アルヌール、100%人工海水でカギケノリの培養に成功

更新日: 2025年02月13日 /提供:パス

~海から離れた場所でも培養可能に!~

パス株式会社(東京都渋谷区: 東証スタンダード市場 コード番号3840)の連結子会社である株式会社アルヌール(東京都渋谷区、以下、アルヌール)は、カギケノリの人工海水を用いた樹脂バッグでの培養に成功したことをご報告いたします。
カギケノリは牛のゲップ由来メタン発生を抑制する効果があるとして注目を集めている海藻です。しかしながら、全国の牛の飼料に添加することを目指すには天然のカギケノリを収穫するだけではまかなえません。そこで、アルヌールでは海と陸の両方でカギケノリの大量養殖技術の研究開発を行っております。
これまでアルヌールでは神戸大学と協力して鹿児島県産のカギケノリ培養株を確立しています。この度、培地となる人工海水と栄養塩類の検討を重ね、天然海水を用いずとも100%人工海水を使用してカギケノリを安定培養させることに成功しました。また、培養にはエアーリフト方式を採用した樹脂バッグを用いることで、省コストに培養を開始・管理することができます。アルヌールでは今回の成果をもとにさらなる最適な養殖条件の検討を重ね、陸上でのカギケノリ養殖に取り組んでまいります。

図1 人工海水でのカギケノリ培養の様子。 左から培養開始時、2週間後、4週間後、バッグ内の個体

100%人工海水を用いた陸上培養の利点
1.均一な培養環境の確立
天然海水は天候や微生物の混入など、採水する環境によって品質が影響を受けます。一方で、組成が決められた人工海水であれば均一で安定した培養が可能となります。
2.場所を選ばず培養可能
人工海水のみを使用すれば、海から離れた場所であっても人工海水粉末を水道水に溶かすだけで培養が可能です。
3.天然海水のくみ上げや運搬コストの削減
  天然海水を用いる場合に生じる、くみ上げや運搬といったコストを削減することができます。


エアーリフト方式を採用した樹脂バッグでの培養の利点
1.エアーリフト方式による撹拌でカギケノリの細胞にやさしい
せん断力の少ない攪拌方法によって、細胞にダメージを与えずに個体を樹脂バッグ内で循環させることができます。
2.省コストでカギケノリ培養を手軽に開始できる
アルヌールで培った樹脂バッグの使用方法を導入すれば、カギケノリの培養を簡便に効率よく管理することができます。フラスコなどからスケールアップする段階として適しています。

◆培養技術の提供
アルヌールでは経験豊富な研究員が先進的な技術を駆使して日々研究開発を行っています。新事業開発、光合成によるCO2(二酸化炭素)の固定及び削減、新原料、新飼料、バイオ肥料、バイオ医療研究、藻類バイオマスのエネルギー利用、バイオ燃料など新たな産業の開発や研究に取り組む自治体、企業、大学等への販売と技術提供により持続可能な社会の実現を目指してまいります。
アルヌールでは下記のような技術の提供を行っております。お気軽にお問い合わせください。
《微細藻類の培養技術の導入、培養における専門技術提供、藻類育成技術の普及、バイオリアクター技術の提供、先進的な藻類培養ソリューションの提供、バイオスティミュラントの藻類への増殖効果検証、培養藻類内容物の抽出・精製方法の研究など》



■KAGINOWAについて https://kaginowa.com
本プロジェクトでは、「カギケノリ」の生息地である鹿児島県の山川町漁業協同組合と、藻類の培養技術を持つアルヌールと共同で「カギケノリ」の研究と養殖方法確立により安定供給と海洋養殖による藻場の回復拡大を目指し、本来の海を取り戻す活動を行ってまいります。
また今後は、本プロジェクトに参加する自治体や企業を募り、海洋国家である日本において「カギケノリ」の大量養殖を海洋及び陸上と両側面にて養殖技術の開発および「カギケノリ」による「牛のゲップ由来メタン」の削減効果のある飼料の開発により持続可能な社会の実現を目指していきます。

■株式会社アルヌールについて https://www.alnur.jp/
会 社 名:株式会社アルヌール 
本 社:東京都渋谷区神宮前六丁目17番11号 JPR原宿ビル
R&Dセンター:東京都豊島区高田一丁目25番3号 
事 業 概 要:微細藻類の培養装置及びそのオペレーションノウハウを基幹技術とした、バイオメディカル・ヘルスケア分野及びCO2削減等環境分野における研究・開発及びその技術提供、関連商品販売
海藻の一種である「カギケノリ」の力で、日本の畜産と漁業を未来へとつないでいく環境プロジェクト「Kaginowa」運営。

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