2023年の酒税改正後、追跡した新ジャンルユーザーの46%は利用頻度が半減。食中飲料はビールと麦茶の構成比が上昇

掲載日: 2026年09月29日 /提供:ライフスケープマーケティング

2026年10月のビール系飲料の税率一本化を前に、同一モニターの夕食時の飲料変化を分析

株式会社ライフスケープマーケティング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:上田健司)は、首都圏30km圏に居住する有配偶世帯を対象とした食卓マーケティングデータ「食MAP(R)」を用いて、2023年10月の酒税改正前後における夕食時の飲料選択の変化を分析しました。
調査結果のポイント
- 夕食時の新ジャンル(第3のビール)構成比は、2019年の43%から2025年には24%へ低下
- 2023年の酒税改正後、新ジャンルユーザーの46%が利用を半減
- 利用半減者では、ビールが10%から14%、麦茶が15%から23%へ上昇
- アルコール飲料全体の構成比は47%から34%へ低下

2026年10月、ビール系飲料の酒税率が一本化
2026年10月、ビール系飲料の酒税率は350ml換算54.25円に一本化されます。現行税率との比較ではビールは減税となる一方、発泡酒・新ジャンル相当は増税となります。また、チューハイなどの「その他の発泡性酒類」に加え、低アルコール分の蒸留酒類・リキュールに適用される特例税率も引き上げられる予定です。
今回の分析では、酒税改正前後でビール類やRTDの構成がどのように変化してきたのかを確認するとともに、前回の改正にあたる2023年10月の酒税改正前後で、同じ新ジャンルユーザーの夕食時の飲料選択を追跡しました。
※酒税改正の内容:財務省「酒税に関する資料」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d08.htm
新ジャンルが縮小し、RTDとノンアルが拡大



各年10月を起点に、夕食時に飲用されたビール類、RTD、ノンアルコール飲料の構成比を集計したところ、新ジャンルは2019年の43%から2025年には24%へ低下しました。
一方、RTDは24%から32%へ上昇し、2025年には図表に示す5カテゴリーの中で最大の構成比となりました。ビールは2024年に30%まで上昇したものの、2025年には26%となっています。また、ノンアルコール飲料も2019年の6%から2025年には10%へ拡大しました。

長期的には、新ジャンルの縮小とRTD、ノンアルコール飲料の拡大が進み、夕食時の飲料構成が大きく変化しています。なかでも変化が目立ったのが、2023年10月の酒税改正です。新ジャンルの構成比が前年の39%から33%へ低下する一方、RTDは21%から26%へ上昇しました。

ただし、全体の構成比だけでは、同じ生活者が新ジャンルから別の飲料へ切り替えたのか、それともユーザーそのものが入れ替わったのかまでは分かりません。
そこで、2023年10月の酒税改正を挟む前年同期比較により、同じ新ジャンルユーザーの夕食時の飲料選択を追跡しました。
酒税改正後、新ジャンルユーザーの46%が利用半減



2022年10~12月に新ジャンルを飲用し、翌年まで継続して調査に参加したモニター110名について、2023年10~12月の新ジャンル夕食TI値を前年同期と比較しました。
その結果、追跡対象とした新ジャンルユーザーのうち、夕食時の新ジャンル利用頻度が前年同期の半分未満となったモニターは46%にのぼりました。完全に利用しなくなった人を含め、半数近くが新ジャンルの利用を大幅に減らしたことになります。
また、前年同期比50~89%となった層を合わせると、前年同期の90%未満となったモニターは63%でした。一方、利用が前年同期比110%以上に増加したモニターも27%存在しています。90~109%の横ばい層は10%にとどまり、酒税改正後の利用状況は、大きく減らす層と増やす層に分かれました。

2023年の酒税改正では、新ジャンルの酒税が引き上げられ、ビールとの税率差が縮小しました。
商品価格や品ぞろえなど複数の要因があるため、今回の変化をすべて酒税改正の影響とすることはできません。ただし、同じ季節の同一モニターを比較しても、新ジャンルの選択が大きく動いたことが分かります。
新ジャンル利用大幅減少者では、ビールと麦茶の構成比が上昇
次に、新ジャンルの利用が前年同期の50%未満となった51名について、夕食時の飲料構成を改正前後で比較しました。



改正前の2022年10~12月には、新ジャンルが食中飲料全体の13%を占めていましたが、改正後の2023年10~12月には3%まで低下しました。
一方、ビールは10%から14%へ、麦茶は15%から23%へ上昇しています。
また、アルコール飲料全体の構成比は47%から34%へ低下し、非アルコール飲料は53%から66%へ上昇しました。

新ジャンルの利用減少は、単純にビールへの切り替えだけでは説明できませんでした。
酒類の中ではビールを選ぶ動きがみられる一方、酒類を飲まず、麦茶を選ぶ食卓も増加しています。
この結果からは、「飲む日はビール」「飲まない日は麦茶」というメリハリのある飲料選択が生じている可能性もうかがえます。酒税改正後の食卓では、飲料カテゴリーの移行とともに、飲酒機会そのものの選別が進んだ可能性があります。
ただし、本分析は対象モニター全体の飲料構成の変化を示したものであり、個々の新ジャンル飲用機会が、そのままビールや麦茶に置き換わったことを示すものではありません。
2026年10月の酒税改正を見据え、食中飲料の競争は酒類の外にも
2023年の酒税改正後、新ジャンルの利用を大幅に減らしたユーザーでは、酒類の中でビールを選ぶ動きと、飲酒せず麦茶を選ぶ動きの双方がみられました。
2026年10月の酒税改正後も、酒類間のシェアが変化するだけでなく、生活者による飲酒機会そのものの選別が進む可能性があります。
酒類にとっての競合は、他の酒類だけとは限りません。夕食時には、麦茶などの非アルコール飲料も同じ食中飲料の選択肢となります。
税率が一本化されるなか、価格だけでなく、食中飲料として「どのような場面で選ばれるか」を明確にすることが、これまで以上に重要になりそうです。


食MAP(R)は首都圏30km圏における有配偶世帯(主婦20~72歳)に属する家族個人(男女0歳以上)、および単身世帯(男女20~77歳)を対象とした食卓調査のマーケティング情報基盤です。
“365日”毎日の食卓を構成するメニューや食材、さらに商品(JANトラッキング)の利用状況、家庭内のストック状況、生活者の食意識やその日の気持ちなど、食に関連した調査・分析を行っています。



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