齋藤経済産業大臣の閣議後記者会見の概要
2023年12月15日(金曜日)
10:54~11:04
於:本館10階記者会見室
冒頭発言
輸出貿易管理令等の改正
おはようございます。
初めに私から1点申し上げます。
ロシア連邦によるウクライナ侵略を受け、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、本日の閣議了解を踏まえ、制裁の迂回に関与した疑いのあるロシア連邦及びベラルーシ共和国以外の第三国に所在する特定団体への輸出等禁止措置に関する輸出貿易管理令の改正について閣議決定しました。
12月20日に公布、12月27日に施行します。
また、本日の閣議においてロシア連邦からの非工業用のダイヤモンドの輸入禁止措置の導入について閣議了解したことを踏まえ、告示を12月20日に改正、公布し、来年1月に施行します。
経済産業省としては、今後ともウクライナをめぐる情勢を注視しつつ、G7をはじめとする国際社会や関係省庁とも連携し、輸出入の禁止措置の実施に万全を期してまいります。
詳細は追って事務方から説明させたいと思います。
私からは以上です。
質疑応答
COP28
Q:COP28についてお伺いしたいと思います。
UAEのドバイで開催されていたCOP28ですが、この10年間で化石燃料からの脱却を加速させることを盛り込んだ成果文書を採択して閉幕しました。この実現には再生可能エネルギーや原子力などの一段の活用が必要となりますけれども、日本として化石燃料からの脱却をどのように進めていかれるお考えでしょうか。
A:まず、御案内のとおり我が国では2050年カーボンニュートラル実現、2030年度の2013年度比46%削減という国際公約を掲げています。その実現に向けて徹底した省エネや製造業の燃料転換に加えまして、再エネや原子力など脱炭素電源への転換を推進していまして、今回のCOP決定は我が国の方針と整合的なものであると考えています。
脱炭素電源の導入拡大を行うとともに、GX経済移行債を活用した20兆円規模の先行投資支援とカーボンプライシングなどの制度的措置を効果的に組み合わせて、今後10年間で150兆円超の官民GX投資を実現していきたいと考えています。こうした取組を通じて、化石燃料への過度な依存からの脱却を目指し、GXの実現に全力で取り組んでいきたいと考えております。
中国の日本産水産物輸入規制
Q:大臣は昨日会見でも福島にはいずれどこかのタイミングで伺いたいという話がありましたけれども、処理水の海洋放出を受けて中国による日本の水産物の輸入規制が続いています。日本はこれまで即時撤廃を求めてきておりますが、この問題について大臣のお考え、受け止めと今後具体的にどんなアプローチで対応されていくお考えがあるのかお聞かせください。
A:この処理水の問題につきましては、今年の8月に放出ということで、それに向けて様々な国際的な理解を得るために日本政府を挙げて取り組んできたところですが、残念ながら一部の国においてその理解が得られていない現状にあります。
したがいまして、科学的根拠に基づいた我々の判断について理解していただくように働きかけを続けていくということと、これによって被害を受ける方々、もちろん風評被害の防止もさることながら、現実に被害を受ける方々に対しては自分の責任でこのようになったわけではないわけですから、これは政府としてしっかりと御支援していかねばならないと考えています。
柏崎刈羽電子力発電所
Q:東京電力の柏崎刈羽原子力発電所についてお伺いします。
原子力規制委員会は年内にも柏崎刈羽原子力発電所に出している事実上の運転禁止命令を解除するかどうか判断する方針です。仮に解除された場合、いつまでに再稼働させるのか、目標時期についてお考えを教えてください。また、政府としては再稼働に向けて国が前面に立つとの方針をこれまでも示されていますが、今後どのような対応が必要になるのか、お考えを併せて教えてください。
A:東京電力柏崎刈羽原子力発電所については、一連の核物質防護事案を受けまして、原子力規制委員会による核物質防護に係る追加検査と原子力発電所を運転する適格性の確認が行われているところでありまして、残念ながら現時点で再稼働時期について予断を持ってお答えすることは差し控えなくてはならないと考えています。
また、経済産業省からは東京電力に対して規制委員会の検査に真摯に対応するよう、また核物質防護体制の再構築や地域からの信頼回復のために緊張感を持ってしっかりと対応するように繰り返し申し上げておりまして、引き続き全力を挙げて取り組んでもらいたいと考えています。
その上で、経済産業省としても安全確保を大前提として柏崎刈羽原子力発電所の必要性や意義について、新潟県などの立地自治体の関係者の理解と協力を得られるよう丁寧に説明をし続けていきたいと考えています。
大阪・関西万博
Q:万博についてお伺いいたします。
2025年の大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンの準備の遅れですとか、会場建設費などの関連用の増加も課題となっております。開幕まで500日を切った中で、今万博が置かれている状況は大臣としてどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、昨日総理の方から万博の対応に関して言及があったと御発言がございましたが、具体的にはどのような言及があったのか教えていただけますでしょうか。
以上です。
A:まず、具体的な言及については先方との関係もありますので、控えざるを得ないのですが、言及はありました。
最初の方の御質問ですが、大阪・関西万博はポストコロナの新たな世界や未来社会の風景感を示して、我が国のイノベーションの可能性を世界に発信していく場、私はそういう貴重な場であると考えておりまして、経済産業大臣として取り組んでいく非常に重要な任務の一つであると考えています。
もう御案内だと思いますが、海外パビリオンについて参加国が自前で建設する約60のタイプAのパビリオンについて、32か国が既に建設事業者を決定していますが、残りの参加国についても建設事業者を決定できるように引き続きマンツーマンでの個別伴走支援や施工環境の改善といった対策により準備を加速させていきたいと考えています。それに尽きるということですね。よろしくお願いします。
就任の意気込み
Q:昨日に引き続きになってしまって大変恐縮なのですけれども、今回大臣御就任に当たっての意気込みを再度お願いできないでしょうか。
A:御案内のとおり大変厳しい冷たい逆風の中での着任となりました。したがって、私自身に大臣になったという高揚感はありません。あるとすればこういう厳しい状況の中で重責を担うことになったという身の震えるような緊張感のみであります。しかも古巣の経済産業省ですので、しっかり仕事をしていきたいと思っています。
以上
最終更新日:2023年12月15日