獲れたての美味しさのまま鮮魚をお届け 「高鮮度輸送プロジェクト」始動

掲載日: 2026年02月27日 /提供:フーディソン

徹底した品質管理・高速輸送と、科学的鮮度評価で、確かな鮮度価値を沖縄から国内外の食卓に




沖縄県国頭漁業協同組合、株式会社フーディソン、高砂熱学工業株式会社、日本航空株式会社、YKK株式会社、沖縄県漁業協同組合連合会、公益財団法人函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)は、国頭漁協で獲れた鮮魚を、独自の冷却技術と新梱包材を活用した航空輸送を組み合わせ、魚の鮮度を科学的に評価する「K値」の考えに基づきお届けする「高鮮度輸送プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)を始動します。

シャーベットアイスと魚

水漏れを防ぐ梱包材

航空機搭載風景(イメージ)

■本プロジェクト始動の背景と私たちが目指すこと
地方や離島から高鮮度な状態を維持して水産物を流通させる仕組みの構築は、日本の水産業や地域経済を支えるうえで重要な基盤となります。本プロジェクトは業界の垣根を越えた7者が連携し、産地でしか味わえない獲れたての美味しさを国内の遠隔地や海外へお届けし、また、その品質に見合う適正な価格で取り引きされる流通網を確立することで、水産業の新たな価値を創造し持続的な発展を推進します。
2025年12月から沖縄県国頭漁協で獲れた魚を国内外へ試験輸送し、品質と輸送安全性、適正な取引価格に関する検証を重ねてまいりました。引き続き海外輸送を中心に検証を重ね、より多くの消費者の方のもとへお運びする仕組みを構築してまいります。
■本プロジェクトの特長
(1)産地における鮮度処理の徹底
産地では、漁協が作成した「高品質鮮魚マニュアル」に従い、漁師と漁協が一体となり鮮度処理(「漁師による漁獲後の鮮度処理」と「市場へ水揚げ後に漁協職員による高鮮度維持管理」)を徹底します。
(2)魚体を傷付けずに芯から冷やし込むシャーベットアイス
通常の氷と異なり直径0.05ミリと滑らかなシャーベットで魚体を傷付けず、隅々まで隙間なく包み込むことで急速かつ均一に冷却します。この技術を活用することで、従来の氷では難しかった時間経過による鮮度劣化を抑制し、獲れたての鮮度を維持します。
(3)新梱包材と航空輸送を掛け合わせた高品質なスピード物流
防水ファスナーを採用した新梱包材を開発し、航空輸送における安全性や温度管理などの検証を重ねま
した。水漏れを防ぐ設計としたことで一般貨物との混載が可能になり、限られた貨物スペースにより多くの貨物を効率的に搭載し、スピーディーかつ適正な価格で高鮮度な魚を国内外へお届けする仕組みが構築されました。
(4)産地と消費地を直結するデジタルインフラの提供と、グローバルなダイレクト流通網の構築
国内で月間5,000店舗超の飲食店の仕入れを支える生鮮品ECの知見を活かし、産地と国内外の注文をダイレクトに結ぶ受発注プラットフォームおよび新たな流通ルートを構築します。産地直送の情報をデジタル化してタイムリーに提供するとともに、航空輸送と連携して輸送時間を大幅に短縮。物理的な距離と流通工程における時間の壁を打破し、沖縄の希少な鮮魚が持つ「獲れたての鮮度」と「本来の価値」を損なうことなく、国内外の飲食店へ最短ルートでお届けします。
(5)K値による科学的鮮度評価を通じた魚価向上
K値は魚の鮮度を科学的に示す指標であり、この客観的な評価は魚価向上につながるとともに、適正な価格での取引を後押しします。その場で測定可能となるよう技術開発が進められている K値を鮮度指標として定着させ、高鮮度な鮮魚が適正な価格で流通する基盤を強固なものにし、水産業の持続的な発展を目指します。

今後、この仕組みを国頭漁協から沖縄県内、さらには全国の産地へと広げ、より多くの消費者の皆さまへ獲れたての感動をお届けしてまいります。また、本プロジェクトは現メンバーにとどまらず、広く様々な知見を持つ団体・企業などとの連携を視野に展開します。こうした取り組みを通じて豊かな海の恵みを次世代へつなぐことで、日本の食文化をさらに深化させる一助となるよう、業界の垣根を越えて取り組んでまいります。
■プロジェクトメンバー 役割



- 沖縄県国頭漁業協同組合(プロジェクトリーダー)
生産地として鮮魚漁獲、漁獲から出荷までの鮮度維持、水産業界への事例発信
- フーディソン(サブリーダー)
「魚ポチ」※資料を検証プラットフォームとして利用、飲食店による魚の評価及び魚価向上の検証協力
- 高砂熱学工業(サブリーダー 兼 事務局)
シャーベットアイス供給、漁獲から消費地までの運送時における鮮度維持
- 日本航空
新梱包材の利活用における安全性検証および認証、鮮魚の国内外への航空輸送
- YKK
航空機輸送に対応した防水ファスナー AQUASEAL(R) の採用で水漏れを防ぐ梱包材の設計
- 沖縄県漁業協同組合連合会
沖縄鮮魚の需要が高まる際の供給協力及び沖縄水産業活性化、海外出荷時の販路紹介
- 函館地域産業振興財団(北海道立工業技術センター)
K値に関する情報提供・社会実装、鮮度評価や方法等を公的立場からの助言

■K値について
K値は、魚の鮮度を科学的に示す指標です。水揚げ後、魚の体内では様々な成分変化が起こり、鮮度が落ちていきます。この変化を数値化したものがK値で、数字が小さいほど新鮮、大きいほど鮮度が低下していることを意味します。「見た目」や「匂い」の評価には個人差がありますが、K値なら客観的で科学的な評価が可能です。これにより、流通や輸出の場面で品質保証や公正な取引に役立ちます。2022年、農林水産省によりK値試験方法(HPLC法)が日本農林規格(JAS規格)に制定され、国際標準(ISO)に向けた活動が始まっています。
現在はK値の測定には半日~1日程度の時間がかかりますが、将来的にはK値が即座に測定できる技術開発が進められています。



簡易キットでK値を簡易に測る将来イメージ

■国頭漁業協同組合における販路拡大・魚価向上の取り組みについて
国頭漁協がある国頭村は、沖縄本島の最北端に位置する村です。2021年7月に世界自然遺産に登録された「やんばるの森」から流れ込む栄養が豊かな漁場を形成し、スジアラ、ナンヨウブダイ等の南方らしい多様な魚種が水揚げされています。しかし、空輸便の出る那覇までは約100km(車で2時間)、そこから空輸となるために、首都圏を対象にした場合に到着までの鮮度維持が難しいことや、色鮮やかな魚が多いことからイメージ優先で敬遠されがちな評価がありました。





2018年に高砂熱学工業のシャーベットアイス製造機を試験導入し(2021年9月 正式導入)、生産者による水揚げ直後からの鮮度処理、シャーベットアイスによる高鮮度維持に着手。その後、フーディソンの「魚ポチ」も導入しながら、鮮度を落とすことなく首都圏や海外への流通を実現。従来は獲れても海へ戻すしかなかった多品種小ロットの未利用魚の販路先が拡大し、魚種によっては、魚価は2倍、大きいものでは5倍を実現(2020年度比)。消費者からの評価とともに、生産者の収入安定にも繋がっています。
国頭漁業協同組合公式instagram:https://www.instagram.com/jf_kunigami/

■高砂熱学工業のシャーベットアイスと、その製造機(SISーHF(R))について
高砂熱学が空調設備業で培った「氷」を作る技術を応用し開発した、水産物向けのシャーベットアイス製造機。通常の氷と違い、直径0.05ミリと滑らかなシャーベットで、魚体を傷付けず、急速かつ均一に冷却するのが特徴です。従来のシャーベットアイス機と比較して、魚の凍らない-1℃の低塩分濃度でのシャーベットアイス製氷や、高い冷却能力となる氷濃度50%のシャーベットアイスを提供しています。2018年より本格事業化し、北は青森県の三沢市漁業協同組合、南は沖縄県の国頭漁業協同組合まで、全国9か所の漁協や水産加工会社へ納品。生産者とともに高付加価値な鮮魚の流通に向けて取り組んでいます。
SIS-HF(R) 特設サイト: https://report-project.com/





■フーディソンのプラットフォーム「魚ポチ」について
『魚ポチ』は「料理人の仕入れ時間を減らし、欲しい食材をどこにいても、すぐに手に入れられる世界」をサービスビジョンとして飲食店向けに全国の産地や中央卸売市場から仕入れた商品をインターネットを介して卸売りするサービスです。飲食店は各店コンセプトやメニューが違い、また店頭在庫に応じて日々の仕入れを管理する必要があり、その多くは自ら卸売市場に出向き在庫の補充や当日のメニューを考えていました。魚ポチではあらゆる飲食店の経営者及びスタッフがより店舗運営に集中できるように、豊富な商品をウェブサイト上で販売しており、1尾から商品を店頭まで配送しています。累計40,000店舗以上の飲食店様にご登録いただいています。
魚ポチサービスサイト:https://uopochi.jp/info/
■YKKの防水ファスナー AQUASEAL(R) について
AQUASEAL(R)は、防水性と柔軟性を兼ね備えた防水ファスナーです。ポリウレタンとポリエステルによる三層構造のテープと、隙間なくしっかり噛み合う構造により、防水性能を発揮しながら柔軟性も確保しています。開閉や着脱のしやすさが求められるセミドライスーツやウェーダーなど、マリン業界で広く採用されているほか、そのしなやかさを活かし、トンネルの風管など筒状資材をはじめとする幅広い産業資材分野でも利用されています。
YKK DIGITAL SHOWROOM:https://ykkdigitalshowroom.com/jp/article/628



防水ファスナー AQUASEAL(R)

■動画によるご紹介
・本プロジェクトにおける一連の取組
港での水揚げから、冷やし込み、輸送、店舗での消費、までを映像でご紹介しています。
https://youtu.be/5v6Fmje9_uQ





・北海道立工業技術センター 吉岡先生へのインタビュー
水産物の鮮度にご知見を持たれる吉岡先生より、水産現場における鮮度、K値に関する現状、そして本プロジェクトへの期待等をお話いただきました。
https://youtu.be/MZMxTMsI3Pc





吉岡先生プロフィール
北海道大学大学院水産学研究科修士課程修了。1987年より大手水産会社の研究所に勤務。1999年より北海道立工業技術センターにおいて水産食品の研究開発に従事。2016年に第7回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞を受賞。博士(水産科学)、技術士(水産部門)。

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