「NIPPONIA」の取組みが「2026年度グッドデザイン賞」を受賞

掲載日: 2026年10月22日 /提供:NOTE

地域の暮らしを100年先へつなぐために。土地の歴史・文化を「保存」から「活用できる資産」へと転換するデザインと、全国30地域以上への展開実績が評価




株式会社NOTE(本社:兵庫県丹波篠山市、代表取締役:藤原岳史)が展開する、歴史文化資産を活用したまちづくり事業「NIPPONIA(ニッポニア)」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2026年度グッドデザイン賞」を受賞いたしました。2015年の事業開始から10周年という節目において、一地域から始まった取り組みを全国へ広げ、持続可能な地域社会の仕組みとして定着させてきたこれまでの歩みと成果が高く評価されました。

NIPPONIAは、2015年に兵庫県丹波篠山市で産声を上げた、歴史文化を軸とするまちづくり事業です。近代化や人口減少により失われつつある土地に根ざした暮らしを守るため、「なつかしくて、あたらしい、日本の暮らしをつくる。」をビジョンに掲げ、古民家等の歴史的建築物を当時の姿を尊重しながら宿泊施設や店舗として再生。地域ごとに「まちづくり会社」を新設することで、地域住民や地元事業者が主体となって経済が循環する自律的な仕組みを構築してきました。
審査においては、これまで両立が難しかった「文化継承」と「地域経済」を重ね合わせ、10年にわたり全国へ波及させてきた実行力と弛まぬ歩みが、日本の多くの地域に影響を与えるとして高く評価されました。

各地域の皆様と一緒にNIPPONIA事業は歩んできました。(左:熊本県甲佐町メンバー 右:京都府南丹市メンバー)


■ 審査委員による評価コメント(全文)
「古民家という地域に眠る文化的価値の高い建築物を、保存ではなく、活用できる資産とした、その視点の転換と、地域文化に敬意を払ったデザイン及び改修の姿勢。また、地域ごとに「まちづくり会社」を新設し、単体の事業に閉じず、地域が主体となる工夫がなされている。文化継承と地域経済という、大きな課題を重ね合わせて、取り組んでこられた長年にわたる弛まぬ歩みは、日本の多くの地域に波及し、また影響を与えている。」

■ 受賞対象「NIPPONIA」のデザインにおける3つの特徴
1. 制度の壁を越えた実行力と全国への波及
2015年に開業したフラッグシップ「篠山城下町ホテル NIPPONIA」では、国家戦略特区の規制緩和を活用し、まち全体に客室を点在させる「分散型ホテル」を実現。2018年の改正旅館業法の施行にあわせて、日本初の分散型ホテルとして営業許可を取得しました。現在では全国22道府県・30地域以上で200棟を超える歴史的建築物を再生。分散型宿泊施設のモデルを各地に広げ、点から面へと広がる地域デザインを実践しています。
2. 地域が主体となる「まちづくり会社」の設立スキーム
地域の外から一方的に開発するのではなく、地域ごとに自治体、地域金融機関、住民らとともに「まちづくり会社」を新設。設計士、工務店、運営者などを可能な限り地域内の担い手で構成することで、利益とノウハウが地域内に蓄積・循環する自律的な仕組みを構築しています。
3. 歴史的建築物を「保存対象」から「活用できる資産」へと視点を転換
維持の負担が重く、空き家のまま放置されがちだった歴史的建築物を、「建てられた当時の姿を尊重し、必要以上に手を加えない」改修方法により宿や店舗として再生。年月を経た建物の風合いを残しながら現代の快適性を備えることで、空間そのものが地域の歴史を語り継ぐデザインを実践しています。歴史的建築物の事業価値を示すことで民間の投融資を呼び込み、補助金に過度に依存しない自立した事業モデルを確立しました。

■ 代表取締役 藤原岳史 コメント
2009年の創業以来、地域固有の暮らし文化を未来へつなぐまちづくりに取り組み、多種多様な事業に挑戦してきました。その一つが、限界集落に残る古民家再生プロジェクトです。
創業から6年の歩みを経て、2015年、兵庫県丹波篠山市で「NIPPONIA」として始まったこの取組は、昨年で10周年を迎え、現在では全国30地域以上へと広がりました。この節目に、私たちが積み重ねてきた実践を社会に問い直したいという思いから、グッドデザイン賞に応募いたしました。
このたび、このような栄誉ある賞をいただけたことを、大変光栄に思います。

「まちづくり」は、一言で語れるものではありません。無償の支え合いによって成り立つ活動もあれば、継続のために事業として成立させるべき取組もあります。私たちは、そうした支え合いの大切さを尊重しながら、担い手の善意や献身だけに頼ることなく、地域の価値を守り育てられる事業の仕組みを模索してきました。その一つが、かつて負の遺産と見なされることもあった古民家の再生です。
私たちは、その土地で先人たちが紡いできた暮らし文化を「宝」、すなわち地域資源として捉え直し、新たな生業を生み出す事業へと編集・実装してきました。大切なのは、それを一過性の観光消費で終わらせず、生まれた利益を文化の継承や地域の新たな挑戦へと還元することです。文化が経済を育み、その経済が再び文化を育む。形を変えながら価値が巡り、地域の力が更新され続けるこの営みを、私たちは「巡環」と呼んでいます。100年先にも続く地域の生業と誇りを、この「巡環」によって育てていくこと。それがNIPPONIAの目指すまちづくりです。

今回の受賞は、決して当社だけでいただいたものではありません。「NIPPONIA」というビジョンに共感し、全国各地でリスクを引き受けながら地域のために立ち上がってくださった50社以上のまちづくり会社の皆様をはじめ、自治体、金融機関、運営事業者、地域住民の皆様、そして「一日からの村人」として地域を訪れてくださる皆様とともにいただいた賞だと考えています。
一つひとつの施設や地域の再生は、大切な一歩です。しかし、その成果を個別の成功にとどめていては、日本各地で進む地域衰退の流れを変えるには至りません。だからこそ私は、一つの施設という「点」ではなく、各地の実践がつながる「面」としての広がりを築いてから、この賞に挑戦したいと考えていました。10年にわたる歩みを経て、30を超える地域の皆様とともに今回の受賞を迎えられたことに、かけがえのない価値を感じています。
NIPPONIAという名称には、一度は日本の野生から姿を消しながら、再び空を舞うようになったトキ(学名:Nipponia nippon)への思いを重ねています。
日本各地に息づく豊かな暮らし文化を次世代へ受け継ぐため、これからも地域の皆様ともに、文化と生業が互いを育む「巡環」をつくる挑戦を続けてまいります。


■ 今後の展望:開発・運営・金融の「三位一体」による支援加速
NIPPONIAでは、事業のさらなる持続可能性を高めるため、2026年よりNIPPONIA事業によって開発した宿泊施設の運営を手掛ける「NIPPONIAオペレーションズ株式会社(NOP)」、開発のための資金調達を担う「NIPPONIAコモンズパートナーズ株式会社(NCP)」と、開発を担う株式会社NOTEの3社による連携体制を構築しました。人口減少時代において地域の暮らしを守り続けるため、3社が一体となって、各地域への伴走支援をより強固かつ迅速に進めてまいります。

■ NIPPONIAの実績(2026年時点)
- 展開規模: 全国22道府県 30地域以上(※開発中含む)
- 再生した歴史的建築物: 200棟以上(宿泊施設、飲食店、店舗等)
- 地域への累計投資総額: 80億円超※これまで開業した全ての地域を対象とした民間投資・公的投資の合計
- 設立に関わったまちづくり会社: 50社以上※開業前の地域なども含む

■ 受賞概要
受賞対象名: 歴史文化資産を活用した地域再生の取組み
グッドデザイン賞 受賞紹介ページ:https://www.g-mark.org/gallery/winners/36084?years=2026

■ グッドデザイン賞とは


1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに親しまれてきた日本を代表するデザインの評価・表彰の制度です。製品や建築だけでなく、システムや地域活動などかたちのある無しにかかわらず、人が理想や目的のために築いたものごとをデザインとして捉えています。デザインの優劣を競うのではなく、社会課題の解決や新たな価値を「発見」し、社会と「共有」することで、次なる「創造」へ繋げる仕組みです。
(公式サイト:https://www.g-mark.org/)




■ 株式会社NOTEについて
- 会社名: 株式会社NOTE
- 所在地: 兵庫県丹波篠山市二階町18番地1
- 設立: 2016年5月(創業:2009年2月)
- 代表者: 代表取締役 藤原 岳史
- 資本金及び資本準備金: 1億円
- 事業内容: まちづくり開発事業(事業計画策定、資金調達、建築設計監理、エリアマネジメント等)
- コーポレートサイト: https://plus-note.jp/
- NIPPONIA公式サイト: https://team.nipponia.or.jp/


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