2026年9月2日、東京ミッドタウン八重洲で開催された「POTLUCK AWARD 2026」(主催:三井不動産株式会社/NewsPicks Re:gion)の最終審査会において、長門湯本温泉(山口県長門市)の元湯「恩湯(おんとう)」の再生に関する取り組みが、準グランプリを受賞しました。
受賞した取り組みは「長門湯本の元湯 恩湯再生 ― 地域固有のパブリックな生活文化づくりへ」。恩湯は、老朽化と赤字により存続が危ぶまれていた公営の外湯を、地元有志が設立した長門湯守株式会社が民設民営で建て替え、2020年3月に再開業したものです。

2026年9月2日、東京ミッドタウン八重洲で開かれた「POTLUCK AWARD 2026」授賞式
受賞の概要
本アワードには全国から200件を超えるプロジェクトが応募し、書類による一次審査を通過した13組が最終審査会でプレゼンテーションを行いました。長門湯守株式会社から大谷和弘共同代表が登壇しました。●グランプリ/satoyado くぼつ(高知県土佐清水市窪津)
●準グランプリ/長門湯本の元湯 恩湯再生 ― 地域固有のパブリックな生活文化づくりへ(長門湯守株式会社・山口県長門市)
●オーディエンス賞/たわわ(静岡県掛川市)
最終審査は、石元玲氏(株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ 取締役)、木下斉氏(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事)、小原嘉元氏(和多屋別荘 代表取締役)、島田由香氏(一般社団法人日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事/株式会社YeeY 共同創業者・代表取締役)、林千晶氏(株式会社Q0 代表取締役社長)の5名が務めました。
POTLUCK AWARD は2024年に始まり、今回で3回目の開催です。過去2回のグランプリ・準グランプリの受賞者に、山口県および温泉地からの選出はありません。
取り組みの概要
長門湯本温泉の元湯「恩湯」は、公営で運営されていた当時、老朽化に加えて慢性的な赤字を抱えていました。長門市の「湯本温泉事業特別会計経営戦略」(令和3年3月策定)は、当時の温泉事業について「年間6千万円程度の赤字(一般財源による補てん)が続いていた」と記しています。この状況に対し、地元の旅館後継者や事業者ら4名が2018年に長門湯守株式会社を設立。大寧寺、地域、旅館、金融機関、行政など多様な関係者の参画と協力を得ながら、温泉街全体の面的な再生とあわせて外湯を民間で建て替えるという前例の少ない方法で、2020年3月に恩湯を再開業しました。
再開業後、恩湯の事業は2024年度より2年連続で単年度黒字化を達成しています。また、20年近く新規出店が途絶えていた温泉街には、17以上の店舗・事業が新たに生まれました。恩湯は地元小学校の学習の場にもなっており、温泉が地域の経済と生活文化の双方を支える存在へと変わりつつあります。
あわせて、大浴場を設けず「まちの湯」である恩湯を利用する宿「SOIL Nagatoyumoto」との連携、献湯式の復活、子ども湯道教室など、温泉を地域の文化として次の世代へつなぐ取り組みも進めています。

最終審査会で発表する長門湯守株式会社 大谷和弘共同代表

恩湯の浴室。湯船の先に自然湧出の泉源が広がる
受賞コメント
長門湯守株式会社 大谷和弘 共同代表この受賞は、恩湯という一つの施設に対するものではないと受け止めています。室町期より、湯を守り、湯とともに暮らしを営んできた長門湯本という「場所」そのものが評価されたのだと思います。
恩湯の建て替えは、私たちだけでできることではありませんでした。泉源を今日まで守ってこられた大寧寺の皆さま、慣れ親しんだ湯が工事で使えなくなる期間を受け入れてくださった地域の皆さま、まちの将来に一緒に頭を悩ませてくださった長門市と金融機関の皆さま、そして再開業してからの毎日を支えてくださっている温泉街の事業者の皆さま。多くの方の理解と忍耐の上に、今の恩湯があります。あらためて御礼を申し上げます。
温泉街に新しい店が一軒ずつ増え、川沿いをそぞろ歩く人、そして、恩湯に入ってくれる子どもたちの姿が、少しずつ戻ってきました。ここから先も、この場所らしい暮らしの風景を、地域の皆さまとともに育ててまいります。
「POTLUCK AWARD」について
三井不動産株式会社とNewsPicks Re:gionが主催する地域経済創発プロジェクト「POTLUCK YAESU」の一環として実施されるプログラム。各地域で価値創出に挑むプレイヤーを表彰し、地域や分野を越えたつながりによってその挑戦を後押しすることを目的としています。2024年の初開催から数えて、今回で3回目となります。公式サイト:https://award.potluck-yaesu.com/
長門湯本温泉「恩湯」について
山口県長門市の長門湯本温泉にある立ち寄り湯。およそ600年前、大寧寺の禅僧が住吉大明神のお告げによって発見した「神授の湯」と伝えられ、山口県最古といわれる温泉です。泉源は今日も大寧寺が所有しています。長く公営の公衆浴場として親しまれてきましたが、2020年、地域の事業者を中心としたプロジェクトにより民設民営で建て替えられ、音信川沿いに新たな湯の空間として生まれ変わりました。2023年度には湯道文化振興会「湯道文化賞」を受賞しています。公式サイト:https://onto.jp/
会社概要

■山口県長門市の概要
本州の最西北端、山口県の西北部に位置する長門市。東は萩市、南は下関市、美祢市に接し、北側には北長門海岸国定公園に指定される美しい日本海の風景が広がっています。日本海沿岸一帯の豊かな漁場では、古くから捕鯨や漁業が盛んに行われ、多くの漁港が点在しています。北長門海岸国定公園に指定される海岸線では、日本海の荒波に浸食された岩と白い砂浜が出入りし、変化に富んだ雄大な自然景観を生み出しています。中でも紺碧の海上に奇岩怪石が連なる海上アルプス「青海島」、遥か日本海を展望できる「千畳敷」、海に浮かぶ「棚田」のシルエット、本州最西北端に突き出した「川尻岬」の緑青色の海などは、訪れる人々を魅了します。

通くじら祭り

青海島

千畳敷

東後畑棚田
また、長門市は温泉に恵まれ、風情も効能も異なる5つの温泉郷があります。清流にホタルが舞いカジカの声が響く「長門湯本温泉」、山間の湯治場「俵山温泉」、長閑に効能を楽しむ「湯免温泉」、美しい海を臨む「黄波戸温泉」や「油谷湾温泉」があり、多くの人が訪れています。

長門湯本温泉「竹林の階段」

長門湯本温泉「音信川」

俵山温泉

油谷湾温泉
一方、いのちと心を大切にした童謡詩人「金子みすゞ」、シベリヤ・シリーズで知られる画家「香月泰男」、長門出生伝承の残る劇作家「近松門左衛門」といった人たちの存在は、長門の文化を深く魅力あるものにしてくれます。歴史の舞台では大内氏終焉の地として語り継がれ、楊貴妃伝説など浪漫溢れる物語も数多くあります。
本件に関するお問い合わせ
長門湯守株式会社 広報担当 佐々木真美
TEL 0837-25-4100
MAIL info@onto.jp
その他関連サイト
長門市ホームぺージ
https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/
山口県長門市観光サイト「ななび」
https://nanavi.jp/









