mの柱のない巨大空間は機能性に優れ、新たな事業展開への柔軟な対応を可能にしています。1階(ワンルームオフィス)と2階(ワンフロアラボ)は、建物中央に配置したクロス階段(内階段)で有機的に繋がり、社員の回遊性を高めて社員同士のコラボレーションを促す設計となっています。大階段の周囲にはコミュニケーションスペースが広がるなど、組織の一体感を醸成する工夫がされています。
■ 環境性能に優れる技術を導入し、環境負荷を低減
輻射熱の特性(熱移動の原理)を活かした「次世代型輻射式空調」を採用し、無風・無音で温度ムラのない、からだに優しい住空間を演出しています。さらに自然エネルギーを有効活用(冬は地下水から熱を取り出し、夏は地下水に熱を吸収させる)することで、一般的な空気空調と比べて環境負荷を50%以上削減することに成功。室温に影響を与えることなく新鮮な空気を採り入れることのできる外調機、外装ダブルスキンシステム(二重窓)と調光制御ブラインドを備えて建物に掛かる熱負荷をさらに軽減しています。太陽光発電や電気自動車の充電ステーションの導入も検討するなど、「ジャパンSDGsアワード」の受賞企業の名にふさわしい、地球にやさしい新拠点を整備します。
■ 万全のBCP対策と社員の安全確保
建物全体を50cm底上げしたほか、研究スペース(測定機器)と電気室を2階に配置して水害に備えました。非常用発電機による電源バックアップで万一の停電に備え、基準の1.25倍以上の耐震性能を付与しました。「避難安全検証法」により、有事の際にも社員が安全に避難できることを確実にしています。
【株式会社キミカについて】
株式会社キミカは、天然の海藻から「アルギン酸」を抽出し、様々な産業に供給するわが国唯一の専業メーカーです。アルギン酸は海藻に含まれる多糖類で、食感改良剤として様々な加工食品に利用されるほか、医薬品、化粧品、繊維、鉄鋼、製紙など幅広い分野で活用されています。
株式会社キミカは日本で初めてアルギン酸の工業的生産に成功し、以来80年間にわたり業界を牽引しています。アルギン酸市場における弊社の国内シェアは90%を超え、特に高品質が求められる食品・医薬品向けの分野においては、名立たる競合メーカーを抑えて世界トップの生産量を誇ります。近年はSDGsのフロントランナー企業としても注目を集めており、2020年には日本のSDGsの最高賞「ジャパンSDGsアワード」の特別賞を受賞しました。