2018年に大手メーカーが数十キロのみを販売し、瞬く間に売り切れた幻の梅「橙高(とうこう)」。和歌山県の世界遺産「熊野古道」のふもとの梅農家、「アカネの里」では、この橙高を露茜(真っ紅になる新品種ウメ)の受粉を助ける目的で植えている。加工などの利用を考えていなかった橙高が、実は農家も驚く美味しさだった。橙高は和歌山県でしか栽培されていない限定品種であり、栽培実績が少なく、市場に出回らないため幻の梅と言われている。現在、栽培している農家も少なく、このままでは市場で知られないまま消えてしまう!幻の梅「橙高」を守り、品質の良さを広め、栽培する農家を増やしたい。アカネの里では幻の梅を守るため、「橙高の梅酒や梅シロップを自宅で簡単に作ることができる手づくりキット」と、「アカネの里にある橙高の樹体に名前を付けてもらい、収穫までサポーターとなる【命名サポーター】」の募集をクラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」にて開始。募集期間は2024年1月15日(月)から2024年2月28日(水)
URL:https://www.makuake.com/project/toukou/
●販売された幻の梅は瞬く間に売り切れた。幻の梅「橙高(とうこう)」
橙高
大手メーカーで何度か期間限定販売された幻の梅「橙高(とうこう)」という梅がある。期間限定販売をされた橙高は、瞬く間に売り切れるのだが、いまだに栽培農家も少なく、市場に流通することがない。橙高は、2009年に和歌山県で品種登録をされた梅で、和歌山県でのみ栽培されている珍しい梅の品種である。
世界遺産「熊野古道」のふもとで、梅の栽培を行っていたアカネの里は、2020年にこの橙高を100本植えることとなった。以前から栽培していた別の新品種の「露茜(つゆあかね)」(真っ紅になる希少な新品種ウメ)が自家受粉を行えない梅であったため、その受粉を助けることが目的であった。当時はそれだけを目的として、加工などの利用は全く考えていなかった。
中央の背の低いのが橙高、左右の背の高いのは露茜
●梅の受粉を助けるために植えた橙高が、農家でも驚きの味だった。
アカネの里で「橙高(とうこう)」が収穫され、梅酒やシロップなどの試作をしてみたところ、梅農家も驚きの味であった。梅の酸味が抑えられて柑橘のフルーティな香りも感じられまろやかな優しい味だったのである。梅の代表的な加工品である梅干しも試作したところ、南高梅より酸味が抑えられていてとても食べやすいものだった。
また、橙高は熟すと果皮と果肉が橙色になるのが特徴で、シロップも黄金色に近いきれいな色だった。南高梅と地蔵梅の交配種である橙高は、南高梅の桃のような香りに柑橘のような香もあり、みずみずしい味がする。最大の特徴は、機能性成分である皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持や、がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをするといわれている栄養素β-カロテンが豊富で南高梅の6倍もある。
橙高果実と梅酒
橙高のシロップやジャム
●なぜ橙高は幻の梅と言われるのか?
橙高は和歌山県でのみ栽培ができる限定品種である為、現在、他県では栽培ができない。そのうえ、和歌山県の梅農家はすでにブランド化されている「南高梅」以外の品種を栽培することは大きなリスクになると考えるため栽培に踏み切らない。また、最も栽培の多い南高梅と開花時期がずれているため、南高梅の受粉を助けるために植えるなどの利用も見込みが少ないために、品種が登録された2009年から栽培は一向に広まりを見せない。物量が圧倒的に足りないため、現状の収穫量では市場での流通枠がない。そのため、「橙高」は品質の良さを知る人が少なく、一部の加工業者や梅農家しか知らない幻の梅となっているのである。
現在も、販売できるほどの量が収穫できる農家は数件しかないのが現状である。今後、市場からの要望が高まらなければ、幻の梅「橙高(とうこう)」は美味しさを知られることのないまま、衰退していく梅なのだ。
アカネの里
●幻の梅を守り、美味しさを届けたい!
驚くほど美味しく、品質が素晴らしい梅であると考えたアカネの里では、この「幻の梅」を守りたいと思った。橙高を広く認知してもらいたい。市場からの要望で栽培する農家を増やしたい!そのため、今回、Makuakeを使い、クラウドファンディングを行うこととなった。「橙高の梅酒や梅シロップを自宅で簡単に作ることができる手づくりキット」と、今年の収穫まで橙高の栽培を応援する「アカネの里にある橙高の樹体に名前を付けてもらい、収穫までサポーターとなる【命名サポーター】」を応援購入していただく。まだまだ認知度も低く、生産量も非常に少ない橙高だが、まずは一度その良さを体験し味わってほしい。幻の梅を広く認知してもらい、末永く生産が続くよう守っていきたいと思っている。
◆幻の梅「橙高」の梅酒やシロップを自宅で簡単につくることができる「手づくりキット」
◇手づくりキット小(3,300円)
凍結橙高果実(100g)/氷砂糖(100g)/専用瓶(小)/紙札・シール
◇手づくりキット中(5,500円)
凍結橙高果実(200g)/氷砂糖(200g)/専用瓶(中)/紙札・シール
◇手づくりキット大(7,700円)
凍結橙高果実(400g)/氷砂糖(400g)/専用瓶(大)/紙札・シール
※各品ともアルコールは付属無 ※冷凍・クール便でお届け。送料・クール便代込の金額
手づくりキット大
◆橙高 命名サポーター
◇橙高 命名サポーター(11,000円)
・橙高の樹体1本にサポーター様固有の名前を付けることができる。(命名権)
・サポーターが名付けた名前の木札を今年収穫までの期間、樹体に取り付ける。
・命名承認証を作成し送付。
・アカネの里(和歌山県田辺市中辺路町)にて栽培作業体験(収穫作業等)が可能。(交通費等は実費)
※栽培作業体験期間は2024年3月~2024年6月末まで。※体験希望の場合は事前予約が必要。
・サポートのお礼として、今年収穫時(6月~7月頃)橙高果実(凍結 もしくは 生果)1Kgを贈呈
※橙高命名サポーターの権利は2024年3月から2024年収穫及び果実の発送(2024年6月~7月予定)まで。
命名サポーター 樹体の命名木札と命名承認書
命名サポーター サポーターが木札に命名記載 橙高果実1kgを贈呈
【Makuakeクラウドファンディング概要】
●アカネの里について
熊野古道 中辺路
アカネの里は和歌山県田辺市中辺路町にあり、世界遺産「熊野古道」のふもとに位置する。
熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の「熊野三山」に至る熊野参詣道のうち、田辺から本宮、新宮、那智に至る山岳路が「中辺路」(なかへち)と呼ばれる。
栽培を行っている代表の遠藤はもともと農家ではなく、調理人、飲食店舗の企画開発を経て、アミューズメント施設運営・機器の企画開発等に携わる。2000年に和歌山で飲食店を開業し、そこで和歌山の梅に出会い、2008年より梅を中心に和歌山の特産物を活かした商品の開発を始める。
2011年に 元祖手づくりキットとして、「かんたん凍梅手作りキット南高梅」 を発売し、サービスエリアや国内外のスーパー、百貨店で催事販売を行う。「かんたん凍梅手作りキット南高梅」は2014年にプレミア和歌山に認定されている。
露茜に出会い、栽培に挑戦するため、2014年和歌山県立就農センター入学、卒業後の2016年に和歌山県認定新規就農者となる。同年、世界遺産「熊野古道」のふもとの和歌山県田辺市中辺路町で、放棄地の開墾から始め10,000平方メートル の露茜栽培用の畑を造成。「アカネの里」と名付け露茜の栽培をスタートする。
2019年以降、エコファーマー認定を取得し、安心安全な作物を提供を行っている。
放棄地の開墾
露茜植栽時
露茜果実
約10,000平方メートル (1町歩)の畑に露茜を約700本植栽し、栽培をスタート。「露茜(つゆあかね)」は2009年に品種登録された真っ紅になるめずらしい新品種で、自家受粉しないことなど栽培には難しい面があった。
各研究所の助言のもと、開花時期が同時期の和歌山県限定品種「橙高」を露茜の受粉樹として2020年にアカネの里に100本植栽した。
新品種の梅の豊富な機能性成分を活かした多様な加工品開発が進み、需要が創出され、中辺路(なかへち)地区の過疎化をくい止め、産地の活性化、梅の新たな市場拡大、また人々の梅への関心につながることをアカネの里は願っている。
【アカネの里】
所在地:〒646-1421 和歌山県田辺市中辺路町栗栖川344-1
代表者:遠藤裕一
開園:2016年
事業内容:梅の栽培、加工品開発・製造・販売
HP:http://www.q-fruit.com/