東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:野村 均、以下「東京建物」)と株式会社Azumi Japan(本社:京都府京都市中京区、以下「Azumi」)は、2021年3月、しまなみ海道に位置する生口島(広島県尾道市瀬戸田町)にてAzumiが新しく立ち上げた旅館ブランド「Azumi(アズミ)」の第1号物件となる旅館「Azumi Setoda」を開業いたしますのでお知らせいたします。
本プロジェクトは、空き家・空き店舗の増加による空洞化が課題となっている生口島の瀬戸田地区において、古き良きまちなみのシンボルでありながらも長らく空き家となっていた、約140年の歴史を持つ古民家「旧堀内邸」を活用し、旅館として再生することによって、観光地としての魅力向上とともに地域コミュニティの維持・活性化を目指すプロジェクトです。
東京建物は、不動産証券化のスキームを活用しながら、これまで世界各地でその土地の文化やコミュニティ、芸術、食材を尊重してきた実績を持つアマン創業者であるAdrian Zecha(エイドリアン・ゼッカ)を創業メンバーとするAzumiとともに、様々なステークホルダーと一体となって、本プロジェクトの開発に取り組んでまいりました。
瀬戸田という場所に流れる伝統的な要素を重んじながらも、革新的な発想を「Azumi Setoda」の至るところで表現し、地域全体に賑やかな連携をもたらすような「地域を代表する宿」となることに挑戦してまいります。
1.「Azumi Setoda」について
■「Azumi Setoda」プロジェクトの背景・経緯
2018年に尾道市により公募された「瀬戸田町古民家等活用事業」に(株)ナル・デベロップメンツ(本社:京都府京都市中京区、Azumiの創業メンバーである早瀬文智、岡雄大が共同代表)が活用事業者に選定され、築140年の古民家である「旧堀内邸」を取得しプロジェクトがスタートしました。
その後、東京建物などが出資した合同会社を通じて、旅館「Azumi Setoda」と旅籠+銭湯「yubune」を整備しています。
■瀬戸田(生口島)について
「Azumi Setoda」が位置する瀬戸田(広島県尾道市瀬戸田町)は、サイクリングロードとして国際的に有名な「瀬戸内しまなみ海道」沿い、本州側から数えて3つ目に位置する生口島(いくちじま)にある人口約8,000人のまちです。古くから海上交通の玄関口として瀬戸田港を中心とした街並みが形成され、国宝三重の塔のある向上寺や耕三寺博物館、平山郁夫美術館等の歴史・文化施設や、その背後に立地する潮音山などにより、みどりと歴史・文化が融合した拠点として発展してきました。また、島の半分が傾斜地で日当たりが良いこと、年間の降水量が少ない温暖な気候であることを活かして柑橘の栽培が盛んとなり、とりわけレモンについては日本一の国産レモンの生産地としてその名を知られ「レモンの島」とも呼ばれています。
一方で、近年は人口減少や高齢化に伴う空き店舗および空き家の増加による空洞化が進み、コミュニティの維持と観光地としての魅力低下が課題となっています。
■施設概要
「Azumi Setoda」は、瀬戸田の地に約140年佇む「旧堀内邸」の貴重な建築様式を活かしながら、日本の伝統建築の手法を用いて改装。計22室の客室に加え、庭園、あずまや、レストラン、バー、ラウンジ等で構成されます。
また新築の別棟として銭湯付帯型の宿泊施設「yubune」も同時に開業。同施設には銭湯とサウナ、湯あがりラウンジ、客室(計14室)が備わり、機能的な側面を持つ”旅籠”として、地域と旅人に幅広く開かれる施設と位置付けています。
2.瀬戸田「しおまち商店街」活性化プロジェクトについて
「Azumi Setoda」と「yubune」は、瀬戸田港から耕三寺にかけて繋がる地元の商店街「しおまち商店街」の入口に開業します。「しおまち商店街」では、「(「Azumi Setoda」の前身である)旧堀内邸」の活用をきっかけに、2019年よりしおまち商店街活性化プロジェクトが開始されました。「住みたいまち、しおまち」をコンセプトとして、地域の方々を中心とした「しおまち商店街の未来を描く」をテーマにワークショップが継続的に開催されているほか、地域のリビングルームのような位置付けとなる複合施設「SOIL SETODA」の開業準備、自然との共生を意識したインフラ導入の検討などが進められています。
「Azumi Setoda」と「yubune」は、これらの地域活動とも連携し、瀬戸田の魅力を未来の世代へ引き継いでいけるよう地域の人と旅行者との関係づくりにも重点を置き、地域全体に活力を取り戻すことに貢献したいと思っています。
3.SDGsをはじめとした社会課題解決への貢献
東京建物は、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立する「次世代デベロッパーへ」の進化を長期ビジョンとして掲げており、事業を通じてSDGsをはじめとする様々な社会課題解決への貢献に取り組んでおります。東京建物とAzumiは、「Azumi Setoda」「yubune」を通じ、様々なステークホルダーと一体となって、観光産業を軸とした地域の経済とコミュニティの活性化により持続可能なまちづくりを支援していくことで、SDGsおよび地方創生へ貢献してまいります。
【「Azumi Setoda」「yubune」を通じた取り組み】
・世界的なホテリエが新しく立ち上げたブランド第一号となる「Azumi Setoda」を新たな観光拠点として整備することによる観光地としての魅力向上(通過型観光から滞在型観光への転換)
・長らく空き家となっていた約140年の歴史を持つ古民家「旧堀内邸」の佇まいを保存しながら活用することによるまちなみの保全
・銭湯をはじめとした、観光客のみならず、地域の方も憩えるまちづくり
・地域を中心とした新たな雇用機会の創出、地域のまちづくり活動との連携による地域コミュニティの維持・活性化
4.株式会社Azumi Japanについて
■ 創業メンバー プロフィール
Adrian Zecha (エイドリアン・ゼッカ)
Azumiの創業者・会長。アマンやGHMなどを創業。展開する先のデスティネーションを再定義し、業界のスタンダードをセットし続けてきた。近年では新たなリゾートの価値観を提唱するAZERAIを創業。かつて1950年代にジャーナリストとして東京に住み、箱根や伊豆に定宿をもっていたゼッカは常々その地に根付いた亭主や女将などの宿の主(あるじ)が経営する旅館という業態に魅せられてきた。「Azumi」はゼッカの旅館への新しい挑戦となる。
Adrian Zecha (エイドリアン・ゼッカ) コメント
これまで自身が手がけてきたプロジェクトは、その客層や価格帯からラグジュアリーに限定されていると捉えられていますが、全プロジェクトの当初の意図としては、常にその土地の文化、コミュニティ、芸術、食材に光を当てることでした。新ブランド「Azumi」では、日本独自の家庭的な旅館の概念を、当初の意図と照合しながら変化させています。「Azumi」では場所のラグジュアリーさを追求するのではなく、家庭的なおもてなしの心と、地域との共感を生む豊かさを最優先して追求しています。
岡 雄大 (おか ゆうた)
Azumiの創業者・共同代表。(株)ナル・デベロップメンツ共同代表。日本橋K5を含む幾つかのホテル創業に携わるホテリエ。 以前は米Starwood Capital Groupをはじめとする投資会社にてアジア・北米の不動産投資やホテル会社の経営助言を行う。2013年よりアマンへ出向し、そこで早瀬やゼッカと出会う。
早瀬 文智 (はやせ ふみとも)
Azumiの創業者・共同代表。(株)ナル・デベロップメンツ共同代表。創業以前は計12年間、アマンにて幹部候補生として各リゾートのオペレーションに従事した後、同ブランドの駐日代表としてリゾートの開発・立ち上げを担当。2014年アマン東京立ち上げ時に共同創業者の岡と出会い「Azumi」の構想を描き始める。
5.Azumi Setodaオフィシャルサイト
http://azumi.co/
以上