「経口栄養補助食品」活用とデイサービス利用継続・収益増の関連を示す論文が医学雑誌『Therapeutic Research』に掲載されました

掲載日: 2025年12月08日 /提供:ネスレ日本

2025年11月、ネスレ日本株式会社 ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー(本社:兵庫県神戸市、カンパニープレジデント: 中島 昭広)による研究「低栄養のデイサービス利用高齢者に対する経口栄養補助食品活用が介護事業者の収益に与える影響」の成果が、医学雑誌「Therapeutic Research※1」に掲載されました。本研究では、低栄養またはそのリスクを有するデイサービス利用者に対し、経口栄養補助食品(ONS)を活用した栄養サポートが、利用者の健康状態改善のみならず、介護事業者の収益向上にも寄与する可能性を示しました。
※1ライフサイエンス出版株式会社より発刊されている、医学、薬学の最新情報を提供する総合月刊誌。読者対象は各科臨床医。国内外における最新情報やオピニオン、および投稿論文などを掲載している。


論文情報
高野太樹、鎌田征和、酒井清悟、市川正樹(ネスレ日本株式会社 ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー)、小菅さくら(株式会社ソラスト)、本川佳子(東京都健康長寿医療センター研究所)、五十嵐中(東京大学大学院 薬学系研究科)、吉田貞夫(ちゅうざん病院、沖縄大学健康栄養学部)「低栄養のデイサービス利用高齢者に対する経口栄養補助食品活用が介護事業者の収益に与える影響」Therapeutic Research. 2025年 第46巻 第11号 707~712ページ

研究概要
日本の高齢化の進行により、デイサービスの重要性が増す一方、事業所の経営難や利用者の低栄養が課題となっています。特に要介護高齢者では低栄養が多く、健康悪化やサービス利用中止につながることが懸念されています。本研究では、低栄養またはそのリスクを有するデイサービス利用高齢者にONSを導入することで、健康状態の改善だけでなく、利用期間の延長や事業者の収益向上につながるかを検討しました。

主な結果
われわれがこれまでに実施した前向き観察研究データ(Takano H, et al. Front Nutr 11:1375592. 2024)と公表統計を用いた二次分析により、ONSを活用した場合、利用者1人あたりの平均利用期間が通常の介護(8.9ヶ月)に比べて約2.4倍(21.4ヶ月)に延長され、平均収益も通常の介護を比較して¥505,039から¥827,566増加すると推計されました。さらに、ONS導入によって入院率が低下する事により、半年間で約1,710万円(利用者100人あたり)の医療費削減効果が推計されました。

結論と今後の展望
本論文の成果は、早期の栄養評価とONS活用が高齢者介護サービスの質向上と持続可能な事業運営に寄与する可能性を示しており、今後の介護現場への実装が期待されます。

ネスレ ヘルスサイエンス
■ネスレ ヘルスサイエンスについて

ネスレ ヘルスサイエンスは、2011年食品飲料業界のリーディングカンパニーである「ネスレ」によって創設された、先進的なヘルスサイエンスカンパニーです。世界140カ国以上で、12,000人以上の社員が在籍し、消費者向け健康製品、医療介護施設向け栄養補助製品、科学的知見を取り入れたビタミンやサプリメントなど、幅広いブランドを展開しています。「高い付加価値」と「グローバルな研究開発力」を強みとし、「栄養の力」を基軸に、総合的に健康をサポートする提案をしています。

■ネスレ ヘルスサイエンスのパーパスについて

ネスレ ヘルスサイエンスは、“Empowering healthier lives through nutrition(栄養を通じて、人々のより健康的な生活を支援すること)”をパーパスとしています。消費者、医療・介護現場が願う健康的な生活のため、高品質で科学的根拠に基づく栄養ソリューションを顧客に提供しています。

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