
■研究背景
カカオ豆は、カカオの実から取り出された後、発酵・乾燥工程を経てチョコレートの原料として使用されています。カカオの実の外側の殻(カカオポッド)はカカオの実の全体重量の約8割を占めますが、利用されることなくカカオ農地に廃棄されています。廃棄されたカカオポッドが土に還るには時間を要し、またカカオポッドで菌が繁殖すると、病原菌がカカオの木に広がり、結果としてカカオの実の収量の減少、更にはカカオ農家の収入低下を招いてしまいます。そのため、カカオポッドを適切な方法で加工処理し、カカオ産地で産業利用することが望まれています。
第一次共同研究では、加水分解技術を活用することでカカオポッドを殺菌・粉砕処理し、土壌に散布することで農地の肥沃度を改善できるかベトナム南部のメコンデルタ地域において検証しました。その結果、加水分解カカオポッドの散布によりカカオの苗の成長を促進するとともに、土壌の状態を改善することが分かりました。
更なる検証のため、本共同研究ではカカオ農地に加水分解カカオポッドを散布し、カカオ豆の収量に対する影響を確認します。本研究を通してカカオ産地の環境問題を解決し、資源循環型社会の実現を目指してまいります。
■カントー大学について
カントー大学は1966年に設立された国立総合大学で、ベトナムの国家重点大学の一つです。農学部、水産学部、経済学部などの学部があり、52,414人の学生が在籍しています(2025年9月時点)。ベトナム南部の都市カントーに位置し、メコンデルタ地域の農業についての中心的教育研究機関という、重要な役割を担っています。
株式会社ロッテ
https://www.lotte.co.jp/









