
■経緯
ソニー 食プロジェクトリーダーの野元知子氏より、研究開発中の録食技術に対応したハードウェア開発の相談を受け、当社はその可能性に強く共感し、共同開発に向けたディスカッションを行ってまいりました。その後、当社の2025大阪・関西万博への協賛が決定し、小山薫堂テーマ事業プロデューサーにも録食への取り組みをご案内、共感いただき、EARTH MARTのコンテンツの一つ、「味を記憶し、再現できるキッチン」に開発中の試作品を展示することとなりました。
■録食とは
録食とは次世代の調理のデータ化技術です。
料理の手順を写真やテキストで紹介するレシピアプリや調理の様子を撮影したレシピ動画とは異なり、録食では料理人が珠玉の一品を作り上げる調理プロセスを1秒、1℃、1gまで高精度に記録。そして独自の調理ナビゲーション通りに、録食対応の調理機器を使用して調理することで、料理を忠実に再現することをコンセプトに研究開発しています。
家族の絆を紡ぐ思い出の味や、遠く離れた場所でしか味わえなかった喜びを体験できる未来をめざしています。
URL: www.sony.com/ja/rokushoku
※「録食」はソニーグループ株式会社の登録商標です。
■録食対応 調理機器試作品
録食における「調理データの記録」と、「記録データの再生」に対応した、電磁誘導加熱(IH)機能を有した調理機器の試作品です。調理工程の記録や調理再現のため、食材の温度変化や水分蒸発量などを取得できる機能を搭載しています。
再生時には食材の状況に応じて自動で火力を調整し、調理をサポートします。
※2025年4月時点、研究開発中の試作品となります。

EARTH MARTでの展示の様子

録食対応 調理機器試作品

■フクシマガリレイ 代表取締役社長 福島 豪コメント
2022年1月から調理過程のデジタル化と味の再現について、ソニーの食プロジェクトは録食の技術を、当社は機械メーカーとして調理の記録・再生を可能とする対応ハードウェアを担当する形で共同開発してまいりました。これまで当社は業務用冷蔵庫などの”冷やす技術”を中心に製品開発をしてまいりましたが、このプロジェクトでは全く新しい技術にチャレンジすることになりました。
調理工程の記録や調理再現のため、食材の温度変化や水分蒸発量などのデータが取得可能なIH調理機器の開発へのチャレンジです。
録食は食を通じて人々のつながりを深め、豊かな体験を提供する素晴らしい技術です。
食の楽しさや大切さを広め、より多くの人々に喜びを届けられるよう、引き続き開発を進めてまいります。
■ソニーグループ株式会社 食プロジェクトリーダー 野元知子氏コメント
フクシマガリレイ様には録食対応の加熱調理機を共同で研究開発していただき、心より感謝申し上げます。音楽が録音(記録)されることにより、その感動が時と場所を超え人々のもとへ届けられるようになったように、料理も録食(記録)することで、時と場所を超え、料理人の想いや技を届けられるのではないか――私たちはそんな未来を描いています。
将来的にこの技術が食の現場に導入されることで、料理人にとっての新たな収益源や、食に関わるこれまでにない職業が生まれる可能性もあり、そうした未来創りに貢献する想いで研究開発を続けてまいります。
<フクシマガリレイ株式会社 会社概要>
代表者:代表取締役 社長執行役員 福島 豪
本社所在地:大阪府大阪市西淀川区竹島2-6-18
資本金:2億円
事業内容:業務用冷凍冷蔵庫、冷凍冷蔵ショーケース、その他冷凍機応用機器の製造・販売・メンテナンス、店舗システム、厨房総合システムの設計・施工
URL:https://www.galilei.co.jp/