鉄道会社の社員が自らAIを使いこなす文化を目指す。阪神電気鉄道・阪急阪神不動産の社員向けに「Difyを中心とした生成AIプロトタイプ作成研修」を実施…

更新日: 2025年03月31日 /提供:dotstudio

プロトタイピング専門スクール「プロトアウトスタジオ」が阪神電気鉄道・阪急阪神不動産の非IT部門に向けて実施。

小売、医療、飲食など多様な業界で「現場の人が自ら作る」プロトタイピング研修を実施しているプロトアウトスタジオ(運営: dotstudio株式会社)は、2025年2月、阪神電気鉄道株式会社および阪急阪神不動産株式会社に向けた「Difyを活用した生成AIアプリプロトタイプ作成研修」を実施いたしました。

本研修では、Difyを中心に最新の生成AI技術を活用し、参加者が自身の業務上の課題を解決するデジタルプロトタイプを制作。アイデアの具現化を通じて、技術の活用方法を実践的に学びました。



■ 鉄道会社の非IT部門の社員が自らデジタルツールを使い業務課題の改善へ
本研修は同社の非IT部門を中心とした社員を対象として実施しました。
AI開発プラットフォームのDifyを中心に、「技術の多様性とアイデアをカタチにする楽しさを感じつつ、作る感覚を身につける」こと及び「作る感覚を持った上で(生成AIなど)テクノロジーを使って、自身の周りの具体的な困りごとを解決するアイデアを考えられようになる」ことを目指し、授業、宿題、最終発表に取り組みました。

授業でテクノロジーと業務などからアイデアを考えるアイデアワークを行い、宿題を通して深めてもらい、最終制作では一人一人が自身が考えた制作テーマを自身で実装し、発表まで行います。


アイデアスケッチの宿題提出の様子


最終発表時の様子

■ オンプレ環境のDifyを使い、安全かつ実用的な業務効率化の仕組みを作る研修
DifyはAIアプリケーションをノーコードで作成できるツールですが、オンプレミス環境(※)に構築することで社外に情報が漏れるリスクを抑えつつ最新の生成AIを社員が活用する土台を作成できます。

(※ オンプレミス環境: 自社内に設置したサーバーなどの設備上に、ソフトウェアやシステムを構築し、自社の責任で管理・運用している状態。今回は阪神グループの社内環境に当たります。)

今回はオンプレミス環境のDifyを使い、自社内で実際に運用できる状態を作りつつAIアプリ開発の授業を行いました。また、社内ネットワークで利用できるツールなど手元でやれることだけでなく、世の中のトレンドにも触れる構成で様々なデジタルツールや生成AIトピックに触れました。

(ハンズオンで触れた項目の一部キーワードを抜粋
Dify / LINE Bot / miibo / Teams Bot / Slack Bot / ChatGPT / Claude / GitHub / LLM / RAG / DeepSeek / API / スクレイピング / with make / kintone / Office 365 / Notion )
■ テクノロジーを用いて自身に関連する困りごとの効率化を考えるアイデアワーク





実装だけではなく、学んだ技術を業務課題や身の回りの困りごとでどのように活かして実装するかを考えるアイデアワークも実施し、技術の企画応用力も同時に鍛える内容となっています。
■ 受講生によるプロトタイプ制作例
本研修では、受講者が実際の業務課題をもとにプロトタイプを開発しました。その一例を紹介します。



勤務地の駅に応じて家を出る時間のアドバイスをしてくれる会話型AI出勤する駅が異なる場合に家を何時に出れば良いかが分かりにくいという日々の困りごとがあるそうです。各勤務地や路線情報をRAGとして扱うことでアドバイスしてくれるAIを作成。





現場の暗黙知。工事データ検索AI駅などの工事データは現場で働いた人に聞かないと分からないことが多く、検索しにくい状態とのことです。RAG技術を活用し、過去の工事データをDify上で検索・整理できるアプリ。PDFや図面データなどのRAG化の難しさにも立ち向かいました。





単純なtodoではなくアドバイス生成をしてくれるタスク管理BotNotion上で管理しているタスク情報を元にTeamsに通知してtodoを教えてくれるワークフロー。
ただ単純な通知ではなく、タスクをAI(GPT-4o)が読み込み、タスク内容に対してアドバイス文言を生成した上で通知を行います。

MicrosoftのTeamsに通知する仕組みまで作成チャレンジをしてくれました。



- 業務課題以外にも身の回りの生活を便利にするアイデアからプロトタイプ制作した事例


サウナのランキング情報を定期的に確認できるLINE BotとチャットスクレイピングとLLMを活用して最適なサウナ情報を提供する仕組みです。自然言語での問い合わせに応じてチャットで回答する仕組みをDifyのチャットフローで作りつつ、定期実行でLINEやSlackに情報を通知する仕組みも制作。






ライフライン管理アシスタント引っ越しをした際の電気・ガス・水道・物件の管理会社などの契約情報や問い合わせ先が分からなくなる問題を一元管理。家で利用したいとのことでLINEとmiiboを使った実装にチャレンジされていました。miiboのステート機能も活用し、利用者がデータを随時更新・追加できる仕組みを実装。



■ 受講生や担当者からのコメント
- 受講生の声の一部
生成AIやデジタルツールを扱うこと以上に、考え方に対してのコメントが多く寄せられました。
- Difyはあくまでツールなので、これを「どう使っていくか」「何に使えるか」「それで何が変わって良いことがあるか」を考えることをまずはファーストステップとすることを改めて感じました
- 生成AI≒対話チャットというようなイメージを持っていたので、固定概念を崩すきっかけとなる研修だった。また、様々なツール・技術を組合せることで大きな力を生み出せると思うので、今後も情報収集していきたい。
- 3日間ありがとうございました。個人的に得る物が多い研修でした。Difyなどぼんやりとしていたものがハッキリとしたので、DX推進における1つのツールとして今後活用していきたいです。
- 業務改善に活用できるツールの使用方法だけでなく、どのようにしてアイデアを捻出するかの方法にも着目できるようになる研修内容だったので良い研修だったと感じた。
- RAGについて、生成AIを業務に活用することを前提とした社内資料の作成ができると、DX推進が進むと感じた。
- 非常に有意義な研修でした。業務に留まらずプライベートでも必ず活用します

- 担当の田中様のコメント
今回実施したプロトタイピング研修では、参加者が新しいデジタル技術に触れる面白さを体感しながら、実践的な学びを得ることができました。初心者でも短時間で成果を出せるノーコードツール(Dify)を活用した実践的アプローチが良かったですし、自身で考えた業務課題などをテーマに真摯に取り組み、短期間ながらも具体的な成果物を完成させることができたのは良い経験になったと思います。

今後は研修で生まれたアイデアやプロトタイプをAIポータルサイトなどで事例共有し、さらなる活用促進につなげていく計画です。また、研修を通じて芽生えたコミュニティ意識を活かし、継続的な学びの場を提供していきます。

この研修は単なる技術習得に留まらず、参加者が自ら考え創造するプロセスを重視した点が特に価値あるものとなりました。今後も内容を発展させ、より多くの方にデジタル技術の可能性を実感していただける機会を提供していきます。
デジタル活用の文化を一緒に変えていきませんか
プロトアウトスタジオでは、イオングループをはじめとした非IT領域の社会人を対象に自ら作るデジタルプロトタイピング研修を実施してきています。

デジタル活用に対する苦手意識がある参加者も多いなか、単純にアプリ開発などを学ぶ研修を実施しても業務イメージとの乖離が発生し、定着しません。

企画と開発をセットで実行し、プロトタイピングを経験することで自分ごととして活用していける姿勢を整えていきます。また、どのように研修後の業務や業務生活に結びつけるかを設計と評価をしながら人材育成のサポートを行っています。

少しでも興味を持っていただけた方は問い合わせ頂けますと幸いです。
問い合わせ
今回実施した研修の概要
対象者: 阪神電気鉄道・阪急阪神不動産の社員
参加人数: 9名
期間: 2025年2月に3回の授業
場所: オンライン実施

■ プロトアウトスタジオ
企画力・技術力・発信力を同時に育成するプロトタイピング専門スクールです。
(関連記事: プログラミング学習はもう古い。「令和」時代のイノベーションを担う日本初のプロトタイピング専門スクールを開校 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000020328.html )





運営会社: dotstudio株式会社
所在地: 東京都千代田区外神田2-9-3 ユニオンビル工新 8F
本件に関するお問い合わせ: info+protoout@dotstud.io
事業内容 : プロトタイピング専門スクール「プロトアウトスタジオ」の運営、企業向けDX人材育成研修、生成AI・IoT研修事業、新人研修、医療者向けプロトタイピングスクール「ものづくり医療センター」、法人研修の設計コンサルティングなど
URL: https://protoout.studio
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