
持続可能な農業へのシフトを加速する株式会社トクイテン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:豊吉隆一郎、以下「トクイテン」)は、2026年5月25日、愛知県知多市の自社農場にて、自社開発の吸引式ミニトマト収穫ロボットの実証フェーズを完了し、栽培スタッフが日常業務としてロボットを稼働させる生産体制へ移行しました。実圃場において栽培スタッフが継続的に運用する収穫ロボットの取り組みとして、国内でも先進的な事例となります。

背景
国内の基幹的農業従事者は2025年時点で約102万人と、2000年の約240万人から半数以下に減少し、平均年齢は67.7歳に達しています。*1 トマト栽培では、収穫・選果作業が栽培管理全体の労働時間の中でも大きな割合を占め、人手不足の影響を受けやすい工程です。特にミニトマトは果実が小さく収穫頻度が高いため、1株あたりの収穫回数が多く、作業負担が大きい作物です。
国内外で、施設園芸における果菜類収穫ロボットの研究開発は活発に進められていますが、多くは研究・実証段階にあり、実際の生産現場で栽培スタッフが日常的に運用している事例はまだ限定的です。
トクイテンは2023年に現行の吸引式収穫ロボットの開発を開始し、約3年間にわたり実証と改良を重ねてきました。開発チームによる継続的な改善を経て、2026年4月には1台で1日31kgのミニトマト自動収穫を達成しました。ロボットが収穫したミニトマトは、社内評価において手作業収穫と同水準の品質を確認しており、通常どおり出荷しています。こうした実績を踏まえ、栽培スタッフが日常業務として運用する体制へ移行しました。
自動収穫の仕組み
収穫ロボットは、通常の収穫作業日の前日となる火曜・木曜の夕方から稼働します。栽培スタッフが作業終了後にロボットを起動すると、ロボットは約5時間かけて農場内の通路を自動巡回し、収穫適期を迎えたミニトマトを収穫します。翌朝、スタッフが収穫済みのミニトマトを回収し、選果・出荷を行います。
稼働頻度:週2回(火・木)
1回の収穫量:人間の収穫者1名分の約半分
稼働時間:約5時間
https://www.youtube.com/watch?v=22_1yfhk-sY
技術の特徴
トクイテンの収穫ロボットは、独自の「吸引式収穫」を核としています。自社で栽培する品種の果柄特性を活かし、弱い吸引力で果実を傷つけずにヘタから分離して収穫する仕組みで、収穫機構に関する特許を取得しています。カメラ映像をもとにAIが果実の熟度を判定し、収穫適期を迎えたミニトマトを収穫します。
ロボットは、畝間に敷設したレール上を自動走行します。通路間の移動時には、全方位に移動可能なホイールを用いてレール間を移動することで、農場内を自律的に巡回します。
共同実証パートナーの募集
自社農場での実運用開始にあわせて、大規模ミニトマト農場における共同実証パートナーの募集を開始します。自社農場で構築してきた収穫ロボットの運用体制を、異なる栽培環境や品種条件へ展開し、実運用を通じて収穫性能や運用効率のさらなる向上を目指します。
対象
・ミニトマトの施設栽培を行う大規模農場を運営する企業・生産者
・収穫作業の省力化に課題をお持ちの方
ご関心をお持ちの方は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。
お問い合わせフォーム
今後の展望
現在、農林水産省のSBIR事業に採択され、愛知県知多市に1ha規模の新農場の建設を進めています。2027年3月の完成を予定しており、新農場では6台の収穫ロボットを導入し、農場全体における収穫作業のさらなる自動化を目指しています。あわせて、葉かき・芽かきなど収穫以外の農作業の自動化や、カーボンニュートラル型施設園芸の実証にも取り組みます。
代表取締役 豊吉隆一郎 コメント
「今回、私たちのロボットが運用フェーズに入り、とても嬉しいです。ミニトマトの収穫ロボットから農業の自動化をするという創業時の目標を一つ達成しました。個人的には、学生の頃に『いつか役に立つロボットを作りたい』と思っていた夢がかなったと言ってもいいかもしれません。世界でも実運用できているミニトマトの収穫ロボットというのは少なく、世界一の性能も見えてきました。
2027年に予定している新農場では、この取り組みをさらに広げ、多数の収穫ロボットがミニトマトの生産を支える農場づくりに挑戦します。トクイテンらしく、農業のおもしろさと技術の力を組み合わせながら、これからの有機農業の新しい姿をつくっていきます。
ここまで来られたのは、農場で栽培に向き合うスタッフと、粘り強く改善を重ねてきた開発チームの積み重ねがあったからです。今後も、世界一のロボットといわれるよう開発を続けて参ります。」
取締役 森裕紀 コメント
「2023年に吸引式の収穫方式に着手してから約3年、複数のプロトタイプの開発と週2回の農場テストを愚直に繰り返しながら、ようやく栽培チームに運用を任せられる段階に到達しました。ロボットが研究室ではなく実際の農場で毎週動き続けるには、収穫精度だけでなく、安定性や運用のしやすさなど地道な改善の積み重ねが不可欠でした。次は新農場での6台体制に向けて、さらなる収穫性能の向上を目指すとともに、複数台の協調制御システムやメンテナンス性向上、故障耐性向上など「日常使いの収穫ロボット」のコンセプトの下、開発を進めます。」
株式会社トクイテンについて
トクイテンは「持続可能な農業へのシフトを加速する」をミッションに掲げ、ロボットやAIを活用した農業の自動化と、データに基づく再現性の高い栽培技術の確立を目指しています。愛知県知多市に自社農場を持ち、有機JAS認証を取得した圃場での有機ミニトマト栽培も行っており、2024年10月には農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」に採択され、1ha規模の新施設建設による大規模実証を進めています。
会社名:株式会社トクイテン
設立:2021年8月6日
代表者:代表取締役 豊吉隆一郎
所在地:〒451-0042 名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス2-15号室
事業内容:有機野菜の生産・販売、農業自動化技術の開発、農業参入企業支援
URL:https://tokuiten.jp/
*1 農林水産省「2025年農林業センサス結果の概要」「農業構造動態調査」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noucen/index.html









