書籍「世界のビジネスエリートが身につけているコーヒーの教養」を刊行

掲載日: 2025年05月20日 /提供:坂ノ途中

産地で持続可能なコーヒー生産に取り組む著者が、コーヒーを通して政治や経済の動きを紐解く

東南アジアを中心に産地の森林保全と所得確保に取り組む、株式会社坂ノ途中海ノ向こうコーヒー事業部の執行役員・山本博文が、書籍『世界のビジネスエリートが身につけているコーヒーの教養』を出版しました。本書では、コーヒーとビジネスパーソンの関わりを切り口に、コーヒーを通して世界の政治や経済の動きを紐解いています。

書籍『世界のビジネスエリートが身につけているコーヒーの教養』

たとえば、2025年2月末のコーヒー相場は、史上最高値を更新しました。価格高騰のニュースとして、ウクライナ情勢による先物商品の相場上昇やアジア圏でのコーヒーの需要拡大などが主要因として語られます。

一方、産地では、都市への人口流出が進んだことにより人手不足が深刻化し、収穫量や品質が低下する、クーデターなどの情勢不安によって交通網が遮断され、輸送が不安定になるなど、コーヒー生産にも影響を与えるダイナミックな社会の変化が起きています。

普段なにげなく飲んでいる一杯が、その背景を知り、生産国と消費国で暮らす人々に思いを馳せることで、グローバルで多角的な視点をもつことにつながる──。コーヒーを通して、ビジネスパーソンとしての、ものごとの見方や考え方のヒントを得られる一冊です。

そのほか、日常でコーヒーを楽しむための知識や飲み方、淹れ方、選び方のコツなどもご紹介しています。

【書籍情報】
・書籍名:「世界のビジネスエリートが身につけているコーヒーの教養」
・著者:山本 博文
・発行元:株式会社あさ出版
・ページ数:304ページ
・ISBN:978-4-86667-747-7
・価格:1,815円(10%税込)
・刊行日:2025年4月15日
・海ノ向こうコーヒー書籍販売サイトURL:https://uminomukou.bcart.jp/product.php?id=1724


著者コメント


株式会社坂ノ途中 海ノ向こうコーヒー 執行役員 山本博文

コーヒーは商品なので、「品質と価格」という視点で、その価値が語られることが多くあります。ですが、コーヒーは農作物でもあるので、その「作り手や栽培環境」に焦点を当てると、さらに魅力が広がります。

今回、本を上梓する機会をいただき、私が出会ったコーヒーサプライチェーンの中で活動する魅力的な各プレイヤーについて、できる限り紹介しています。

きっと今までとは違ったコーヒーの魅力を感じていただけると思います。本を読み終えた後に、毎日のコーヒーがさらに味わい深い一杯になれば幸いです。

【著者プロフィール】
山本 博文(やまもと ひろふみ)
株式会社坂ノ途中 海ノ向こうコーヒー事業部 執行役員。
2013年から2年間、フィリピンのベンゲット州立大学に留学し、アグロフォレストリー研究所(Institute of Highland Farming Systems and Agroforestry)でコーヒー栽培について研究。現地NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」と協力し、農家への栽培指導や植林活動を行う。帰国後は東ティモールやミャンマーでコーヒー生産向上事業に従事した後、2020年より現職。コーヒー生豆商社としての活動だけでなく、生産地への訪問や技術指導を通してフェアトレードや環境保護など持続可能なコーヒー生産のための事業を立ち上げるなど第一線で活躍。世界各国のコーヒー産地と日本市場をつなぐ活動を行っている。


海ノ向こうコーヒーの取り組み






海ノ向こうコーヒーは、東南アジアを中心に、コーヒーの栽培方法や精製プロセスの見直し、資金や販路構築のサポートを通して、産地の豊かな環境や人々の暮らしを未来につなぐことを目指しています。

気候変動が深刻化するなか、世界の森林は、火災や干ばつ、農地への転用などによって、年平均470万ヘクタールが減少しており*1、EUでは、EUDR(欧州森林破壊防止規則)*2を制定、2025年12月から一部企業への適用が始まります。コーヒー業界でも、2050年までにコーヒー栽培に適した土地が半減するという「2050年問題」が危惧されており、東南アジアでは、短いサイクルでの焼畑農業や大規模なプランテーション開発によって、森林が減少し続けています。

海ノ向こうコーヒーでは、日陰を好むコーヒーの特性に着目し、森を守りながら農作物を育てる「アグロフォレストリー」を推進。9か国では産地の栽培サポートから携わり、現在、世界30か国、100種類以上の生豆を販売し、約6,700軒のロースターやカフェ、飲食店に卸しています。また、現地で暮らす人々の収入確保も目指し、国際協力にも取り組んできました。現在、ラオスでは、コーヒー生産を通して現地の生活基盤を支える、WFP(国連世界食糧計画)との共同プロジェクトが進行中です。

本書では、海ノ向こうコーヒーの取り組みについてもご紹介、産地とともに歩んできた著者だからこそ語れる、現地の暮らしや直面する課題についてもお伝えしています。

海ノ向こうコーヒーURL:https://uminomukou.com/

*1 林野庁.(2020年).世界森林資源評価2020主な調査結果(仮訳)(FRA2020 Key findings)https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/index.html
*2 森林減少防止を目的として、EU域内で流通する特定の品目に関し、当該品目の生産において森林減少を引き起こしていないことの確認(森林デューデリジェンス)等を義務化する規則。
農林水産省.(2024年).「EUの森林減少防止に関する規則への対応について」https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/EUDR.html

株式会社坂ノ途中


「100年先もつづく、農業を。」というメッセージを掲げ、農薬や化学肥料不使用で栽培された農産物の販売を行っています。提携生産者の約8割が新規就農者。少量不安定な生産でも品質が高ければ適正な価格で販売できる仕組みを構築することで、環境負荷の小さい農業を実践する生産者の増加を目指しています。東南アジアの山間地域で高品質なコーヒーを栽培することで森林保全と山間地での所得確保の両立を目指す「海ノ向こうコーヒー」も展開。「坂ノ途中の研究室」では、自治体、大学や企業と連携した調査、研究のほか、就農希望者向けの研修を実施。農業分野を代表するソーシャルベンチャーとして事業成長を続けています。
京都市「これからの1000年を紡ぐ企業」、経済産業省「地域未来牽引企業」「J-Startup Impact」など、受賞多数。

代表者:小野 邦彦
本社所在地:京都市南区上鳥羽高畠町56
設立日:2009年7月21日
資本金:50百万円
会社URL:https://www.on-the-slope.com/corporate/

bnr_500_menuplus.png 記事下バナー

注目のキーワード

すべてのキーワード

業界

トピックス

地域