【北海道白糠町】今年のいくらはいくら!?激しい価格変動の裏にひそむ“鮭危機”と、それでも極上を届ける【広洋水産】

掲載日: 2025年04月24日 /提供:北海道白糠町

2025年5月16日(金)より「すぐにお届けキャンペーン」を開催、お待たせせずにいくらをお届け!




北海道の東部・釧路市の西隣に位置する白糠町(しらぬかちょう)は、豊かな自然に恵まれ漁業、林業、酪農などが盛んなまちです。町内には茶路川、庶路川、音別川と鮭が産卵に帰ってくる川が3本もある恵まれた立地から「秋鮭」「いくら」の漁獲量が高く、ふるさと納税の返礼品としても絶大な人気を誇っています。2025年5月16日(金)から期間限定で、白糠町へのふるさと納税で対象のいくらの返礼品をお申込みいただきますと、お待たせしないでお届けする「すぐにお届けキャンペーン」を開催します。

北海道白糠町で「シラリカいくら」などのブランドいくらを製造販売し、日本に初めて「いくらの醤油漬け」を広めた老舗でもある、広洋水産株式会社の営業部長・工藤 啓介(くどう けいすけ)さんにお話をうかがいました。
?白糠町note: https://note.com/_shiranukacho/

広洋水産株式会社 営業部 部長 工藤啓介さん。いくらに携わって23年。

かつての「当たり前」が、今や「希少」に



工藤さん:10年、20年前は、鮭の漁獲量15万トンのラインが“豊漁か不漁か”の基準だったんです。しかし今では、北海道全体の鮭の漁獲量は5万トンに届くかどうか。わずか3分の1にまで減ってしまいました。
いくらは、ご存知の通り鮭の卵から作られます。つまり、鮭の数が減るということは、いくらも減るということ。かつては国内のいくらの消費はその多くが日本国内でまかなわれていましたが、今や海外産の卵を冷凍して持ってきて、日本で加工するという方法が主流に。中でも、現在はアメリカ産の鮭の卵が多くを占めています。
北海道産の鮭から獲るいくらの生産は、毎年9月・10月のみに限られます。卵を抱えた鮭が、産卵の為に海から生まれ故郷の川へと戻って来るのがその時期のためです。9~10月に生産されたいくらは、その後1年間かけて販売されます。冷凍の輸入品とは違い、生産時期が限定されているため、供給がタイトなのです。
北海道産の鮭のいくらは、当社では生のまま工場に運び、一度も冷凍せずに腹から卵を取り出して、すぐにいくらへと加工します。冷凍状態で入って来る海外産の卵とは、品質が大きく変わるのはそのためです。

世界的な需要の高まりと価格高騰



工藤さん:いくらの供給が減っている一方で、需要は世界的に高まっています。昨今の健康ブームにより日本食への注目が高まっています。日本食レストランの海外展開、回転寿司チェーンのグローバル進出などにより、海外でもいくらを食べる文化が広がっています。
いくらの主要な供給国はアメリカとロシア。しかし、ロシアではいくらの国内消費が非常に多く、2024年は、ロシア産のいくらはほぼ全てがロシア国内で消費されてしまいました。これにより、世界中の需要がアメリカ産に集中し、いくらの国際価格が急騰する原因にもなっています。

日本と海外の“いくら文化”の違い



工藤さん:日本では「醤油漬け」が一般的ですが、海外では「塩いくら」が主流です。いくらがメインになることはなく、オードブルやトッピングとして使われます。つまり、食文化の違いもいくらのあり方に大きく影響しています。
実は日本に「いくらの醤油漬け」を広めたのは、当社です。1988年に当時としては珍しかったいくらの醤油漬けの生産を開始しました。社内には「我こそが醤油漬けいくらの第一発案者だ!」という人が何人もいます(笑)
醤油は酸化しやすいので、どこもやろうとはしなかった。しかし当社では「窒素置換」という、パッケージングの際に酸素を抜き窒素で満たすことで酸化を防ぐ技術がありました。そこで「いくらの醤油漬け」も高い品質を担保でき、他社に先駆けて始めたという背景があります。

工藤さんイチ推しの食べ方は「いくら丼」。「白いご飯との相性が抜群、いくら本来の旨味を楽しめる!海苔を合わせるのもお勧め」とのこと。

いくらの価格変動と日本市場の今

生鮭の腹から卵を取り出す。2024年秋に寄付者を招待した白糠町モニターツアーでの体験の一幕

工藤さん:いくらの価格は年によって最大5,000円/kgほども変動します。多数ある魚種の中でも、最も変動が大きい部類に入ります。2024年は、北海道に限らず世界的に鮭が不漁。それを受けいくらの価格は高騰しました。ますます希少価値が高まり、日本では高級品となっています。
気軽に普段から食べられる食材ではなくなってしまったため、日本国内の消費量はかつて1万トンと言われていましたが、近年では7,000~8,000トンにまで落ち込んでいます。当社としては、なんとか手に取りやすい価格で提供したいと考えていますが、全世界的な情勢から大変厳しい状況となっています。
そんな中でも、ふるさと納税返礼品として展開しているいくらはよく出ていて、リピートしてくださる方も多く、値段に見合う価値を認めて頂けているのだと嬉しく思います。寄付者の方からは「毎年楽しみにしている」といった嬉しいお声も届き、大変励みになっています。
高くても買ってくれる人がいる。それは、本当にありがたいことです。そのお客様を裏切ることはできませんから、品質を担保できないなら、いっそ作らない。それくらいの覚悟でやっています。一方で、いくらが日本から消えて良いのか。それは、絶対に良くない。
いくらという食文化は未来に残していかなければならない。そのジレンマに苦しんでいるのも事実です。

参考資料:表は白糠町のふるさと納税返礼品におけるいくらの価格(返礼額)推移の100g当り換算。年によって価格の変動があり、2024年は世界的な鮭の不漁と需要増を背景に高値となりました。

毎年楽しみにしている人が、日本中に増加中!「シラリカいくら」とは



工藤さん:広洋水産が手がけるブランドいくら「シラリカいくら」は、北海道白糠町の自然と培われた技術が融合した、高品質のいくらです。鮮度を最重視し、9月から10月の最良の時期に獲れる完熟卵を使用。水揚げされた鮭は迅速に工場へ運ばれ、採卵から洗浄、醤油ダレへの漬け込みまでをわずか30分で行う一貫したスピード加工が特徴です。
さらに、洗浄には10度以下の塩水を使用し、酸化を防ぐために窒素置換包装を採用。-196度の窒素ガスによる急速冷凍技術により、旨味を閉じ込め、保存料を使用せずに賞味期限1年を実現しています。これらの徹底したこだわりが、シラリカいくらの上品な味わいと食感を生み出しています。





?シラリカいくら ブランドサイト https://www.shirarikaikura.com/

天然鮭不漁の切り札?養殖鮭は代替になるのか
工藤さん:今、スーパーに並ぶ鮭の切り身は、ほとんどがチリやノルウェーの養殖魚。しかし、養殖鮭からいくらを採るのは容易ではありません。養殖で卵を大きく育てようとすると、親魚の身に脂がのらなくなるなど品質が下がる問題があり、養殖業者にとっては経済的なリスクが大きいのです。
そういった背景もあり、現在の養殖卵は「粒が小さい」。当社でも試験的に養殖のマスの卵を扱っていますが、粒が小さくて「とびっこの親分」くらいのサイズです。できれば使いたくないのが本音です。

いくらの未来は、どこへ向かうのか



工藤さん:地球温暖化による近年の海の変化は、鮭の生態に大きな影響を与えています。放流した鮭の稚魚が戻ってこないことについては、
・温暖化で稚魚が育たず死んでしまう
・外洋で大型魚に食べられてしまう
・海流の変化で戻ってこない
などの仮説がありながらも、「どこに行ってしまったか、はっきりとは分からない」というのが現状です。日本各地で孵化・放流の取り組みは続けられていますが、帰ってこない鮭に悩む日々です。
やっぱり天然が一番。その想いは強いですが、このままでは養殖も考えなきゃいけないかもしれないですね。現状では品質やコストの面から養殖いくらに完全移行するのは難しい。しかし、技術が進化すれば「親魚の身を捨ててでも卵に全振りする」というような新たな養殖モデルも登場するかもしれません。

未来へとつなぎたい!いくらという大切な文化

2024年10月に開催された都内でのPOP UP「シラリカいくら食べ比べ亭」にて、シラリカいくらへのこだわりを語る工藤さん。

工藤さん:いくらって、ただの食材じゃないんですよ。自然の恵みと、僕らの技術と想いが詰まっているんです。
天然の鮭がどんどん減っていて、正直、毎年厳しくなっているのは事実です。でも、それでも“本物”を届け続けたいという気持ちは変わりません。品質に納得できないなら、いっそ作らない。そういう覚悟をもってやってます。
ありがたいことに、「毎年このいくらを家族で楽しみにしてる」っていう声も届くんです。そういう声がある限り、やっぱり未来にも、笑顔の食卓を届けていきたいんですよね。いくらは、次の世代へと受け継ぎ、未来に残していくべき文化だと思っています。

?ふるさと納税サイト:https://item.rakuten.co.jp/f016683-shiranuka/8700-30009076/

広洋水産株式会社〒088-0598 北海道白糠郡白糠町庶路甲区6-584
TEL:01547-5-2241
URL:https://koyo-suisan.co.jp/

※取引申し込み等に関しては事前連絡の上、了承を得たのちに訪問してください。






北海道白糠町のご紹介

北海道白糠町は北海道の東部に位置する人口約7,000人のまちです。
豊かな自然に恵まれ漁業、林業、酪農などが盛んです。太平洋沖の暖流と寒流が交わる絶好の漁場にあり、1年を通じて様々な海産物が獲れ、茶路川、庶路川、音別川と鮭が産卵に帰ってくる川が3本もある恵まれた立地から「秋鮭」「いくら」の漁獲量が高く、ふるさと納税の返礼品としても高い人気を誇っています。近年は「ブリ」の漁獲量が増え、「極寒ぶり(R)」として新たな名産品の一つになっています。



白糠町ホームページ:https://www.town.shiranuka.lg.jp/
白糠町公式note : https://note.com/_shiranukacho/
Instagram:https://www.instagram.com/shiranukacho_hokkaido/

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