1万軒を超える生産者ネットワークと、認知度・利用率など9つのNo.1(※1)を持つ日本最大の産直通販サイト(※2)「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデン(本社:東京都港区、代表取締役社長:秋元里奈)は、2024年から日本全国で続く米価格の上昇と供給不足をうけて、生産現場で実際に起きている変化を把握・発信するため、登録生産者に対して緊急実態調査を実施しました。
調査の結果、今回の価格上昇に伴い利益の増加を実感している生産者は60%超に上りました。一方で令和6年産米の2024年9月時点の相対取引価格(※3)について約52%の生産者が「依然として安い」と回答。また、酷暑や水不足の影響により、収量の減少や2等米・3等米の割合増加といった変化を感じている生産者もおり、一時的な価格変動ではなく米の持続的な生産に直結する構造的な課題が浮き彫りになりました。
食べチョクは日本最大の産直通販サイトとして、生産現場の実情を伝え、生産者・消費者と共に持続可能な米づくりを考えるきっかけを提供してまいります。その第一弾として本調査の詳細をまとめた特設ページを開設しました。
URL:https://www.tabechoku.com/feature_articles/rice_Investigation202505

・調査実施の背景
米の販売時に決まる、JA全農などの出荷業者と卸売業者との間で交渉される「相対取引価格」は2004年ごろから20年以上横ばいの状態が続いていました(※4)。過去5年間の相対取引価格の平均値は約12,000円から16,000円(玄米60kgあたり)を推移しています。
しかし2022年以降、肥料・農機・資材などのコストが世界的な物価上昇の影響で高騰し、生産者の負担が増加しています。
その後2024年から米の価格が上昇を始め、令和6年産米は2024年9月時点で22,700円となり2025年4月時点では27,102円まで上昇しています(※6)。
スーパーなどでの小売販売価格(5kgあたり)は、2024年6月時点で2,200円程度、2024年9月時点で3,000~3,500円程度に上昇し、2025年4月にはおよそ4,200円となっています。

米の価格上昇や品薄傾向に対して、消費者からは戸惑いや不安の声も寄せられています。一方、生産現場ではコストの上昇や気候変動の影響により、安定的な生産維持のための新たな対策に迫られています。
こうした背景を踏まえ、全国1万軒以上の生産者が集うプラットフォームとして、現場の声を可視化し発信することが、米の持続的な生産について生産者と消費者双方と考えていくための第一歩になると思い、今回のアンケート調査を実施しました。
今後も状況に応じて必要な調査を続けていく予定です。
・米の生産者に行った実態調査結果サマリー
■調査概要
調査対象:食べチョクに登録している全国の米の生産者
調査期間:2025年5月16日(金)~5月21日(水)
調査方法:インターネットによる任意回答
回答人数:111人
■令和6年産の米の供給は逼迫。約34%が増産方針を検討
令和6年産米について、「在庫が逼迫している」もしくは「在庫が無い」と回答した生産者は全体の約85%に上りました。一方で、「毎年余っていた米が今年はすべて完売した」と喜ぶ声も多く寄せられています。

■作況指数と比較して42%が「自身の生産量は指数より少ないと感じる」
令和6年産米の生産量について、「農林水産省が発表している作況指数(※7)の『101』と比較して自身の生産量は少ないと感じる」と回答した生産者は、全体の42%に上りました。
理由として挙げられたのは、「夏の酷暑や水不足、水温の上昇によって米の品質が低下し、2等米・3等米の割合が増えた」というものです。
作況指数は玄米の数量ベースで算出される指標です。品質低下により等級が下がると、精米時に砕ける米の割合が増え、実際に流通可能な量が減少することも、乖離の一因と考えられます。

■現在の価格は「ようやく適正」という声も。半数以上が「まだ安い」と回答
令和6年産米の市場流通における相対取引価格の平均は、2024年9月時点で玄米60kgあたり22,700円となっています。同時期の小売価格の平均は3,000円から3,500円程度となっています。この価格について「妥当」と感じる生産者が約38%、「少し安い」または「とても安い」と感じる生産者が約52%を占める結果になりました。
生産者からは「肥料・燃料・人件費などのコスト上昇は長年価格に反映されてこなかった。ようやく適正価格に近づいた」といった声も寄せられています。

■約34%の生産者が作付面積を拡大予定
米の需要増加をうけて「今後主食用米の作付面積を増やす予定はあるか」という質問に対し、「増やす予定はない」と回答した生産者が約55%となりました。一方で「増やす予定」と回答した生産者は約34%に上りました。手段としては「飼料用米からの転換」や「新たに土地を買い取る」などが挙げられています。
また、令和7年産米の単収(面積10aあたりの米の生産量)の見込みについては約20%が増える見込み、約44.6%が平年並みという結果となりました。

■価格を決定できる直販の割合を増やす生産者が約32%
令和6年産米の販路と令和7年産米の販路(予定)を比較した時、直売所や産直ECなどの直販での米の販売割合を増やす方針の生産者が約32%に上りました。今回の需要の高まりをうけて、安定した収入の確保に向けて見直す生産者も出てきています。

・その他の生産者の声(一部抜粋)
・近隣ではどの家も在庫が空になり、今年は張り切って田植えをしています。地域での販売価格は例年の1割増くらいですが、長年売れなかった米が出払い、生産者の表情も明るいです。(群馬県・米生産歴15年以上)
・コロナ禍で売り上げが下がり施設や機械の更新が出来ず厳しい思いをした生産者が多いので、価格が上がることはとても助かります。ただ、価格が上がり過ぎて米離れに繋がるとまた価格が暴落してしまうのではと心配しています。(長野県・米生産歴20年以上)
・今まで米はあって当たり前で、価格も長年同じでした。しかし、米の生産コストである資材や機械の高騰で、農家の所得は減少しています。本来5kgあたり3500円以上はないと持続的な生産は厳しい状態です。後継者の育成のためにも理解してもらえると嬉しいです。(山形県・米生産歴10年以上)
・購入する側も、栽培する側も、お互いが持続可能な関係づくりを意識していただけるとありがたいです。ただ安くなってほしいとか、高くしないと生産者が続かないとか、片側の利害だけを強調しても解決せず、互いの状況を理解することが必要だと感じます。(北海道・米生産歴5年以上)
・米不足の中、今年から米作りをやめる生産者が周りに多いです。昨今の夏の暑さは過酷で、草刈りや水管理など今までできていた作業が危険な作業になってきたことも理由の一つだと感じます。(愛知県、米生産歴20年以上)
・各設問について


・単収を増やすための対策としては「肥料の変更」「直播栽培の導入」「晩生品種の採用」「暑さに強い品種の採用」などが多く挙げられました。

<乖離を感じる理由として挙げられたコメント>
・(作況指数と比較すると少ないと感じる)気温の上昇で米の等級が下がったことで、精米した時に以前は30kgで3kgのロスとなっていましたが、昨年は5kgのロスとなりました。精米した時に米が小さくなり量が減るとの指摘もあります。自身の生産量自体も作況指数より少ないと感じます。(千葉県・米生産歴20年以上)
・(作況指数と比較すると多いと感じる)自身がいる地域は高温障害で不作傾向でしたが、自身は稲刈を従来より2週間程度遅らせて、夏場の高温を乗り切ったことで単収を増やすことができました。(埼玉県・米生産歴15年以上)



<気候変動や環境の変化への対策に関するコメント>
・カメムシやジャンボタニシの食害が年々増えてきていると感じる(三重県・米生産歴20年以上)
・夏場の高温で稲が疲れてしまい、粒が小さくなったり、収量も減少する傾向がある(佐賀県・米生産歴20年以上)
・除草の回数が増えて、負担も年々大きくなっている(岩手県・米生産歴20年以上)
・気温上昇だけでなく、農地が宅地に変わることで局地的に温度が上がっている。農業用水の管理も担い手不足で今後厳しくなってくる(富山県・米生産歴15年以上)



・食べチョクの米に関する取り組みについて
■産地直送で厳選米が毎月届く定期便「食べチョク お米あんしん便」
「食べチョク お米あんしん便」は、「安心して米を買いたい」という声に応える、定期便サービスです。食べチョクが全国から厳選した登録生産者の米を、毎月ご自宅へ産地直送でお届け。価格は解約するまで一定、在庫も事前に確保されているため、品薄や価格高騰の影響を受けることなく、毎月おいしい米を受け取ることができます。
詳細はこちら:https://www.tabechoku.com/subscriptions/rice
※ご好評につき新規注文受付を一時停止しています。再販を行う際は「通知登録」をいただいた方から優先的に、販売再開のご案内をいたします。
■お米特集ページ
食べチョクでは全国250軒以上の米の生産者が販売しています。米の品種ごとの特徴に合わせた商品の紹介や米生産者のこだわりなどを紹介する特集ページを開設しました。
詳細はこちら:https://www.tabechoku.com/ulp/rice/
・食べチョクの「生産者非常事態サポート室」について
■概要
・新型コロナウイルスによる百貨店や飲食店・イベントなどからの仕入れ減
・盗難や除草剤散布などの犯罪による被害
・台風や豪雨などの自然災害
・気候変動や外部要因による価格の乱高下 など
上記のような要因に影響を受ける生産者状況を正しく把握・発信しサポートしていくために「生産者非常事態サポート室」を常設しています。
URL:https://www.tabechoku.com/feature_articles/sos_support_program
■サポート内容
(1)費用が高騰している生産者さんを応援する特集ページの開設
(2)SNSやプレスリリースによるリアルタイムな情報発信(#農家漁師からのSOS)
(3)予約商品などの出品サポート
(4)国・自治体が行っている補助金・助成金の情報発信(毎月)
・食べチョクが実施するサポートについて
食べチョクは、台風などの自然災害で被害を受けた生産者や、新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰などの影響で経営環境が急激に悪化した生産者に対するサポートを行ってきました。
■2024年6月 さくらんぼの高温障害をうけて、さくらんぼ生産者へ支援プログラムを実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000273.000025043.html
■2024年1月 令和6年能登半島地震に関する支援プログラム実施
避難所への食材提供と被災生産者向け支援プログラムを開始。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000025043.html
■2023年8月 ALPS処理水放出開始に伴い、食べチョクが漁業者向けサポートを実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000231.000025043.html
■2023年7月 大雨による被災生産者向け支援プログラムを実施
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000226.000025043.html
■2023年3月 酪農家支援
対象商品1購入あたり100円を食べチョクから生産者に寄付及び食べチョクに新規登録する酪農家の審査体制を強化。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000025043.html
■2022年8月 東北地方を中心とした大雨被害
商品をすぐに販売できない生産者のために応援チケット500円の販売。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000025043.html
■2022年6月 物価高騰で経営環境が悪化している生産者のサポート
生産者の現状と値上げに関する消費者への理解を促す特集ページの開設や商品の値上げに伴う問い合わせのサポートを実施。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000025043.html
■2021年8月 大雨被害
1購入あたり300円を生産者に寄付・1口500円の応援チケットを販売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000025043.html
■2021年7月 新型コロナウイルス<緊急事態宣言>
「売り上げの早期入金」と「お酒の生産者応援プログラム」を実施。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000025043.html
■2020年9月 台風9号・10号
サポートを必要としている生産者の商品を特集・発信・予約商品の出品サポート。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000025043.html
■2020年7月 豪雨被害
特集ページの開設・1注文あたり300円を生産者に寄付・予約商品の出品サポート。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000025043.html
■2020年4月 新型コロナウイルス
フランスのフレンチシェフ率いる団体「一般社団法人CookForJapan」の全国のシェフとコラボして、「おうちで作れる本格レシピ付き食材」を販売。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000025043.html
■2020年3月 新型コロナウイルス <緊急事態宣言>
飲食店向けに、全商品10%を食べチョクが負担・購入いただいた飲食店を公式SNSで紹介。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000025043.html
■2020年3月 新型コロナウイルス <緊急事態宣言>
全商品の送料500円を食べチョクが負担する「生産者応援プログラム」を実施。
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000025043.html
■2019年10月 台風19号
りんごの被災農家のレシピと商品をシェフ団体「一般社団法人CookForJapan」と一緒に発信。
(※1)国内の産直通販サイトの中で「お客様認知度」「お客様利用率」「お客様利用意向」「Webアクセス数」「SNSフォロワー数」「生産者数」「生産者認知度」「生産者利用率」「生産者利用意向」の9つでNo.1を獲得。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000025043.html
(※2)産直通販サイト:生産者が消費者の自宅へ商品を直送することを特徴とする生産者特化型の通販サイト
(※3)相対取引価格とは、全国農業協同組合連合会(JA全農)などの出荷団体と卸売業者との間で、主食用米を取引する際の価格のこと
(※4)農林水産省「長期的な主食用米の価格の動向」より
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
(※5)農林水産省「スーパーでの販売数量・価格の推移」よりhttps://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/r6_kome_ryutu.html
(※6)農林水産省「相対取引価格の推移(平成24年産~令和6年産)」より
https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/aitaikakaku.html
(※7)水田10a当たり平年収穫量(平年値)を100とした時の、その年の収穫量を示す指数のこと
・食べチョクについて
食べチョクは、こだわり生産者から直接食材や花きを購入できる産直通販サイトです。日本の産直通販サイトの中で認知度や利用率などの9つのNo.1(※1)を獲得しています。
野菜・果物をはじめ、米・肉・?・飲料といった食材全般と、花き類を取り扱っており、消費者が生産者に食べた感想を伝えるなど直接やりとりできることが特徴です。
また、好みに合う生産者を選んでくれる野菜定期便「食べチョクコンシェルジュ」など5つの定期便を提供。さらに、企業の福利厚生や販促キャンペーンに活用できる法人向けサービス「食べチョク for Business」や、ふるさと納税の返礼品として食べチョク生産者の食材を楽しめる「食べチョクふるさと納税」も展開しています。
2025年5月時点でユーザー数は110万人、登録生産者数は10,000軒を突破し、約5万点のこだわりの逸品が出品されています。
・URL:https://www.tabechoku.com/
・公式X(Twitter):https://twitter.com/tabechoku
・公式Instagram:https://www.instagram.com/tabechoku/
・食べチョクのコンセプトやストーリーがわかるサービス紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=MdbFpqtryaU
・ビビッドガーデンについて
代表者:代表取締役社長 秋元里奈
本社所在地:東京都港区浜松町1丁目7番3号 第一ビル4F
設立日:2016年11月29日
事業内容:全国の生産者から食材や花などを直接購入できる産直通販サイト「食べチョク」、ネットスーパー「食べチョク ドットミィ」、生産者の顔が見える冷凍食品ブランド「Vivid TABLE」の開発・運営
会社HP:https://vivid-garden.co.jp/