水稲直播 安定生産に向けた栽培方法について検証データを発表

更新日: 2023年12月25日 /提供:ナイルワークス

- 北海道 空知スマート農業推進協議会にて -

株式会社ナイルワークス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小嶋 康弘、以下「ナイルワークス」)は、2023年11月15日(水)北海道岩見沢市民会館で開催された「令和5年度 第2回空知スマート農業推進協議会」に参加、北海道美唄市と共同で行ってきた水稲直播の生産を安定させる新しい栽培方法について、環境センサー・ドローンセンシング・画像解析による精密な検証データを発表しました。


北海道 空知総合振興局・美唄市との取組 - 地域活性化起業人


北海道空知総合振興局は、管内の営農体系に即したスマート農業の検証・普及を目的として、令和3年に「空知スマート農業推進協議会」を設置しました。本協議会は、空知管内の自治体やJA等により運営されるスマート農業の関係組織が参加し、先進事例や試験データの共有を行っています。ナイルワークスはその構成員である美唄市ICT農業推進協議会に参画し、実証試験の実施などを通して、スマート農業の推進に貢献しています。また、地域活性化起業人制度を活用し、美唄市へナイルワークス社員が出向しております。農業の現場に入り、自治体・地域の農家様と一体となってのスマート農業の活用による農業の効率化に貢献しています。


水稲の直播栽培のメリット・課題


水稲栽培には、苗を植える“移植栽培”と、種子を水田に直接まく“直播栽培”があります。日本では移植栽培が一般的ですが、直播栽培は、時間やコストのかかる”育苗”や”田植え”の作業を省くことができるため、経済性、作業効率性の観点で期待されています。しかし、直播栽培は苗を自然環境で育てるため、苗立ち(*1)の安定化に課題があります。ナイルワークスは、独自のドローンセンシングや画像解析AIを活用し、様々な環境下における水稲の生育初期状態を分析することで、高い苗立ち率を実現する方法を検証・提案しました。


直播栽培を安定させる水管理方法・検証データ概要


稲の発芽には、種籾の含水率(*2)が重要とされています。含水率は、種籾が浸かっている水の温度と時間で決定されますが、水田全域でそれを計測することは、これまで現実的ではありませんでした。ナイルワークスは、ドローンや水田センサーから計測したほ場の高低差、水位・水温のデータ分析により、適切な含水率(30%)に達する時間を推計することに成功しました。また、その後の苗立ちを独自ドローンセンシングと画像解析AIで検出・分析することで、適正な湛水時間(*3)を検証し、その実現のための具体的な水田の水管理方法を提案しました。提案した方法により、水稲直播の課題の一つである苗立ち率が高まり、収量の安定化に寄与することが期待されます。これらの結果を栽培方法として確立させて、自治体に提供することで、地域全体の生産性向上に貢献していく予定です。

【令和5年度第2回空知スマート農業推進協議会における発表資料はこちら】
https://prtimes.jp/a/?f=d28760-32-b4bbb9cccc1b749f44ec501ffc301c48.pdf


ナイルワークスが目指す農業


ナイルワークスは、持続可能な農業を実現するため、特に、作物栽培の経済性、環境負荷の改善を重要な課題として取り組んでいます。これらに対し、“適期・適量”の判断、つまり「生育フェーズの適切なタイミングで、適切な量の農業資材(肥料・農薬等)を投入、効果を最大化」することで、費用対効果を改善、同時に環境負荷の軽減を図ります。これを支える技術が、作物の生育シミュレータ(予測)と作物フェノタイピング(現状分析)からなるデジタルツインで、各パートナー様との連携、社会実装を進めています。


*1 苗立ち…種籾が苗程度の大きさまで生育すること
*2 含水率…種籾の水分含有率
*3 湛水時間…水田に水を張っている時間

【参考リンク】
・北海道 空知総合振興局HP(空知スマート農業推進室)
 https://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/num/sorachismart.html
・美唄市HP(スマート農業加速化プロジェクト)
 https://www.city.bibai.hokkaido.jp/soshiki/14/7249.html
・総務省HP(地域活性化起業人制度)
 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/bunken_kaikaku/02gyosei08_03100070.html


■会社概要

設立:2015年1月
所在地: 東京都千代田区神田錦町一丁目4番3号
代表者:代表取締役社長 小嶋 康弘
事業内容: 農業用ドローンの開発、製造、販売
デジタル農業・農業DXにおける技術開発、サービス提供
農作業マッチングサービスを提供
URL:https://www.nileworks.co.jp

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