近年、健康素材として注目を集める乳酸菌。乳酸菌は、お腹の調子を良くする効果が有名ですが、乳酸菌のなかには、免疫機能を高めるものが見つかっています。ハウス食品グループが長年研究している乳酸菌「L-137」もその一つです。このレポートでは、8月2日に開催した乳酸菌「L-137」の特長や機能を紹介した、「乳酸菌フォーラム2018」の模様をご紹介します。
フォーラムでは、グループの健康食品事業を担うハウスウェルネスフーズの代表取締役社長の広浦康勝らが
登壇し、芝浦工業大学の山下教授に乳酸菌の種類やその特徴についてご説明いただきました。
■日時 :2018年8月2日(木)
■場所 :芝浦工業大学 豊洲キャンパス
■内容 :(1)健康づくりをドメインとした乳酸菌市場の創造
/ ハウスウェルネスフーズ株式会社 代表取締役社長 広浦康勝
(2)【基調講演】乳酸菌 ~未来を豊かにする微生物~
/ 芝浦工業大学 工学部 応用化学科教授 山下光雄様
(3)乳酸菌「L-137」の特徴とその研究
/ ハウスウェルネスフーズ株式会社 研究部GM 廣瀬義隆
(4)ハウス食品グループの乳酸菌事業展開について
/ ハウスウェルネスフーズ株式会社 乳酸菌事業部長 曽我恒太郎
【フォーラム要旨】
健康づくりをドメインに乳酸菌市場の創造を目指す
ハウスウェルネスフーズ株式会社 代表取締役社長 広浦康勝
企業理念「明日への健康な暮らしに奉仕する」のもと、私たちはお客様の
「元気」をお手伝いする企業であり続けることを目指しています。独自の
健康価値をお届けするために、今回は、乳酸菌「L-137」を活用し、
新しい市場創造に取り組みます。
我々の乳酸菌は、免疫の活性化に高い力を有していることが最大の特徴で
す。その研究成果が認められ、すでに海外でのサプリメント原料や、国内
外の畜水産飼料分野で採用されています。
今後、あらゆる食シーンで乳酸菌「L-137」を摂取いただけるよう、
ハウス食品グループトータルで幅広い提案をしていきます。人々の健康づくりに役立つ乳酸菌として、お客様の
健康づくりのお役立ちになるのだという、私たちの強い想いを是非自信をもって伝え、健康づくりをドメイン
とした乳酸菌市場を創造に力を尽くしてまいります。
未来を豊かにする微生物、乳酸菌
芝浦工業大学 工学部 応用化学科 山下光雄教授
腸内細菌がさまざまな病気を引き起こしていることがわかってます。
体内環境を良くしようとしたときに乳酸菌に注目しました。
乳酸菌は昔からヨーグルト、チーズ、漬物などの食品の加工に利用され
てきました。
近年では乳酸菌は人体に良い影響を与える微生物(プロバイオティク
ス)として注目されています。
一般には、乳酸菌の整腸作用が有名ですが、その他にも免疫の活性化を
促すものや高血圧を予防するものなどさまざまな効果が認められていま
す。
「L-137」は東南アジアの発酵食品から発見された植物系乳酸菌で免疫の活性化を促す乳酸菌です。
熱加工が容易なことから、さまざまな食品への添加に適しています。「L-137」は、その強力な免疫活性化力
をいかし、アレルギー改善を目指した研究が進められるなど、さまざまな可能性を秘めています。
まさに未来を豊かにする乳酸菌として研究が続けられています。
免疫活性力が高い乳酸菌「L-137」
ハウスウェルネスフーズ研究部GM 廣瀬義隆
ハウスの乳酸菌は発酵食品から分離された乳酸菌の「Lactobacillus
plantarumL-137」を培養し加熱処理後に製剤化したものです。
Lactobacillus plantarum は、ザワークラウト、ピクルス、サワー
ドウ、乳製品等の食品、ヒトの口の中、消化管にも広く存在し、非常に安全性
の高い乳酸菌です。
「L-137」の最大の特徴は、免疫細胞の「IL-12」(※)を作らせる能力(産生誘導能)が非常に高い乳酸菌であるということです。
(※「IL-12」は免疫力を評価するために用いられる指標)
「菌の数」や「産生誘導能」は、培養時間によって変化してしまうため、最も良い状態で安定させるために加熱
殺菌処理を行っています。この加熱処理により、常温でも活性を保ったまま保存ができる高い安定性を誇り、
さまざまな分野での応用も期待できます。
「L-137」の高い免疫活性力により、「風邪予防」や「歯周病改善」、「体調(QOL)向上」といった臨床試験
結果が得られています。
乳酸菌事業を通じて『食で健康』を提供する
ハウスウェルネスフーズ乳酸菌事業部長 曽我恒太郎
ハウス食品グループとしての乳酸菌事業のミッションを「すべてのお客様に
『食で健康』を提供する」とおいています。
すなわち、乳酸菌「L-137」を活用して
1.抗生物質を極力減らして育成した畜水産物の供給に寄与したい
2.ヒトの健康長寿をサポートし、いつまでも健康に過ごせるよう貢献したい
という社会課題の解決をめざします。
一つ目の「脱・抗生物質」の社会課題には、すでに乳酸菌を畜水産物の飼料
に添加する形で国内外で提案しています。例えば、エビの養殖では、ベトナム国家水産局との共同試験で
「L-137」の有用性を確認しています。その他に養鶏や養豚でも「L-137」を飼料添加剤として
提供しています。
二つ目の健康長寿へのサポートという社会課題へは、ハウス食品グループ全体で乳酸菌を配合した製品を企画
していきます。機能性素材としての原料供給も提案し、すべてのお客様に「食で健康」を提供してまいります。
■ご参考 乳酸菌HK L-137研究所
https://health.housefoods.jp/hkl-137/