拡大加速する、たんぱく補給食品市場を調査

掲載日: 2021年11月15日 /提供:富士経済

拡大加速する、たんぱく補給食品市場を調査

二桁成長続くプロテインパウダー市場は2021年に930億円、2026年には1,500億円

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、プロテインブームを背景に、ユーザーの認知度向上、相次ぐ新規参入や商品数の増加により拡大加速する、たんぱく補給食品の国内市場を調査した。その結果を「プロテインブームによる商品開発競争とチャネル間競合が進むたんぱく補給食品市場 2021」にまとめた。

この調査では、補給を目的にたんぱく質を添加した市販用商品(原料素材が本来有するたんぱく質のみの商品含む)をたんぱく補給食品とし、これらの新商品も踏まえたカテゴリー別市場規模や注目商品の影響度、チャネル間の競合・シフト状況を明らかにした。

◆注目市場

■プロテインパウダーの国内市場

2021年見込

2020年比

2026年予測

2020年比

930億円

113.8%

1,500億円

183.6

ここではたんぱく補給食品のうち、水や牛乳などで溶かして飲用する粉末商品を対象としている。スポーツをコンセプトとしたスポーツ用途型と、健康維持や栄養補助を目的とした栄養補給型に大別される。

スポーツ用途型は利用が一部のトップアスリートに限られていたが、徐々に広がり、2015年からはたんぱく質摂取の重要性に対する理解進行、ローカーボの影響、体を鍛えることが一般化していることなどからプロテインブームとなって二桁成長を続けている。栄養補給型はネットワーク販売企業の顧客離れなどによって縮小していたが、ここ数年はプロテインブームの影響などもあり利用が徐々に増加、メーカーの商品開発も活発化している。

2020年はコロナによるスポーツシーン減少が逆風となったものの、コロナ太り解消需要によりこれまで以上に伸長するメーカーも多く、前年比16.4%増の817億円となった。また、TV番組に取り上げられたことも追い風となった。2021年は大幅に伸びた前年の反動もあるが、前年に比較すればスポーツシーン減少の影響は少なく、前年比13.8%増の930億円が見込まれる。

◆調査結果の概要

■たんぱく補給食品の国内市場

1.カテゴリー別市場

2011年に558億円の規模であった市場は、2021年に2,216億円が見込まれ、2026年には3,218億円が予測される。プロテインブームを背景に、ユーザーの認知度向上に加え、相次ぐ新規参入と新商品発売による商品数の増加が市場拡大要因となっている。プロテインブームによってサプリメントカテゴリーのプロテインパウダーが特に好調な伸びを示している。新規参入では味の素や日本水産、日清食品など、大手も目立つ。新商品では「TANPACT」が市場に大きなインパクトを与えている。明治が2020年に発売したブランドで、「TANPACT」ブランド理念に賛同した企業と連携し、賛同企業からも商品が発売されており、商品数が増え市場を押し上げている。

2020年は外出自粛による来店客減少によりCVSや駅売店などでの販売実績が大幅に減少したが、プロテインブームによる底堅い需要に加え、コロナ太り解消を目的とした新たな需要を獲得したことなどから、市場は前年比二桁増となった。

2021年はコロナ太り解消を目的とした需要の伸びは鈍化したものの、たんぱく補給食品の認知度向上が急速に進んでいることや、新商品による需要開拓が続いていること、また、外出自粛による影響は少ないことから、市場は前年と同等の伸びを示すとみられる。なお、東京オリンピックの開催で、特にプロテインパウダーなどは大幅な需要拡大が期待されたが、自粛ムードの中で盛り上がりに欠けたことから、プラスの影響はほとんどなかった。しかし、需要は増加しているため、今後も高い伸びが続くと予想される。

2.チャネル別市場構成

2020年は新型コロナウイルス感染症の流行を機に通販が市場を大きく拡大させ、トップシェアとなった。特に自社EC特化型企業の伸びが顕著であった。これまでトップシェアであったCVSは、外出自粛による来店客の減少で多くのカテゴリーが通販や量販店にシフトし市場が大幅に縮小した。2021年は来店客数が回復に向かっており市場は拡大するとみられる。量販店はユーザーの認知度向上と需要の増加から採用商品が増加していることに加え、CVSと対照的に来店客が増えたことから市場が拡大した。2021年も引き続き拡大するとみられる。ドラッグストアは、店舗数増加、採用商品の増加と棚の拡がりによって様々なカテゴリーが伸びている。

◆調査対象

カテゴリー

品 目

サプリメント

・プロテインパウダー

・MRP

 

・食事代替ダイエット食品

(ミールリプレイスメントパウダー)

加工食品

・サラダチキン・ちくわソーセージ類

・その他加工食品

飲料・デザート

・プロテインドリンク

・その他飲料・デザート

 

・パウチプロテインゼリー

 

菓子・シリアル

・プロテインバー

・その他菓子・シリアル

その他

・経口栄養流動食

・大人向け粉ミルク

2021/11/15

上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。

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