■シェアスペース(共用部)について
1.屋内プールを改修したシェアスペース「THE POOLSIDE」(3F)
LOUNGE+BAR / SHARED KITCHEN / LAUNDRY
商業店舗などが入居する6階建ての複合ビルを大胆にリノベーションした「KIRO 広島」。3階に残されていたトップライト付きの屋内プールを、壁面タイルや階段を残しつつ開放的な空間に改修し、ホテルの朝食会場兼バーラウンジに設えました。イベントスペースとしても運営します。
隣接するシェアキッチン、ランドリースペースを含めて「THE POOLSIDE」と名付け、宿泊のお客様と地域の方々が交流できる場づくりを目指します。プール跡地をリノベーションして飲食、イベントスペース用途に転用するのは全国的にも珍しい取り組みです。また、広島を拠点に国内外で活躍する「叢 – Qusamura」(読み:くさむら、広島市西区)、株式会社マルニ木工(広島市佐伯区)の両社が手掛けた魅力的な植栽や家具が、空間にさらなる付加価値を与えます。
「THE POOLSIDE」で提供する食事やドリンクは、産地まで赴き自家焙煎したコーヒー豆や地元食材にこだわった飲食店を7店舗展開する「株式会社キノシタショウテン」(岡山県)が監修。朝食は、気持ちのいい朝の光が差し込む空間で、焼きたてのクレープ料理やスペシャルティコーヒーを提供します。バーでは、旬のフルーツを使ったサワーや、瀬戸内ゆかりのフィンガーフード等をお楽しみいただけます。
2.「SHOWCASE」(1F)
1階ロビー内の「SHOWCASE」では、定期的にポップアップショップを開催。雑貨や工芸品など、瀬戸内ローカルの魅力が詰まったアイテムを取り揃え、旅人に新たな“出会い”を提供します。
3.「cicane -liquid stand-」(1F)
「広島コーヒーフェスティバル」主宰メンバーの一人であるムラカミジン氏が、「旅の給水所」をコンセプトとしたドリンクスタンド「cicane -liquid stand-」(読み:シカネ リキッドスタンド)を1階にオープンします。広島各地のバリスタらが日々入れ替わりコーヒーマシン等を“シェア”して、それぞれの個性が光るコーヒーやドリンクを新しいスタイルで提供します。
■デザインについて
インテリアデザインは、商業空間のデザインやブランディングを得意とする田中裕之建築設計事務所が担当。建物の歴史を引き継ぎ、一つひとつの痕跡を丁寧に扱うことで、ここにしかない空間となりました。「THE POOLSIDE」は、既存のダイナミックな空間の中でプールが元々持っていた高低差を利用。プールの縁に座席をつくったり、底部分に新たに上げ床を設けたりして、開放的で多様な居場所ができました。かつての“プールサイド”に腰掛けてみると、新旧素材の対比や、注意深く配置された植栽のバランスを楽しむことができます。
客室内は簡素にして特定の様式に当てはまらないニュートラルな空間としつつ、素材の仕上げや納まりにこだわりました。東広島エリアで見られる赤茶色の屋根「石州瓦」をベースにカラーバランスをつくり、瀬戸内での旅の記憶やイメージとの親和性を持たせました。
そのほか、グラフィックデザインや植栽、家具などについては、地元パートナーとのコラボレーションによって、「瀬戸内ローカル」と出会える場を演出しました。
インテリアデザイン
田中 裕之 氏
(田中裕之建築設計事務所)
田中裕之建築設計事務所代表。リビタが運営する横浜市の街のシェアスペース「BUKATSUDO」や、八戸市で話題の市営書店「八戸ブックセンター」の建築デザインを担当。「ISSEY MIYAKE」のウインドウデザインも手掛ける。
グラフィックデザイン
大原 大次郎 氏(omomma)
中山 慎介 氏(LINER NOTES)
「KIRO」「THE POOLSIDE」のロゴ、館内サイン等の制作を担当。大原氏はJAGDA新人賞、東京TDC賞受賞。東京藝大非常勤講師。CD、書籍などのグラフィックデザインを手掛ける。中山氏は広島在住。「広島ADC AWARDS」グランプリ受賞。
植栽
小田 康平 氏
(叢 – Qusamura)
植物屋「叢」(広島市西区)店主。広島出身。館内の植栽計画を担当。広島を拠点に、サボテンを中心とした「いい顔してる植物」を通じて、銀座エルメス、ユナイテッドアローズ六本木等、全国のホテル・商業空間の植栽計画を手掛ける。
家具
株式会社マルニ木工
株式会社マルニアステリア
広島市佐伯区に本社を置く創業90年以上の老舗家具メーカー。米アップル本社に数千脚のHIROSHIMAアームチェアを納品するなど世界に名が知れている。グループ会社のマルニアステリアとともに、「THE POOLSIDE」の家具を担当。
■「KIRO 広島」の理念
瀬戸内ローカルへの“分岐路”をつくる
豊富な観光資源や美しい景観が魅力の瀬戸内地域。その最大都市である広島は、国内外から多くの観光客が訪れる人気観光地です。
私たちはここを拠点とし、地域のパートナーとともにコンテンツやイベントを展開して、もっとディープな広島・瀬戸内エリアを知るためのきっかけを提供していきたいと考えています。飛行機や新幹線に頼らないローカルエリアへ、お客様の旅路を分岐させてまいります。
■コンテンツパートナー
シェアスペース「THE POOLSIDE」や「SHOWCASE」では地域プレーヤーと協力し、食やアートにまつわるイベントを開催したり、ホテルと地域を繋ぐ新しい仕組みを創ったりして、瀬戸内の魅力を発信していきます。
ムラカミジン
(株式会社ローカルズオンリー)
全国展開のパンの祭典「パンタスティック!!」や「広島コーヒーフェスティバル」を企画するムラカミジン氏が、コンテンツ企画やイベントディレクションを担当。食や物販などを通じた様々なイベントを企画予定。
ENGAWA
瀬戸内エリアの魅力を伝えるショップ「ENGAWA」(広島市南区)監修によるポップアップショップを、1階「SHOWCASE」で開業と同時に開催予定。工芸品や食品、雑貨など、品質の良いものだけをセレクトする。
CLS
様々な分野で活躍する広島のキープレーヤーたちが集う拠点「CLS」が、本建物内のKIRO広島隣接区画に入居。トークイベント、街歩きツアーなどまちを楽しむ企画・仕掛けを展開し、旅行者とローカルを繋ぐ役割を担う。
STEREO RECORDS
週末を中心に広島・瀬戸内各地から個性豊かなDJが駆け付け、アナログレコードショップ「STEREO RECORDS」(広島市中区)監修のもと、こだわりの音楽を提供する予定。
■客室について
客室は、個室タイプ11種類49室をご用意。定員4名のロフトタイプ、スタンダードタイプを中心に6名部屋も用意し、グループや家族旅行のニーズに対応しています。一人から二人のお客様にもご宿泊いただけるダブルタイプやツインタイプも用意しております。
■プロジェクトメンバー
・企画・プロデュース・運営 :株式会社リビタ
・インテリアデザイン:田中裕之建築設計事務所
・統括設計:株式会社プランニングファクトリー蔵
・グラフィックデザイン:大原大次郎(omomma)+中山慎介(LINER NOTES)
・植栽:叢 - Qusamura
・アート制作:素描家shunshun
・ユニフォームデザイン・制作:makerhood/メーカーフッド(株式会社ジョンブル)
・ブックコーディネート:READAN DEAT
・飲食プロデュース(3階):株式会社キノシタショウテン
・コンテンツ企画 :ムラカミジン(株式会社ローカルズオンリー)、STEREO RECORDS
・テナント(会員制事務所):CLS
・ドリンクスタンドプロデュース(1階):ムラカミジン(株式会社ローカルズオンリー)
・施工会社:株式会社デザインアーク
・FF&E 設計監理:seventh-code株式会社、株式会社マルニ木工、株式会社マルニアステリア、Pocket Park、株式会社パシフィックハウステクスタイル、fabricscape
■プロジェクト概要
・施設名:KIRO 広島 -THE SHARE HOTELS-(キロ ヒロシマ ザ シェア ホテルズ)
・開業日:2019年9月13日(金)開業
・URL:https://www.thesharehotels.com/kiro/
・所在地:広島県広島市中区三川町3-21
・交通:広島電鉄本線・白島線「八丁堀」停留場より徒歩6分
・構造:鉄筋コンクリート造地上6階 地下1階建
・建築年:1990年
・延床面積:1,999.47平方メートル (ホテル関連対象面積)
・建築面積:528.2平方メートル (公簿面積)
・客室数:49室
・定員:165名
【THE SHARE HOTELSについて】
~You in Local, New in Local~
ザ シェア ホテルズは、その場所にしかない新しい出会いと体験に溢れた場です。
各地に展開する私たちのホテルには、開かれた固有のシェアスペースがあり、
そこには、まちの人々や様々な活動が集まります。
ここを訪れると、まちの今の空気を感じることができたり、
まちの人と出会うことができたり、
個性豊かな活動に参加できたり。
ゲストは様々なスタンスでまちと関わることができます。
私たちは、この場の運営を通じて、まちの人々と国内外のゲストとともに
まちを楽しみ、まちを盛り上げていけたらと考えています。
URL:https://www.thesharehotels.com/
【THE SHARE HOTELS計画の背景】
2005年の創業以来、様々な遊休不動産の活用を手がけてきた当社は、既存ストックを再生するためには、建物(ハード)の魅力向上だけではなく、そこにしかない価値を持続的に生み出すための仕掛け(ソフト)の構築が必要不可欠と考えてまいりました。また、観光の視点で日本の地域のこれからを捉えると、その地域特有のコンテンツや体験機会が求められています。一方で、地方の中心市街地には活用されていない遊休化した不動産が点在し、人通りの寂しくなってしまったエリアも珍しくはありません。そこで、これまで培ってきたリノベーションのノウハウ、様々なコミュニティづくりの経験を活かし、地域の方と旅行者がつながる場と宿泊機能を併せ持つリノベーションホテルを立ち上げました。これからも既存建物を再生したホテルを舞台に、地域に根差した体験・コンテンツ・人との関わりを提供し、地域内外の繋がりが構築され、地域の魅力が持続的に拡散されていく場をつくりたいと考えています。
【株式会社リビタについて】
「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに、既存建物の改修・再生を手がける会社として設立。「次の不動産の常識をつくり続ける」を経営ビジョンに掲げ、一棟、一戸単位のマンションや戸建てのリノベーション分譲事業やリノベーションコンサルティング事業、シェア型賃貸住宅や商業施設、公共施設の企画・運営、PM・サブリース事業、ホテル事業を手がけています。
現在、一棟まるごとリノベーション分譲事業の企画・供給実績は48棟1,500戸、また「シェアプレイス」シリーズをはじめとするシェア型賃貸住宅は、都内近郊に19棟1,229室を運営中(2019年3月末時点)。リノベーション分譲事業では、100平米超の面積を有し、立地と資産価値にこだわったマンションを紹介する「R100 TOKYO」や、戸建てリノベーション「HOWS Renovation」も展開。その他、印刷工場をオフィス商業複合施設にコンバージョンした港区海岸「TABLOID」や東京内神田のシェア型複合施設「the C」、大人の部活がうまれる街のシェアスペース「BUKATSUDO」など、暮らしの概念を『働く』『遊ぶ』『学ぶ』などにも領域を広げたプロジェクトの企画・プロデュース・運営も多く手がけています。2016年3月にはホテル事業を開始、全国で「THE SHARE HOTELS」を展開。第一号店「HATCHi 金沢」に続き、2017年に「LYURO 東京清澄」、「HakoBA 函館」「KUMU 金沢」、2018年に「RAKURO京都」、2019年に「TSUGU 京都三条」を開業。
名称:株式会社リビタ
設立:2005年(2012年より京王グループ)
代表取締役社長:川島純一
住所:東京都目黒区三田1‐12‐23MT2ビル
URL:https://www.rebita.co.jp/