プレーンヨーグルトが子どもの苦手な酸味を克服する機会を提供し、味覚の発達に寄与する可能性 オノマトペを用いた声掛けをしながら「準備してつくる」「探しながら見つけて食べる」ことで、共働き親子のコミュニケーションの質も向上~日本官能評価学会2023年大会で発表~
2023/12/20株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、子育て中の共働き世帯を対象とした研究において、「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」を子どもと一緒に食べる、手軽なコミュニケーション方法を設計しました。味覚はさまざまな食べ物を味わうことによって発達します。子どものうちから初めは苦手な味でも、経験し、克服することで、将来幅広い栄養を摂取できることにもつながります。親がオノマトペを使って声掛けをしながら、子どもが主体的にヨーグルトのおやつを作り、宝探しのように具を探しながら一緒に食べる、という簡単な方法が、親子のコミュニケーションの質を向上させ、子どもの苦手な酸味を克服する機会を提供し、味覚の発達に寄与する可能性を確認しました。
なお、本研究成果を2023年11月26日に開催された一般社団法人日本官能評価学会2023年大会にて発表しました。
研究成果の概要
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未就学の子どもを対象に、「食を通じた子どもの健全育成の目標」※1に沿ってプレーンヨーグルトを使ったコミュニケーション方法を設計し、試食したところ、親からは高い満足度が得られ、子どもからは「楽しかった」という回答が多く得られました。
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オノマトペ※2を使った声掛けをすることで、子どもが楽しみながら積極的にヨーグルトを喫食し、苦手な酸味を克服する機会を提供することができました。
図1 設計したコミュニケーション方法
図2 オノマトペを使った声掛けの例
研究成果の活用
声掛けをしながら、プレーンヨーグルトを一緒に楽しく食べるプロセスを、手軽に実践できる食を通じた親子のコミュニケーションの一つとして提案します。
また、小さな子どもは酸味が苦手な傾向にありますが、楽しみながら主体的にプレーンヨーグルトの酸味を経験する機会を提供することで、味覚体験の幅を広げ、食べる力を育てる食育活動にも貢献してまいります。プレーンヨーグルトは他の食材を加えて食べられることが多いため、さまざまな食材との接点となることで、多様な食への関心を高めるきっかけになることも期待されます。
研究の目的
共働き世帯の増加に伴い、親と子どもがゆっくり過ごす時間は減少傾向にあります※3。また、社内の調査から、食事の時間は親子で過ごすことができる貴重な時間でありながら、子どもに食べさせることが優先され、楽しいコミュニケーションが不足しがちであることがわかりました。そこで、食事中のコミュニケーションの質を高めるため、忙しい中でも実践しやすい休日のおやつの時間を使い、消化が良くおやつ(補食)に適したヨーグルト※4を題材にしたコミュニケーション方法の設計に着手しました。
研究概要
厚生労働省が公表した「食を通じた子どもの健全育成の目標」を達成する要件を備えたコミュニケーション方法を設計し、親子間コミュニケーションの満足度に及ぼす効果を確認しました。
発表内容
タイトル
共働き世帯の親子間コミュニケーションの満足度に及ぼすプレーンヨーグルトを使った「おやつ時間」の効果
方法
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調査会社(株式会社マクロミル)を通じ、2~6歳の未就学の子どもを持つ共働き世帯の親子を対象に試食を含む調査を行いました(有効回答数324件)。
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「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン(400g)」、市販のミックスフルーツ缶詰、コミュニケーション方法を記載したシナリオを配布し、各ご家庭で一度だけシナリオに沿ってご試食いただきました。
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厚生労働省の「食を通じた子どもの健全育成の目標」に沿って、コミュニケーション方法を質の高さに応じて、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3パターン設定し、対象者を3つのグループに分け、グループごとに異なるシナリオを割り当てました。(図3)
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子どもの様子や満足度について、事前と調査直後と1カ月後にwebアンケートを実施しました。
図3 設計したコミュニケーション方法の要件
結果
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オノマトペを使ったシナリオⅢのグループの調査直後のコミュニケーション満足度は、他の2グループより有意に高いことを確認しました。(図4)
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コミュニケーション方法において達成要件の数が多いグループほど、調査直後に「楽しかった」と回答した子どもの割合が高いことを確認しました。
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シナリオⅢのグループのうち、酸味が強いヨーグルトを苦手とする子どもの61%が調査サンプルをほぼ完食しました。(図5)
考察
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親がオノマトペを使った声掛けをしながら、子どもが主体的にヨーグルトのおやつを作り喫食するという簡単な方法が、親子のコミュニケーションの質向上に寄与することが示唆されました。
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オノマトペはリズミカルで声に出した時の楽しさがあり、ヨーグルトを器に移す、混ぜるといった動きとオノマトペ表現が合わさることが楽しさに結び付いたと考えられます。
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ヨーグルトを楽しく食べることによって、酸味が苦手な子どもの喫食量が増加していることから、プレーンヨーグルトが酸味を克服する機会を提供できることが示唆されました。
図4 調査直後のコミュニケーション満足度
図5 酸味が強いヨーグルトが苦手な子どもの喫食量
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※1参考:厚生労働省 平成16年2月「食を通じた子どもの健全育成(―いわゆる「食育」の視点からー)のあり方に関する検討会」報告書p.7-18
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※2「トロトロ」「もぐもぐ」などの擬音語・擬態語のことです。
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※3 参考:厚生労働省 平成16年2月「食を通じた子どもの健全育成(―いわゆる「食育」の視点からー)のあり方に関する検討会」報告書p.4
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※4参考:Andre Marette, Eliane Picard-Deland. American Journal of Clinical Nutrition,99(5):1243S-7S(2014)Yogurt consumption and impact on health: focus on children and cardiometabolic risk