株式会社おひさま総合研究所(本社:千葉県千葉市、代表取締役兼校長:平山泰朗)は、兼業農家になることに特化した就農スクール「チバニアン兼業農学校」の入学生は2025年1月1日時点で300名を突破し、首都圏内で108名が就農したことを報告しました。
URL:https://chibanian.info
100名以上参加した昨年末イベント
農地の斡旋や探す方法、各種申請作業をサポート
「チバニアン兼業農学校」は、兼業で農家になることを目的とした民間スクールです。具体的には、就農の最大のハードルとなる農地取得、営農計画策定、新規就農者認定、書類作成などを実際の農政担当者や有識者が伴走しながら指導し、短期間で農業者になることを目指す実践的学校です。
また、兼業でありながら、収益を省力で上げるための6次産業化(ネット通販、ソーラーシェアリング、農泊、体験農業、農家レストラン、キャンプ場運営、省力栽培等)の講義も行います。最近は、共同での就農を意識し、オリーブベース(共同栽培)の場所を野田市、市原市、横浜市に用意し、専業農家にできないチーム戦を展開しています。
学校の圃場がある千葉県睦沢町では、農政担当者、既就農者が講義に参加し、町の農地の斡旋や探し方、新規就農認定をサポートします。ただし、就農地域は睦沢町に限定されません。他地域で兼業就農を希望する生徒には、用地探索から農地取得までを指導し、実際に首都圏で就農をはじめています。
農作物の栽培技術に関しては、日本農業実践学園(茨城県水戸市)や千葉県や茨城県内の農業指導者、農園と提携し、さまざまな作物の栽培方法をZoomによる講義と現地実習で学びます。
菌ちゃん農法も講義
兼業就農のメリット
兼業就農はリスクを伴うことなく、大きなリターンを得ることができます。代表的な例では、農家住宅の建設(市街化調整区域の農地等に建てられる自宅)、本業与信による融資、個人事業主化による節税などです。また、戦争や温暖化で食品高騰が叫ばれる中、食料を自給することができます。
従来の就農支援との大きな違いは、仕事をやめずに就農するため、経済的リスクがないこと。また、技術指導や営農計画策定、農地取得や融資獲得などは、生徒の個人的努力にかかっていましたが、それらをすべてカリキュラム化し、実際の関係者が講師を務めることでポイントをわかりやすく習得できる点も「チバニアン兼業農学校」ならではの就農支援です。
実習は、サラリーマンが通いやすいよう週末のみで実施します。二拠点生活での参加も想定しているため、移住は必須要件ではありません。そして座学は、Zoomを前提に平日20時から開催しています。
千葉県は首都圏に位置し、通勤も可能なエリアです。海や山からも近く、自然に囲まれた生活を、農業を行いながら送ることができます。さらに、6次産業化にもっとも重要な集客が首都圏から見込める点も兼業就農に有利な点です。
また兼業就農に特化しているため、専業農家向きの栽培物の授業よりもオリーブなどの果樹、薬草、ナッツ、苔、早生桐、枝モノなどの粗放栽培を中心に講義することも特徴です。これは実際の生徒が遠距離のため、月数回しか農地に通えないことを前提に考えられています。
農地・井戸掘り授業
7名の認定新規就農者が誕生
2024年までには、「チバニアン兼業農学校」から7名の認定新規就農者が誕生しました。業界の常識からいうと兼業のままでの取得は、快挙ともいえる出来事です。
*認定新規就農者とは、新たに農業を始める人が作成する青年等就農計画を市町村が審査・認定し、その計画に沿って農業経営を営む農業者のこと。市町村から認定新規就農者と認められると、経営開始資金の交付や農業経営資金を無利子で借りられるなど、とくに資金面での大きな後押しとなります。
様々な職種の人が参加
2022年1月に開講して以来、1期生から9期生まで302名の生徒が「チバニアン兼業農学校」で学び、うち108名が首都圏で就農を果たしています。それ以外の生徒も就農に向けて準備を進めています。現在は10期生が学んでいます。生徒は主に首都圏(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、茨城県、)に住み、仕事に従事している人がほとんどで、職業も公務員、上場企業社員、大学教員、広告代理店社員、焼肉チェーン店オーナー、居酒屋経営、パイロット、自衛官、教員、看護師、公認会計士、行政書士、建築士、測量士、歯科医、医師など多岐にわたります。
オリーブベースでは、2000本を共同管理
当校就農地図
オリーブベース開始・現代のコルホーズ(集団経営形態)
チバニアン兼業農学校では、専業農家は個人戦中心、兼業農家はチーム戦ができるという発想のもと、収益性の高いオリーブ栽培をポットで行うことを推奨しています。ポット栽培にすることで集団による集中管理が可能となり、作業を分担することで省力化・簡素化を実現しています。また、ポット栽培であるため、移動や売買、相続が容易となります。
市原市にあるオリーブベースでは、約20名の修了生が集まり、2,000本近くのオリーブを共同管理し、初期段階の作業負担を軽減しています。ITを駆使して自動潅水装置や遠隔監視を行い、月々の作業分担を減らしつつ、講師による継続指導を無料で行っています。
現在は千葉県市原市・野田市に展開していますが、埼玉県春日部市・神奈川県横浜市にもすでに農地を確保しており、今後は首都圏を中心にオリーブベースを拡大していく予定です。