スケソウダラ操業のための資産譲受けに関するお知らせ

掲載日: 2022年02月02日 /提供:マルハニチロ


2022 年2月2日
マルハニチロ株式会社

スケソウダラ操業のための資産譲受けに関するお知らせ

当社は、当社の連結子会社である Maruha Capital Investment Inc.(以下「MCII 社」)とWestward Seafoods Inc.(以下「WSI 社」)が Icicle Seafoods Inc.(以下「Icicle 社」)からスケソウダラ操業のための資産を譲り受けましたので、下記のとおりお知らせいたします。

なお、本件は、東京証券取引所における適時開示基準に該当しないため、開示事項・内容を一部省略して開示しております。

1.譲受けの内容

WSI 社が Icicle 社から加工施設を譲り受けるとともに、MCII 社と現地パートナーとが新設する漁船保有会社が Icicle 社から助宗漁獲枠付き漁船9隻を譲り受けました。

なお、譲受金額は、Icicle 社との守秘義務契約により非開示といたします。

2.経緯・理由

ベーリング海のスケソウダラ事業は、米国漁業法により漁船が漁獲枠を保有する形態となっており、その漁獲枠も陸上枠、母船枠、工船枠の3つに分けられています(参考資料シート 6 参照)。このうち、WSI 社のように陸上加工工場を保有している会社は、陸上枠をもつ漁船からの水揚げが必要となります。

本件譲受けにより、陸上枠へのアクセスシェアは 31%から 41%まで増加し、陸上事業としてはシェアトップとなります(参考資料シート 6 参照)。

漁獲枠については、米国漁業法の外資規制により、MCII 社から漁船保有会社への出資は 25%を超えることはできませんが、75%出資の現地パートナーとともに漁船保有会社を新設して、その会社が漁獲枠付き漁船を譲り受け、MCII 社グループ工場に水揚げすることによって、より多くの漁獲枠を利用できるようになります。

漁獲枠のように天然水産資源に関与できる権益は、世界的に限られたもので、新たな取得には相当な困難が伴います。今回のアクセスシェアの追加は、ベーリング海という世界三大漁場のひとつの海域で、スケソウダラという潤沢な資源量を持ち、かつサステナブルな魚種にアクセスすること、そして、その機会の希少性を考慮すれば、同等以上の権益の取得は当面非現実的であろうと認識しております(参考資料シート 7 参照)。需要面では、人口増加、健康志向、環境配慮等から世界的に需要は堅調で、フィレやすりみ等、様々な形態で、その需要に応えることが可能となります(参考資料シート 4,5 参照)。

また、譲り受ける加工施設は MCII 社傘下の既存2工場と近接しており、その運営には大きな追加コストは伴いません。スケソウダラ以外の魚種の加工も含め、合計3工場の生産機能の適正配置を行い、生産効率のさらなる向上に努めてまいります。

なお、現地パートナーは、Community Development Quota(地域開発枠、以下「CDQ」)ⅰに属する組織であり、本件譲受けのスキームは、当該 CDQ の組織と協力して漁業資源にアクセスするものであります。今回得られる漁獲枠は CDQ ではない一般枠ですが、その漁獲物から得られる価値は、当該現地パートナーを通じて地元コミュニティへも残されることとなります。 当社グループは、2020 年 11 月 2 日に公表いたしました「子会社における事業譲渡に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、同年 12 月に、数年にわたって不採算が続いていた北米の鮭鱒加工事業から撤退いたしました。今般のスケソウダラ事業の資産取得により、北米の水産加工事業のアセットの入れ替えが完了し、今後は、スケソウダラを当社グループの北米事業の主体と位置づけ、経営資源を集約してまいります。

世界的な人口増加が今後も継続する中、発展途上国等での食文化の向上も加わり、タンパク質の需要は人口増加以上に伸びると予測されています。

水産物の需要も同様に、長期的に大きく拡大することが見込まれますが、その中でも、スケソウダラは、天然魚としてはペルーアンチョビーに次ぐ漁獲量(2019 年)があり、ベーリング海を共有する米国とロシアが、世界の供給をほぼ二分しています(参考資料シート 2,3 参照)。アラスカのスケソウダラ漁業は、持続的な管理漁業として長らく実績を積み重ねており、現在、世界で最も規模の大きな「サステナブル認証」漁業です(参考資料シート 8,9,10 参照)。他の水産資源より比較的安価で大量に市場へ供給することができる持続供給可能なタンパク源として、人類にとって益々重要になると予測されます。

3.相手先の概要

(1) 名称 Icicle Seafoods Inc.
(2) 所在地 アメリカ合衆国ワシントン州シアトル
(3) 代表者の役職・氏名 社長 Glenn Cooke
(4) 事業内容 水産物加工販売
(5) 設立 1965 年 1 月
(6) 大株主及び持株比率 Cooke Seafood USA Inc. 100%
(7) 上場会社と 当 該 会 社 の 関 係
資 本 関 係 該当事項はありません
人 的 関 係 該当事項はありません
取 引 関 係 該当事項はありません
関連当事者への 該 当 状 況
該当事項はありません

4.スケジュール

2021 年 12 月 20 日 取締役会決議日
2022 年1月中 漁権他名義変更確認後、決済を完了し、クロージング
2022 年1月 20 日 スケソウダラ漁 A シーズンⅱ開始

5.業績に与える影響

2022 年3月期の連結業績に与える影響は軽微でありますが、来期以降につきましては、当社の連結業績に寄与する見込みであり、適切に業績予想へ反映させた上で開示いたします。

以上

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/news_center/news_topics/20220202_JP_sukesoudara_notice_1.pdf

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