東洋製罐グループホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大塚一男)は、このたび、トヨタアルバルク東京株式会社(代表取締役社長:林邦彦 本社:東京都文京区、以下「アルバルク東京」)とサステナブルパッケージパートナー契約を締結しました。
東洋製罐グループは、サステナブルパッケージパートナーとして、2025年秋に開業する「TOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)」にて、アリーナ内で利用する飲料・食品用の容器や、リサイクルステーションのプロデュースを行い、ごみを出さないアリーナを実現するためにリサイクルを推進していきます。

(左から、アルバルク東京 代表取締役社長 林邦彦、東洋製罐グループホールディングス 代表取締役社長 大塚一男)
■契約締結の背景・目的
東洋製罐グループは、2022-23シーズンよりアルバルク東京とSDGsパートナー契約を締結し、リサイクル可能な飲料用アルミカップや、紙コップを資源として循環させるための「Re-CUP WASHER」を導入することで、持続可能なアリーナ運営を目指してさまざまな検証を進めてきました。アリーナにおける紙コップの回収率は、2022-23シーズンが23.9%、2023-24シーズンは38.1%となっており、アリーナ内での紙コップのリサイクルに関する認知度が向上しました。また、2024-25シーズンからは食品用紙カップの回収実験も実施しています。
東洋製罐グループとアルバルク東京は、今後も資源循環の取り組みを拡大していくことを目的として、今回の契約締結に至りました。

■新アリーナで世界初採用のFFカップについて
今秋開業する「TOYOTA ARENA TOKYO」では、当社の連結子会社である東罐興業株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:田辺宏信、以下「東罐興業」)にて新開発した「FF(Film Forming)カップ」が世界で初めて正式採用されます。従来の紙コップや食品用紙カップは、内面を保護するためにポリエチレンの薄い膜を原紙に貼り合わせてから成型をしますが、本製品は原紙をカップ状に成型した後に内面にポリエチレンのフィルムを圧着するため、汁物や油物などの内容物が原紙に浸透しにくく、さまざまな食品に対応可能です。さらに、貼り合わせの条件を調整することで、食べ終わった後にフィルムをはがすことが可能です。そのため、内面の汚れなどの理由で産業廃棄物として焼却されたり、ダンボール等にしかリサイクルできなかった従来の食品用紙カップと違い、本製品はまた紙コップの原料として水平リサイクルできます。

また、リサイクルステーションについては、企画・設計デザインまで当社とアルバルク東京で共同でプロデュースしています。
ゴミの混在がリサイクルを行う上での一番の課題であるため、統一包材での提供、来場者の方が捨てやすく、回収業者も回収しやすいゴミ箱のデザイン・設計、回収後のリサイクル方法など、包材購入→提供→回収→リサイクルまで協議を重ね、リサイクルステーションの計画を進めています。
■FFカップの実証実験について
2025年2月1日~2日、アルバルク東京対琉球ゴールデンキングス戦が行われた代々木第一体育館にて、FFカップの実証実験を実施しました。480個の提供数に対して171個のカップが回収され、35.6%の回収率となりました。本実証実験により、内側のフィルムを分別することで食品用途の紙カップでもリサイクルが可能な紙資源として利用できることが確認されています。

この結果を受け、2025年4月5日~6日に行われたアルバルク東京対千葉ジェッツ戦では、同じく代々木第一体育館にてFFカップの提供数を1,040個に、回収場所も1か所から3か所に増やして検証を行いました。結果、425個のカップが回収され40.9%の回収率となりました。

■目指すは「CUP to CUP(紙コップの水平リサイクル)」
東洋製罐グループでは、紙コップの洗浄や回収を推進し、紙コップを水平リサイクルできる社会を実現するために、今後もさまざまな取り組みを実施していきます。東洋製罐グループとアルバルク東京では、これまでアリーナに足を運んだファンの皆様に、ご自身でカップ洗浄機「Re-CUP WASHER」を使って洗浄・分別回収いただき、その紙コップを利用して再生紙コップを製造しました。消費者自らが洗浄・回収した紙コップが再生紙コップとして生まれ変わるのは、国内初の取り組みとなります。この再生紙コップは、FFカップの回収実験の参加者やアンケートに回答いただいた方にノベルティとして配布しました。

消費者自身が洗浄・回収した紙コップの一部を原料とした再生紙コップ
■本契約締結についての両社長のコメント
東洋製罐グループホールディングス株式会社 代表取締役社長 大塚一男
包装容器は生活に必要なインフラですが、使い終わるとごみになります。東洋製罐グループは使用済みの容器をごみではなく“資源”だと捉えています。製品が生まれ、使われ、捨てられ、再生する全てのプロセスの中で、わたしたちは日々、品質と技術を進化させ、提供する必要があります。アリーナで利用する紙コップも大切な資源です。2025年秋開業のTOYOTA ARENA TOKYOにおいても、アルバルク東京様と一緒にRe-CUPプロジェクトを推進することで、多くの方の意識と行動変容につながると確信しております。

トヨタアルバルク東京株式会社 代表取締役社長 林邦彦 様
これまで「ALVARK Will」として社会的責任活動に取り組んでおり、2025年秋開業のTOYOTA ARENA TOKYOにおきましても「サステナビリティ」は重点テーマの一つとして掲げています。
2022-23シーズンよりご支援いただいております東洋製罐グループホールディングス株式会社様と共に更なるリサイクルを促進し、会場で発生する廃棄物の全量リサイクルを目指してまいります。また、包材の市場シェアが高い東洋製罐グループホールディングス様と継続的に行っているリサイクルの取組みを通じて来場者の方々のリサイクルに対する意識が日を追うごとに向上してきていることを実感しており、更なるサステナブルな取組みを推し進め、TOYOTA ARENA TOKYOからリサイクルへの取り組み意識の向上と、新たな資源循環社会への実現に向けて尽力してまいります。

■東洋製罐グループのオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」について
東洋製罐グループは、創業以来100年にわたり培ってきた容器の技術やノウハウを活用することで、一人ひとりが抱える社会課題を解決し、持続可能な未来の暮らしを創るオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」を2019年に開始しました。東洋製罐グループは、今後もアルバルク東京と共にさまざまな社会課題解決に挑んでいきます。

東洋製罐グループについて
東洋製罐グループは、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれの素材が持つ特性を活かしたさまざまな容器をグローバルに提供する総合包装容器メーカーです。包装容器事業のほか、エンジニアリング・充填・物流事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業、不動産関連事業の5つの事業を有しています。
当社グループは、社会や地球環境について長期的な視点で考え、すべてのステークホルダーの皆さまに提供する価値が最大化するよう、2050年を見据えた「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」を2021年5月に策定しました。当社グループの目指す姿・ありたい姿を「世界中のあらゆる人びとを安心・安全・豊かさでつつむ『くらしのプラットフォーム』」と位置づけ、「多様性が受け入れられ、一人ひとりがより自分らしく生活できる社会の実現」「地球環境に負荷を与えずに、人々の幸せなくらしがずっと未来へ受け継がれる社会の実現」を目指し、事業活動を推進していきます。
1917年に創立し、国内45社(東洋製罐グループホールディングス含む)、海外50社のグループ会社を擁し、約20,000人の従業員が働いています。2024年3月期の連結売上高は9,506億円です。
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