グミの噛み応えと気分や感情の関係を確認 ソフトなグミは「リラックス」、ハードになるほど「覚醒感」~第24回日本感性工学会大会にて発表~
2022/09/28株式会社 明治(代表取締役社長:松田 克也)は、噛み応えが異なる3種類、2つの風味のグミを摂取した後の心理計測を実施し、グミの噛み応えと摂取後に想起される心理状態(感性)の関係を確認しました。噛み応えが弱いグミは「リラックス」、噛み応えが中程度のグミは「やる気がでる」、噛み応えが中程度~強いグミは「覚醒感」を想起しやすいことが示唆されました。
本研究成果は、2022年8月31日~9月2日に開催された「第24回日本感性工学会大会」にて発表しています。
当社は、これまでグミ特有の食感や風味に対して、噛み応えを測定するORAL-MAPS\オーラルマップス(R)※1の開発やグミ咀嚼条件における心理・生理測定など研究を続けてきました。今後も、「咀嚼」に着目した噛む力(咬合力)や唾液分泌などに関する研究を続け、お客さまの健康に貢献するグミがもつ新しい価値を創造してまいります。
発表内容の結果概要
20代から60代の健常成人70名を対象とし、噛み応えが異なる3種類、2つの風味のグミを摂取した後の心理計測試験を実施しました。試験食品(グミサンプル)は、同一形状・重量のブドウ味、およびコーラ味の噛み応えが弱いグミ※2(かみごたえチャート※31~2相当)、噛み応えが中程度のグミ※2(かみごたえチャート3~4相当)、噛み応えが強いグミ※2(かみごたえチャート5~相当)を使用しました。
その結果、試験食品の風味の違いに依存せず、噛み応えの違いが摂取後に想起される心理状態(感性)に関係することを確認しました。噛み応えが異なるグミサンプルと心理指標のVAS※4結果より、噛み応えが弱いグミは「リラックス」、噛み応えが中程度のグミは「やる気がでる」、噛み応えが中程度~強いグミは「覚醒感」を想起しやすいことが示唆されました。
※1学校法人日本医科大学の発明(特許第5062590号:発明者 小竹佐知子教授)のライセンス技術を使用しています。※2噛み応えは、咀嚼模擬装置ORAL-MAPS\オーラルマップス(R)を使用し測定しました。※3噛み心地を客観的な指標で判断できるようにするため、「人の感覚」「咀嚼中に受ける力」「噛みちぎりやすさ」の、3つの指標を総合的に評価し、グミの噛み応えを6段階(1~5+)に分けた当社独自の指標です。※4Visual Analog Scale:主観的な感覚量を評価する方法です。
発表内容
演題名
噛み応えの異なるグミがもつ感性価値の探索
方法
グミの噛み応えと気分や感情などの感性応答との関係を探索的に検討するため、20代から60代の健常成人70名を対象に、噛み応えが異なる3種類、2つの風味(ブドウ味、コーラ味)のグミに対して心理計測試験を実施しました。対象となる食品に対して、かたさや風味強度、リラックスややる気がでるなど(以下、感性指標と記す)を含む20種類の主観的感覚量※5について、VASを用いて計測を実施し解析しました。
結果および考察
本研究から、以下の結果が得られました。
①試験食品の風味の違いは、摂取後の感性指標において有意な差を示さなかった。
②試験食品の噛み応えの違いは、摂取後の感性指標において有意な差を示した(図1)。
噛み応えが異なるグミサンプルと感性指標VAS評価結果より、噛み応えが弱いグミは「リラックス」、噛み応えが中程度のグミは「やる気がでる」、噛み応えが中程度~強いグミは「頭がさえる」や「集中できそう」、「眠気防止になりそう」の評価が高かったことから「覚醒感」を想起しやすいことが示唆されました。
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図1. 感性指標VAS評価結果※6
※5「かたさの程度」や「おいしさ」などの食感・嗜好性に関する4項目、「甘味の強度」や「香りの強度」などの味覚強度に関する4項目、「リラックスする」や「やる気がでる」などの感性に関する12項目を評価しました。※6VAS評価結果は、2つの風味(ブドウ味、コーラ味)による差がなかったことから、2風味両方の結果の平均値を算出し、感性に関する12項目のうち、特徴的な5項目を掲載しています。
参考
グミや噛むことに関する情報を発信する「明治グミ 噛むラボ」Twitterアカウントを2022年8月に立ち上げました。グミや噛むことに関する情報をお客さまへわかりやすく伝えていきます。