軽井沢で渋滞・防災などの課題解決に向けたドローン物流の実証実験を実施

更新日: 2025年12月18日 /提供:アルピコホールディングス

~フェーズフリー型の物流プラットフォーム構築を目指して~

アルピコホールディングス株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長:佐藤 裕一 以下アルピコHD)と株式会社デリシア(本社:長野県松本市、代表取締役社長:森 真也 以下デリシア)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、ココネット株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長執行役員:堀井 拓次、以下ココネット)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長グループCEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)および株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2025年12月16日(火)に、長野県軽井沢町において、新スマート物流*1SkyHub(R)?*2を活用した物流ドローンによる実証実験を共同で実施しました。本実証は、長野県軽井沢町における交通渋滞対策、少子高齢化による買物困難への対応、防災力強化などの地域課題の解決に貢献することを目的として実施したものです。
アルピコHD、セイノーラストワンマイル株式会社(セイノーHD傘下)、エアロネクスト、NEXT DELIVERYは本年2月に新スマート物流の長野県全域への拡大と地域課題の解決や地域経済の活性化に向け業務提携を締結しており、その具体的な活動の一環となります。


実証実験に使用するドローン“PF4”を前に、写真向かって左よりエアロネクスト代表取締役社長グループCEO/NEXT DELIVERY 代表取締役 田路圭輔、アルピコホールディングス株式会社 代表取締役社長 佐藤裕一、セイノーホールディングス株式会社 専務執行役員 河合秀治

実証実験に使用するドローン“PF4”にデリシアネットスーパーの信州牛の肉や信州みそ、生鮮食品などの荷物の入った専用箱を取り付けるココネットのスタッフ

デリシア軽井沢店からライジングフィールド軽井沢に向かって飛行する“PF4”


浅間山を背景にデリシア軽井沢店からライジングフィールド軽井沢に向かって飛行する“PF4”

ライジングフィールド軽井沢で荷物の入った箱を切り離し置き配する “PF4”

荷物を受け取ったライジングフィールド軽井沢スタッフの池田佳史さん。ドローン物流は渋滞のひどい夏季の活用はもちろん、大雪など災害時に支援物資の拠点ともなりえるとコメント。

1.実証実験概要




2025年2月の業務提携時に発表した新スマート物流の事業展開イメージ図。今回の実証は赤枠の部分にあたる。

2. 軽井沢町の課題と本実証の意義と効果
軽井沢町が抱える地域課題に対し、新スマート物流 SkyHub(R)?を活用して以下の効果を確認しました。

◆交通渋滞対策
観光シーズンに深刻化する交通渋滞に対し、食品や日用品をドローン配送することで、買物による車移動を減らし、渋滞緩和とCO2削減に寄与します。

◆少子高齢化・物流課題への対応
新たな配送チャネルとして物流ドローンを活用し、買物困難者の利便性向上とラストワンマイルの最適化を図ります。

◆防災力の強化
デリシア軽井沢店を防災拠点(支援物資供給倉庫)として活用し、災害時の物資輸送や避難所支援にドローンを活用することで、フェーズフリー型物流基盤の構築を目指します。

◆地域連携・社会受容性の向上
ドローン体験イベントなどを通じて住民の理解を深め、新しい買物体験の創出につなげます。

3. 今後の展望
今後は、ネットスーパーで受け付けた商品を、顧客の要望に応じて空路で配送する仕組みへと発展させていきます。現在、ネットスーパーで注文頂いた商品は軽貨物自動車で配送を行っていますが、山間部を遠回りして時間を要する事や有料道路を使う経路もあり、確保できる配送リソースが限られたりコストが追加で発生したりするため、注文口数を増やせずにいます。空路を活用しドローンで商品を届ける事によって、省人化の実現だけでなく、買物に行けない方や渋滞で買物を断念せざるを得ない方にも商品を届けられる体制を構築し、日常時は生活利便性向上、災害時は緊急物流プラットフォームとして機能するフェーズフリー型の物流体制を軽井沢町に実装していくことを目指します。

以上

*1 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための取り組みで、特に地域物流の効率化と地域社会の課題解決を推進する。地域の状況やニーズに応じて、ラストワンマイルの共同配送、車による陸送・ドローンによる空送のベストミックス、災害対応も含むフェーズフリー型物流、貨客混載、自動化技術等を官民、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で検討し、実現を目指すものである。


*2 新スマート物流SkyHub(R)?
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ(R)?を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub(R)?TMSをベースに、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送、SkyHub(R)?Delivery(買物代行)、SkyHub(R)?Eats(フードデリバリー)、SkyHub(R)Medical(医薬品配送)など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。
SkyHub(R)?の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

*3 長距離飛行マルチユースドローンPF4
ACSLの長距離飛行マルチユースドローン。ユーザーによるマルチペイロードの交換が可能。ペイロード 5.5kgで航続距離 40km といった長距離飛行かつ安全機能を備えるため、物流用途に適している。物流専用ドローンAirTruckと比較し、飛行距離が2倍で、荷物専用箱のサイズも大きい。また、日本の準天頂衛星システムみちびき(QZSS)による CLAS(センチメーター級測位補強サービス)を使用しており、精緻な離着陸が可能。配送距離が長く、配送可能な荷物の幅も広がり、防水性能もあり飛行可能な天候条件も広がることから、ドローン物流の活用可能性が広がる。

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