今年、創業140周年を迎えた南海電気鉄道株式会社(社長:岡嶋 信行)は、創業50年以上の喫茶店“半世紀喫茶”を特集したフリーペーパー「Natts特別号」を12月に発行。
昭和レトロが再注目のいま、“昭和100年”という節目に、なんば・新世界エリアにある喫茶店の魅力を再発見する企画です。
2年目の若手社員中心に「紙だからこそ心が動く」を合言葉にゼロから企画。難波駅に置かれた“黄色の表紙”が異彩を放っています。

Natts特別号「半世紀喫茶のはじめかた。」
難波駅に現れた黄色のフリーペーパー「Natts(半世紀喫茶のはじめかた。)」とは?
通勤客や観光客が行き交う難波駅に突然現れた、鮮やかな黄色の小冊子。フリーペーパーの「Natts特別号」です。南海電鉄では、南海沿線のおでかけ情報を紹介するフリーペーパー「Natts」を毎月発行しており、12月に「特別号」を発行。特集したのは、なんば・新世界エリアで50年(半世紀)以上続く喫茶店“半世紀喫茶”6店舗。
マスターと常連が長年育んできた関係性、店内に漂う空気、時代をまたいで愛され続ける味を丁寧に掘り起こし誌面にまとめました。

難波駅に一際目立つ黄色の小冊子が登場
なんばエリアの課題
なにわ筋線の開業により、京都への直通アクセス等、新たな 関西観光ルートが生まれることが予想される一方、梅田や関空と直結するルートが強化されることで、難波駅が「通過駅」となる懸念があります。
南海電鉄としては、なんばターミナルから新今宮・新世界の南北ラインを基軸に、回遊性を高める取組みを推進しています。今回本取組みの一つの切り口として選んだのが“半世紀喫茶”です。
”半世紀喫茶”は都会のオアシス
2025年は、“昭和100年”という節目。昭和レトロ文化が再注目される中、なんば・新世界エリアの半世紀喫茶は、「派手ではないけど、帰ってきたくなる場所」として多くの人に愛されています。写真映えだけでなく、店主と客のやりとりや空気感といった“体験”が、訪れる人に特別な時間を提供します。世代を超えて受け継がれてきた温かい味と空気は、まさに“都会のオアシス”です。
今年、創業140年を迎えた南海電鉄が、昭和100年のいま、この温かい文化に光を当てたいと強く思い、テーマとして選びました。
Natts特別号は、駅で偶然手に取る一冊をきっかけに“立ち寄り→時間を過ごす→また違うお店へ”という回遊の動線を生み出すことを狙ったものになっています。

喫茶ブラザー

喫茶タマイチ
紙媒体にこだわった理由「紙だからこそ心が動く」
デジタル化が進む中、社内的には紙媒体での情報発信から全てデジタル媒体へという声が大きくなってきました。しかし、Natts編集チームでは、「駅で偶然出会う紙だからこそ、人は手を伸ばす」「紙だからこそ心が動く」と考え、紙媒体の可能性を模索。Natts特別号は仕様も内容も一新し、全く新しい姿での発行となりました。
編集チームの一人である入社2年目の山本 美奈は「どうすればより多くの人に読んでもらえるのか…ということを考え抜きました。読みたくても電車で広げにくい、という声からタブロイド版ではなくA5サイズに。鞄にもスッと入りやすいサイズです!また、一冊を“喫茶店アルバム”のように感じてもらえるよう、あえて厚い紙にしました。“読み返したい”と思ってもらえたら嬉しいです。」と話します。

A5サイズなので、パッと取ってサッと鞄になおしやすい
コミュニケーションを生むフリーペーパー
Natts編集チームの角谷 彩織は、「Natts特別号で紹介した店のマスターから『Nattsを見て来ました』というお客さんが何組も来てくれた、と聞いたときは本当に嬉しかったです。さらに、常連さんが『奥さんに俺の憩いの場を紹介するわ』と言って冊子を家に持ち帰ったという話もありました。紙媒体が来店のきっかけになるだけでなく、お店を超えて家庭内での会話まで生み出していることを実感しました。」と紙媒体の魅力を再認識したと話します。
今後もなんば・新世界エリアに限らず、南海沿線全体が盛り上がっていくようなことを考え、様々な媒体で展開してまいりますので、今後もぜひご注目ください。
<掲載ラインナップ>
・喫茶オランダ船長のやさしい珈琲。(喫茶オランダ)
・華麗なる食器と、華麗なる親子プレー。(喫茶ニューワールド)
・イケオジイに会いにいく。(喫茶ブラザー)
・コミュ力店主の新世界をのぞく。(喫茶タマイチ)
・なにわのハイジをたずねて。(珈琲館スイス)
・通天閣のド.レ.ミ.ファ.ソ♪(喫茶ドレミ)
詳細はこちら
「半世紀喫茶」の物語はWEBでも…
「Natts特別号」の誌面には入りきらなかった半世紀喫茶情報をnote「南海電車がはしるまち」でも紹介しています。
【あの日から、トースト愛をこじらせている。】
パンの厚さ・切り方・耳の有無まで――喫茶店のトーストの奥深さに触れ、「トーストって…沼、深すぎる。」 と衝撃を受けた話を書きました
【喫茶店の水から始まる、ある日の4つのモーニング】
フォトエッセイ『喫茶店の水』を上梓したqpさんが、なんば・新世界エリアの半世紀喫茶の“水”だけをひたすら撮り歩いた早朝の記録をまとめました。

今後も、まだ知られていない強烈な“好き”を丁寧に掘り起こし、その熱量をそのまま伝える記事をnoteで公開していきますので、ご覧ください。









