この度、馬路村農業協同組合(所在地:高知県安芸郡馬路村、代表理事組合長:北岡 雄一)は第62回農林水産祭の多角化経営部門の天皇杯を受賞しました。多角化経営部門での受賞は高知県初の受賞です。
「第62回農林水産祭 多角化経営部門 天皇杯」受賞について
馬路村は、県東部の徳島県との県境に位置し、周囲を標高 1,000m級の山に囲まれて おり、村の総面積の約 96%が森林となっている人口800人の小さな村です。
馬路村のゆずは昭和38年に始まりました。
林業が衰退する中で、新たな産業として一縷の望みをかけたゆずの栽培と販売は農業協同組合にとって責任重大なものでした。生産者の生活を支えるためにはゆずを販売するしかない。しかし、当時はゆずを知っている人は少なく、日本全国の百貨店催事に出店させていただくものの手に取ってもらえることは少ない状況でした。
どうすれば、消費者にゆずを手に取ってもらえるのか。
どうすれば、ゆずを美味しいと思ってもらえるのか。
たくさんの方に助けてもらいながら、考え続けて60年。
消費者に普段からゆずを味わってもらえるよう、商品開発を行い、ぽん酢やドリンクを販売。
生産者のゆずを無駄なく使うため、皮はジャム・ゆずこしょうに、種はスキンケア商品に、残る部分は村の製材所のおが屑と混ぜて堆肥にし、生産者へ無料で配布を行いました。
消費者が安心してゆず商品を手に取れるよう、平成13年から有機農業やそれに則った栽培を全農家で実施しています。
商品製造や受注、発送は村内に施設を整備し、ほぼ自組合で行うことで委託の場合のコストを減らし、生産者への利益の確保や地域雇用にも一役買っています。
現在は、インスタグラムや、フェイスブックなど若手チームによるSNSでの情報発信、楽天等への出店など、新たな販売チャネルの開拓も積極的に行い、幅広い世代へのアプローチを試みたり、販路拡大のため加工品の輸出も順次拡大しています。
このような、「ゆず」での事業を多岐にわたり長年継続してきたことが、今回の受賞において評価していただけました。
今後の展望
同組合は今後もゆずのあらゆる可能性を模索しながら事業に邁進する所存である。
また、今年は、コロナ前は全国から3~4千人が参加していた「ゆずはじまる祭り」というその年のゆずの実りを祝うお祭りが4年ぶりに行われる。
ゆずづくしの郷土料理が楽しめるほか限定スイーツ、限定ドリンクも楽しめる。
生産者と消費者が顔を合わせ、馬路村を満喫するイベントとなっている。
このように生産者と消費者を結びつけるのも農業協同組合の大切な役目としている。
【会社概要】
社名:馬路村農業協同組合
所在地:高知県安芸郡馬路村3888-4
代表理事組合長:北岡 雄一
事業内容:ゆず製品の製造・販売
設立:1948年(昭和23年)6月15日
HP:https://www.yuzu.or.jp/