プレスリリース
国産米の無機ヒ素の含有実態調査(平成29年~令和元年産)の結果について
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令和4年2月16日
農林水産省
農林水産省は、国産米における無機ヒ素濃度低減対策の導入に向けて、引き続き、国産米の無機ヒ素濃度の含有実態を把握するとともに、各生産地域に適した低減技術の確立と普及に取り組みます。
1.調査の目的
農林水産省は、リスク管理措置を検討する際の基礎データとするため、「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング年次計画」に基づき、国産農産物中ヒ素の含有実態を調査しています。平成29年~令和元年産の国産玄米及び玄米をとう精※して得られた精米を対象とした無機ヒ素の含有実態調査の結果を取りまとめました。※とう精とは玄米のぬかを除いて精米にすること
2.調査結果の概要
平成29年~令和元年産の国産玄米(1,500点)及び平成29年~平成30年産の玄米をとう精して得られた精米(1,000点)に含まれる無機ヒ素濃度を調査しました。調査試料は、全国の国産米の集出荷施設等において、地域の水稲作付面積に応じた点数を採取しました。その結果、玄米の無機ヒ素濃度の中央値は0.15 mg/kgであり、過去の調査結果と同程度でした。
調査対象 | 調査点数 | 無機ヒ素濃度(mg/kg) | |||
中央値 | 平均値 | 最大値 | |||
玄米 | 平成29年産 | 500 | 0.14 | 0.15 | 0.38 |
平成30年産 | 500 | 0.14 | 0.15 | 0.37 | |
令和元年産 | 500 | 0.16 | 0.17 | 0.60 | |
平成29年~ 令和元年産 計 | 1,500 | 0.15 | 0.16 | 0.60 | |
精米 | 平成29年産 | 500 | 0.08 | 0.092 | 0.26 |
平成30年産 | 500 | 0.10 | 0.098 | 0.25 | |
平成29年~ 平成30年産 計 | 1,000 | 0.09 | 0.095 | 0.26 |
さらに、玄米と精米の無機ヒ素濃度を比較した結果、玄米と精米の濃度比率は、中央値が64%であり、精米は玄米よりも低い値を示しました。
調査点数 | 玄米の無機ヒ素濃度に対する 精米の無機ヒ素濃度の比率 | |||
最小値 (%) | 中央値 (%) | 平均値 (%) | 最大値 (%) | |
1,000 | 38 | 64 | 63 | 86 |
(玄米の無機ヒ素濃度に対する精米の無機ヒ素濃度の比率)(%)
=(精米の無機ヒ素濃度)/(玄米の無機ヒ素濃度)× 100
3.今後の対応
農林水産省は、国産米における無機ヒ素濃度低減対策の導入に向けて、引き続き、含有実態を把握するとともに、各生産地域に適した低減技術の確立と普及に取り組みます。(参考)食品中のヒ素
ヒ素は、火山活動等の自然現象や産業活動に伴って環境中に放出され、土壌や水といった環境中に広く存在しています。このため、様々な食品や飲料水は、低濃度のヒ素を含んでいます。また、農産物の中ではコメが他の農産物よりもヒ素濃度が高いことが分かっています。食品からのヒ素の摂取に関しては、内閣府食品安全委員会は、「日本人が食品を通じて摂取するヒ素の現状に問題があるとは考えていない」、ただし、「一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要」としています。
その一方で、ヒ素のように意図せず食品に含まれる有害化学物質については、食品の生産から消費までの過程において適切な対策を行い、その濃度を低減していくことが重要です。これは、国際食品規格の策定等を行う国際機関であるコーデックス委員会において合意された考え方です。
関連情報
・食品中のヒ素に関する情報https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/index.html
・「平成24年度 国産玄米及び精米中のヒ素の含有実態調査」の結果について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/attach/pdf/occurrence-1.pdf(496KB)
・コメ中ヒ素の低減対策の確立に向けた手引き
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/As_tebiki.pdf(2,228KB)
・食品中のヒ素に係る食品健康影響評価及び食品中のヒ素に関するQ&A
(食品安全委員会)
https://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya2009031900k[外部リンク]
添付資料
別紙 国産米の無機ヒ素の含有実態調査の結果について(平成29年~令和元年産)(PDF : 771KB)お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課
担当者:土壌汚染防止班 三浦、山川、小嶋、野際
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306