
株式会社帝国データバンクは「飲食料品小売」経営事業者の倒産動向について調査・分析を行った。
SUMMARY
2025年度の飲食料品小売の倒産は358件発生し、前年度(321件)を上回り、過去2番目の件数となり、4年連続の増加となった。食材・光熱費の高騰や人手不足が深刻な状況下、容易に値上げや賃上げに踏み切れない小規模企業を中心に、倒産件数が高水準で推移することが見込まれる。
集計期間:2000年1月1日~2026年3月31日まで
集計対象:負債1000万円以上・法的整理による倒産
2025年度の「飲食料品小売」倒産は358件 4年連続の増加
2025年度の飲食料品小売の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は358件となり、前年度(321件)から37件、11.5%増加した。過去最多を記録した2013年度(375件)に次ぐ、過去2番目の件数となり、4年連続の増加となった。負債総額は、約412億9400万円と前年度(約281億1700万円)を46.9%上回った。
負債額最大は、輸入食品、挽き売り自家焙煎コーヒー豆等の販売を手掛けていたジュピターコーヒー(株)(東京、2026年1月、民事再生法)の約59億300万円。

業態別内訳をみると、弁当製造や総菜テイクアウトなどを主体とする「料理品小売」が104件で最も多く、前年度(94件)から10件・10.6%増加し、通年で初めて100件を超え、過去最多となった。また、和菓子、洋菓子などの製造・販売が中心となる「菓子小売業(製造小売)」も65件と、前年度(51件)から14件・27.5%増加し、2年連続で過去最多を更新した。規模別にみると、負債5000万円未満の小規模倒産が225件発生し、全体の62.8%を占めた。大手企業や同業他社との価格競争が厳しさを増すなかで、原材料価格や人件費・光熱費など運営コストの急激な高騰分を価格転嫁できない小規模企業の倒産が多く発生した。スーパーマーケットなどが含まれる「各種食料品小売」は32件と高水準にあるものの、インフレによる価格転嫁が進んだことから、前年度(39件)から7件・17.9%減少した。
従業員数別にみると、「10人未満」が320件と最も多く、全体の約9割を占めた。また、業歴別内訳をみると、「30年以上」が131件と最も多かった。今後、消費の底上げが期待されている消費税減税は、実施されるタイミングで価格表示の変更やシステム改修の負担といった課題があるほか、中東情勢の影響によってさらなる価格高騰や、サプライチェーンの混乱など、業界を取り巻く不透明な要素が依然として多い。小規模企業を中心に淘汰が進むことが予想され、倒産件数は高水準で推移することが見込まれる。









